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自己紹介

2021年の初めに、今の気持ちを書いておこう

新年を迎えて、新たな時間をいただいたような気がします。
みなさまどんなお正月を迎えましたか?

私は例年のおせち作りをすっぱり止めて、心が安らぐことを優先し、よく眠り、食べたいものを食べ、それから手帳の整理をして過ごしました。
あ、大泉洋さんのことが心配で、生まれて初めて紅白を、最初から最後まで見たことも付け加えておきます 笑。

手帳の整理は年末恒例行事です。
年の終わりにはその一年のことを振り返ってから、新しい手帳を書き始めるのが頭の整理に役だっています。
今日は年が改まったので今の気持ちを記しておきたくなりました。

去年の手帳の終わり「今年1年を漢字一文字で表すと?」という質問にちょっとだけ悩みました。
直感で浮かんだのは「緊」か「守」か。
私の職場では感染者は出ておりません。
けれどもニアミスのようなことはしょっちゅう起きています。
2月から何度も臨時会議を開いて、考えうる対策はやってますが、クラスター発生病院のお話を聞くと、いくらPCR検査を水際でしても見えないところからするっと入り込むのがこのウイルスの特徴で、完全に防ぐことは不可能です。
いつ自分たちに起きてもおかしくない、その時に最善最良を尽くして患者と職員を守れるか。

積極的にコロナ感染者を治療している医療者の話を聞くと、自分は看護管理者としての本当の苦労がわかっていないような気持ちになります。
日々職員が手指消毒し、無言でお弁当を食べ、手すりをアルコールで拭き、自宅で静かに過ごしてルールを守ってくれている。
どこの医療者も、職場や家庭でストレスの高い状態が続いています。
防御ばかりで戦略的に「これで良し」と言い切れないまま、この不全感と緊張感がこれからも続きます。
日本でもワクチン接種は今年中にできるのか、その安全性は、効果は、などと考えても仕方ないですが、確かなことがひとつでも欲しいと思います。
その一方で本当に必要なものは何か、身近なところで幸せを感じたり、対話の大切さを学んだ一年でもありました。
まあ、そんなわけで正直に語ると今の私は院内にウイルスが入り込むことを恐れ、怯えています。
ですので去年の一文字は「守」かな、しかもその字はぶるぶると震えている。
そんな気持ちで手帳を閉じました。

さて2021年の手帳はどんな文字を書きましょうか。

「今年一年どんな年にしたいか漢字一文字で表すと?」を考えます。
7月は私どもにとってビッグイベント、新病院への移転があります。
緩和ケア病棟が増え一般病棟が合体し、透析のベッドが増えます。
その前4月には希望を胸にした職員が来てくれます。
新しい病院に来てくれた患者さんと職員に「ここへ来てよかったな」と心から思ってもらえるように、中身を磨いてみんなで移ろうと思います。
コロナウイルスに縛られた日常は、今年の終わりに何か少しでも打ち破ることができているでしょうか。
こんな臆病な看護管理者ですが、みんなの力を借りてなんとか乗り越えられるはず!と思っています。

そんなわけで今年の一文字は「進」にします。
見えない鎧を身につけて、スクラムを組みながら一歩ずつ踏みしめて進むしかありません。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
一年の始まりは「願い」と「誓い」をセットで考えたらいいんですって。

休暇は自分の断捨離

1月半ばからしばらくお休みを頂き、旅行に行ってまいりました。
大自然の中で数日間、昼間は雪の中を散策し夜はオーロラを追いかけるという贅沢な時間を過ごしました。
ネットにはあえて距離を置き、人々の暮らしぶりや歴史など興味深く見聞きし、それから長編小説を2冊読みました。
土地の食べ物を時間をかけてじっくりと味わい、丁寧にストレッチをして身体が喜ぶことをしていました。

普段私は1週間ごとの行動計画を立てて過ごし、週末にそれを振り返って翌週の計画を立てるということを繰り返しています。
けれども、この休暇の間はとにかく心の赴くまま行動する。
寝たい時は寝る。
入りたいときにお風呂に入る。

