札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ
やさしさビタミンブログを終わります
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今日は皆様にお知らせを。
2016年から始めた「やさしさビタミンブログ」は本日で終了となります。
お金をかけずに看護師を集めたい、という不純な考えから始めたブログでしたが、おかげさまで今はインスタグラムやLINEなどの媒体で、この病院のことを伝えられるようになりました。
看護部長の仕事は看護師を集め育て、いい看護をするチームをつくることです。
日々良いケアをしようと頑張っているスタッフのことを、自信をもって発信できたこと、このブログがご縁で多くの方とつながりが持てたこと、これが私にとってなによりの財産になりました。
これからも当院は患者さんとご家族を丸ごと支援する、温かいケアを続けてまいります。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
またいつかどこかでお会いしましょう。
2025.1.27 工藤昭子
緩和ケア病棟看護師募集
こんにちは。札幌南徳洲会病院です。
緩和ケア病棟で勤務する看護師さんを若干名募集します。
詳細は採用情報のページからお入りいただき、エントリー画面からお問い合わせください。
すてきな看護師さんをお待ちしております。
2名の新認定看護師誕生!
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
年末年始もとうの昔、という今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
昨年のクリスマスイブの日に、認定看護師の結果が発表になり、当院では2人の認定看護師が誕生しました。
一人は感染管理、もう一人は緩和ケアの分野で、これで緩和ケアが5人、感染管理が2人、認知症看護が1人、さらにがん看護専門看護師1人と層が厚くなったと感じます。
新たに誕生した感染管理の方は「感染を怖がらずにしっかり対処して、患者さんのケアに役立てるようにしていきたい」、緩和ケアの方は「日常ケアはもちろんのこと、スピリチュア・ケアができるように、みんなで話し合って進んでいきたい」と抱負を語ってくれました。
認定看護師の制度は数年前から変化してきていますが、後輩への指導や相談、地域の中で質の高い医療を提供する役割は変わりません。
これからも目の前にいらっしゃる患者さんはもちろんのこと、広く地域の皆様のお役に立てるように、活躍できるような機会を作りたいと思っています。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
仕事をより良くする学びは楽しいね。
卒業
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
新年があけてもうはや3週目ですね。成人式も終わって、ほんと早いです。
先日ボランティアグループせらのメンバーで、長年活動してくださっていたYさんとMさんのお二人が「卒業」されることになり、小さなセレモニーが行われました。
お二人は8年ほど前から当院ホスピスで、季節の飾りつけをしてくれていました。
古い病院のときも、飾り棚が8か所ほどありまして、それぞれがまるで舞台のようにテーマを持って飾られていました。4月なら入学やお花見、5月は子どもの日というような定番のものもあれば、牧場やカエルがいる田舎の風景などもあり、郷愁を誘うのでした。私が好きだったのは教室の風景で、机やいす、ロッカーにはモップが入っていて、いろいろ芸が細かくてじっと立ち止まって見入ってしまいました。
患者さんの中にも見入っている方がときどきいらして、ご自身が子供だった頃や、ご自分のお子さんが小さかった頃を思い出して、昔話で盛り上がるのです。言うならばジオラマのようなものですから、回想法にもなっているのかも知れません。
それから、職員しか通らない階段の途中の出窓のところにも飾りつけをしてくださって、節分の時には「お疲れ様です!よかったらどうぞ!」と添え書きして豆菓子を置いてくださって、なんとも温かいいたわりの心を感じたものです。
そんなお二人に、院長が自ら作成した卒業証書と、みんなからの寄せ書きをプレゼント。
これから新しい道を歩かれるお二人を、心から応援しております。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
ボランティアさんの存在は大きいなあ。
寝れば治る
新