「アレしなくちゃ、コレしてないわ」の呪縛を解いて、したいことだけをする。
本当にしたいことって何だろう。

自分に問いかけ、
カラッポになった1週間でした。
体も心も休息って大事だなあ。
わかっていたことだけれど、素直にそう思いました。

これも寛大な上司に恵まれ、留守を守ってくれる師長さん達がいるおかげです。
戻って最初の朝の歩き回りでは、何もかもが愛しい。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
スペースをあけないと新しいことも入らないですね。

居酒屋ばぁば ~人生フルーツその後~

写真は過去のポスターです


元号が変わり、史上初の10連休となったゴールデンウィークですが、病院は途中5月2日に通常診療をしました。
年末年始も連休も、病院は24時間365日の仕事。
患者さんを守ってくれる職員がいるから、私は夜寝ることができる。
おかげさまと感謝しています。

お休み中、ネットであれこれ調べているときに偶然映画「人生フルーツ」の奥様・津端英子さんの「その後」を見つけました。

この映画、今もシアターキノ(札幌)で月一で上映されています。
軽やかなピアノの音楽を背景に、津端さんご夫妻の日常生活が淡々と描かれています。
畑を作り、実がなって、枯葉で肥料を作り、また畑に漉き込む。
できた作物で手作りの料理をし、お菓子を作る。
周囲の人に手書きのはがきを送る。作物を分けて送る。
その生活の延長上にごくごく自然な形で死が訪れる。
死は特別なことではなく、時計が止まるように。
ナレーターは樹木希林さん。穏やかな言葉が映像に深みと味わいをつけてくれます。
「人生フルーツ」のその後、英子さんはどうされているんだろう。
あの大きな家で今も畑を守り、日々を丁寧に暮らしているのだろうか。
よけいなお世話ですが、勝手に心配していました。

2017年の動画ですが、この「居酒屋ばぁば」、英子さんと樹木希林さんの女子会です。
お二人の結婚観や人生観が伝わってきます。
英子さんの大事にしている、「ときをためる暮らし」。
私にはとてもできないけれども、少なくともちゃんとしたものを食べることや自分の体の声を聴くこと、家族を大事にすることは心がけようと思ったのでした。

https://joholinear.com/all-about-tsubata-hideko/

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
今は鬼籍に入った樹木希林さんの、内田裕也さんを想う気持ちもいいんだな。

自分の衰えを認めることについて

ある日のこと、私は地下鉄で札幌中心部へ行こうとしていました。
ICカードをチャージしようと思って誰もいない券売機に向かい、そこでお財布から千円札を2枚とカードを取り出しました。
チャージをするのにまず画面の押すボタンを間違え、
やりなおして今度はお札の入れ方が悪かったのかもう一度やり直しになりました。
機械からお札が戻ってきて、初期画面に戻るまで間が空きました。
そうしたらいつのまにか後ろにいた若い女性が
「あの、先にいいですか?」と言いながら、私と券売機の間にするりと入って切符を買って行ってしまいました。

何だか、心に黒雲が浮かぶような嫌な気分になりました。

地下鉄に乗ってその「黒雲」はなんだろうと考えました。
自分では遅くしようと思っていないのに、結果的に遅くなって他の人の迷惑になったこと。
以前なら券売機に行く前にお財布やカードを準備してもっと素早くできただろうこと。
(今日は誰も並んでないから、と気持ちが緩んでいた)
後ろに人がいる気配をまったく感じ取れなかったこと。(隙だらけ!)
若いときは私もこういうシチュエーションでは「全くおばさんは機械に弱いからなあ」とじりじりして待っていただろうに、あの女性はほんの数分も待たずに、なんというか、爽やかに横入りしたこと。
それをただ見ているしかなかった自分の情けなさ。
そういうことがないまぜになって「黒雲」になったんですね、きっと。

たまにしか乗らない券売機の画面を一瞬で理解することはできないし、できなくなっちゃったんだ、という自分の衰えを受け入れなきゃいけないんだなと思いました。

軽い風邪が治りにくくなったり、取り扱い説明書がさっぱり理解できなくなったり。
長い距離や階段を歩けなくなったり。そういうことと似ている。
それでもパソコンやスマホになんとか付いていってるのは、結構頑張っているんじゃないかと思います。

私たちの世代は人生の途中からパソコンやスマホが出てきて、それ以前の時代を知っている。
電話を持ち歩かなかった時代は、人が来るのをじっと待っていたり、どこかへ行くのに時刻表で調べていた時代。
そのことを知っているから、今がとても便利だとわかるけれども、生まれた時からネットがある世代の人たちは脳科学的に何か違いができるんではないかなと思う。

少なくとも、券売機の前でもたもたしている人にはもうちょっと寛容でいてほしいなあと思う。
なんでもIT化が進むと、こういうもたもたした人が増えるのですよ。
逆に言うと病院は高齢者が多いのだから、もっとやさしい説明を心がけなくちゃ、ね。

この話を30代の人としたら、「オートーチャージにしたらいいじゃないですか~。そしたらいちいち券売機行かなくていいんですよ」と言われました。
そ、そ、そうですね。
こうして世の中はどんどん進んでいくのですね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これでもその昔、新人類って言われてたんだけどね。

表現することの勇気

「発信しなければないのと同じ」
「誰でもできることを誰にもできないくらいやる」
というエクスマ思想。
ほんの2年前まで私はフェイスブックに顔を出すことも、発信することも苦手でしたが、白藤沙織さんの「ソーシャルメディア塾」をきっかけに、SNSで「個」を出しゆるやかに人と繋がっていくことを知りました。
当院のような小さな病院は広告宣伝にあまりお金がかけられないので・・というのが初めの動機でした。
あれから2年経ち、自分の中でそれなりに発信をしてきたつもりでした。

病院の菜園でできたイチゴ


しかし今年、思い切ってエクスマ塾in比布町へ行ったことで、少し考えが広がりました。
人を知り、理解しようと努力することの大切さ。
考えて・表現を磨き・伝えることのプロセス。

今の時代は、江戸時代に生きた人が一生かかっても集められなかった情報が、ほんの数分で集められます。
情報があふれているからこそ、どれが本当に信頼できるものなのか、自分に必要な情報や商品を、ネットから吟味して得る世の中になりました。
そして同じ商品なら知っている人から買いたいと思いますし、人柄のいい人から買いたいものです。

病院の玄関前の花壇

病院について語るのははっきり言って難しいです。
ホスピスのことや認知症のことも、一般の方の方が詳しい知識を持っていらっしゃることも多くなっています。
ただ実践してきた年数を頼りに、私なりにお伝えできることはまだあるなあと思いました。

SNSの発信が時代とともにどう変わっていくのか、わかりません。
ただ江戸時代ではなく今の時代に生きていること、そこで今私が挑戦することのひとつとして、「コレかな?」とアンテナがぴんときたから、やり続けてみます。

表現することは勇気がいります。だからこそ、自分の意見をしっかり考えようと思います。そして表現を磨く努力をしようと思います。
それはもちろん本業をきちんとしてこそ。
そして、一緒に働く職員の皆様に感謝しています。

検索技師Tさんの作品

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
もうちょいギアを上げて、参ります。

ついに踏み込んだ!エクスマ塾(最終回)

人は年に一回ぐらい、立ち止まって越し方を振り返り、自分は何のために存在しているのかを考える時間を作った方がいい。
そんなことを感じたエクスマ塾2回目の合宿。

豪華な朝食。「かっぱの健卵」がおいしい!

今回の塾では4人一組のグループになって、そのうちの一人について10分間で紹介するという課題が与えられました。
10分間と言う時間は長いような短いような時間です。しかも何も手に持たずに暗記して発表しなければなりません。
相手のことを情報収集し、話の内容を組み立て、人にわかりやすく伝える工夫をすることが求められます。

生い立ちからはじまって、好きなこと嫌いなこと、得意なこと苦手なこと、親から影響を受けたこと、子供の頃のことから大人になってからのこと、それをお互いに聴き合い、疑問点を聴き直し、メモして組み立てる。
発表のためのシナリオを何度も書いて、過不足なく伝えられるようにし、最初と最後の言葉を暗記しました。
慣れない頭の使い方で、私は夜中の2時過ぎまで起きて練習しました。

自分も情報収集するんですが、私自身の事も聞かれました。
普段子供の頃のことなど思い出すことなどありませんから、錆びついた記憶を呼び覚ますのに時間がかかりました。
小さい頃は何になりたかったんだっけ?
そしてどうして今の仕事につながったんだろうか。
いろんな人に導かれて、自分で選択して、今ここにある奇跡。いや必然といったらいいか。

私に与えられた天命って何だろう。
そんなことを考えるワークとともに、自分を見つめ直す機会でもありました。
サポート講師に助けていただきながらなんとかかんとかシナリオができました。

翌日は午前午後と他者紹介の発表を行いました。
一人の人生を聴いて掘り下げ、それを他の人に伝えるなんていうことを、ここまで真剣に行ったのは初めてでした。
フシギなことに全員の人生をみんなで聴き合って、普通の出会いよりも深く知りあい、まだ会って2度目なのにとても近い関係性になりました。
みんな昨夜遅くまで練習して、人の人生の要点をまとめ、必死で覚えて、その人の良いところを一所懸命伝えようと努力しました。
だから体を通ったコトバというのは、人の心を打つのです。
紙でもなく、パワーポイントでもなく、ただただ伝えようとする一所懸命さに聴く方も真剣になります。

その姿が美しいと藤村先生はおっしゃいました。
塾生としてその言葉がとてもうれしく感じられました。

最後までお読みいただきありがとうございます。
これからも心にピーン!と来たこと、お伝えします!

ついに踏み込んだ!エクスマ塾(中)

5月の終わりに比布町の「遊湯ぴっぷ」という温泉宿泊施設でエクスマの最初の合宿が行われました。

遊湯ぴっぷのサイト↓
http://yuyupippu.com/spa/spa.htm

比布町は道北の人口3800人の小さな町で、町おこしのために藤村先生をお呼びして町民自らエクスマを学び、SNSのつながりで今活性化している真っ最中です。
その比布町でエクスマ塾。こんなことでもなければ北海道民の私も行くことはなかったかもしれない比布町でした。
そこで初めて知り合った人たちといきなりの合宿です。年齢は20代から60代まで、職業もさまざまでした。

自己紹介でお互いの仕事となぜエクスマ塾にきたのかを話し、講義を聴きました。
それぞれが仕事で使っている、パンフレットやチラシの類を持参してきました。
そこに書かれていることは、果たして消費者の心にヒットしているだろうか、困っている人の役に立つ内容だろうか?
という視点で解説されました。

SNSも印刷の販促物も基本は一緒、誰に何を伝えたいのかをまず明らかにして、どんなふうに伝えたらいいかをよく考えること、であるとか、世の中には情報が溢れていて、一方的な広告はただの雑音になった、という話を聴きました。
しかし友人知人の話には耳を傾けるので、SNSで友達が勧めるお店に出かけたり、同じ買うなら友達のところで買おうと言う気になると教わり、その通りだと思いました。
そして人は楽しそうなことや人のところに集まるものだ、というのもなるほどなと思いました。
私が傍から見ていて、エクスマの人たちは「いつも楽しそうだな」と気になっていたのは、そういうわけだったのですね。

それで「好きなこと」「得意なこと」「やるべきこと」を掛け合わせて人に喜んでもらったり、社会に貢献することで、仕事の質がよくなり仕事だけじゃなく人生そのものが楽しくなっていくんだと教わったのです。

私はですね、今でも十分この仕事が大好きで、自分の病院を愛しています。
職員が幸せに働いていたらそれは絶対患者さんにとってもハッピーなのだと信じています。
そして自分や自分の大事な人が入院しなきゃいけなくなった時に、「工藤さんのところに頼みたい」と思ってもらいたいし、職員にも患者さんにもご家族にも「ああ、ここへきてよかった」と思ってもらいたい。
そのためには宣伝するだけじゃなく、中身のケアも常にブラッシュアップして、自信を持ってお迎えできるように整えていく必要があるのです。
なぜなら私たちが売るのは形のないケアというサービスだから。

そんなことを再確認した最初の合宿でした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
まだまだやることたくさんあります。このブログ続きます(笑)。

ついに踏み込んだ!エクスマ塾(上)

身体を通ったことは伝えた時に力がある、と常々思っています。
講義のパワーポイントが凝っている、とかいうのはあんまり意味がありません。
体験したコトバ、自分で勝ち取ったコトバで語ることにはかなわない、そう思います。

5月から私はエクスマ塾に入りました。

エクスマ塾とはエクスペリエンス・マーケティングと言ってモノではなく体験を売る視点でマーケティングを考える塾のことで、藤村正宏先生が10年以上前から提唱しているものです。藤村先生の最新刊↓
https://www.nikkeibook.com/book/106719

2016年に私がこの病院に着任して、最初に考えたことは看護師の採用をどうしようかということでした。
看護部長の仕事のうちで最も重要なところです。
小さな病院なので、看護師採用についてのお金はあんまりかけられない。
出来る限り理念や方針を理解してもらってから、就職してもらいたい。

さてどんな戦略で行動するか・・というときに、フェイスブックの友達関係から時々見ていた、白藤沙織さんのサイトに行きあたりました。

白藤さんのサイト↓
https://www.websuccess.jp/saorin/

印刷会社の役員をしている白藤さん自身も、印刷業界のこれからを考えて、ホームページ制作の方へシフトチェンジして活躍されている方です。
その白藤さんが主催した「ソーシャルメディア塾」に通ったおかげで、私はこうしてフェイスブックやブログで病院のことを紹介し、まだ見ぬ未来の看護職員に向けていろいろ書くようになりました。

おかげさまで去年と今年は宣伝費ゼロ円ですてきな看護職員が集まり、とてもうれしくやりがいを感じています。

さて、白藤さんの教えを実行して手ごたえを感じた私は、今やっていることをもっと強化したいというか、白藤さんの師匠である藤村先生が教えていることはどんな感じだろうか、と思い始めていました。

SNSでたびたび見る「#エクスマ」に関わった人たちは、なんだかみんな楽しそう。そしてすごく仲がいい。なんだろうこの強烈な絆は。
しかもちょっと変わった人、濃い人が多い(笑)。

それで密かにエクスマについての情報収集をしていたのですが、今年になって北海道の比布町でその塾が開催されることがわかりました。ホームページの前でちょっと迷いました。迷ったのは多分10秒くらい。そしてぽちっと参加のボタンを押したのです。

長くなるので次号に続く・・

エクスマについて↓

https://www.ex-ma.com/

日本の医療ドラマは見ない・・でも。

私、アメリカのテレビドラマが好きです。
最近はタブレットをベッドに持ち込み、アマゾン・プライムやHULU(フール―)で配信されている連続ドラマを、一日1話ずつ見るのを楽しみにしています。

かつて「ER緊急救命室」というドラマが大好きでした。
アメリカ・シカゴの病院の救急センターが舞台の一話完結ものでしたが、登場人物一人一人のエピソードがあって、試練と成長、恋愛と別れ、患者の人生ドラマが面白くて医療知識としても勉強になりました。
神の手というよりは実直に考え努力したり、仕事はできるのに家庭生活がうまくいってなかったり、傲慢でいけ好かない奴だけど、実はヒューマニズムが見え隠れしたり。
現実にも「いるいる」と思うような人物が魅力的に描かれていました。

http://www.superdramatv.com/line/er/

そのドラマが発端かどうかはわかりませんが、この10年あまり日本でも医療系のドラマが結構放映されたと思います。
でも私はあんまり見ませんでした。なぜかって、いろいろツッコみたくなるから(笑)。
「私、失敗しませんから」の名セリフくらいにデフォルメされちゃうと、かえってギャグだと思えますが、「こんな会話はないよなあ」とか「こんな若い医者ばっかりだったら不安だなあ」とか「患者さんてまっすぐ天井向いて寝てないしね」なんてことについつい目がいってしまうのです。

そしてよくある屋上シーン。病院管理上、屋上ってあんまり気軽に出入りできる場所じゃないはず。
たいがい施錠されてて。演出としては使いやすい場所なんだと思うけど、医療者としては「ない」なあ。

そういいつつ、それらの医療ドラマに憧れて看護師を目指す若者もたくさんいるので、夢は壊さない方がいいですね。
これからは在宅のドラマ、とりわけ自宅での看取りのドラマが増えるといいのかも。

さて表題ですが。
普段日本の医療ドラマは横目で感じているだけの私ですが、「ブラックペアン」は見てみます。
なぜかって日曜ドラマのヒット枠だし、主演が二宮くんだし(笑)。
http://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
予告じゃあ研修医にしか見えない(^^ゞ

やさしい手、やさしいコトバ

歯医者に通うようになってもう4年目になります。
治療は最初の1年位で終わり、今は定期チェックとクリーニングだけに通っています。
先日「工藤さん磨き方が上手になりましたね。定期チェックの間隔をもうひと月延ばしましょう」とお褒めのコトバをいただきました。

私はこの歯科衛生士さん(Sさん)に絶対的な信頼を置いています。
治療していた1年間は、その都度日替わりの衛生士さんでした。
その中でひとりだけ、コトバのかけかたと手の触れ方が特別やさしい人がいました。

歯医者というところは寝椅子に座って身体を預け、「痛かったら合図してください」と言われる場所です。金属的な器械の音に気圧されて、完全に主体性はなくなり、いつ痛くなるのか、あるいは痛くなく済むのかもわからないので、終始身を固くしてじっと構えているしかありません。

そういう患者の心理と緊張をちゃんと推し量り、Sさんは「今は息をついて、力を緩めていいですよ」とか「さあこれからまた口を大きく開けてください」という構えをこまめに教えてくれるのです。私は素直にそれに従い、緊張と弛緩を繰り返しました。

毎回治療が済むと、他の歯のメンテナンスがあります。

Sさんは「この音、怖い感じがしますよね」と共感したうえで、「今日はこれを使うのは前の歯だけですから」と覚悟をつけさせてくれようとする。
器具を口に入れる瞬間の、手指の添え方がやさしい。
終わりころになると「あともう少しで終わります。」と目途を伝えてくれる。
Sさんは毎日毎日何十人も同じことを繰り返す。でも受け手の患者はそれぞれ違うわけで、今日その人は1回の治療に来ただけです。
あたりまえだけど、今目の前にいる患者のことを思って同じ声掛けを繰り返すのですね。
そこに一切の手抜きはなく、それが手とコトバを通して伝わってくるから、Sさんに安心して委ねることができるのです。

治療が完了してあとは定期チェックに通うことになった時に、私は考えました。
メンテナンスは歯科衛生士さんの仕事だから、できることならずっとSさんにやってもらいたい。
この人だったら私はストレスなく通える。
わがままかも知れないが、ダメもとで「歯科衛生士さんを指名できるでしょうか?」と尋ねてみると、できると言う。
私は小躍りする気持ちでした。

それから3年になります。
今のところ虫歯もなく、歯周病もなし。ありがたい。
万一この人が別なところに転職したら、ついて行こうと思っています。

翻ってわが医療の場でも、やっぱり信頼できる人は同じ。
正しい知識と技術を兼ね備えた土台があって、それを伝えるコトバや手がやさしく丁寧であること。
これに尽きますね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
仕事は人格につながっていると思う。

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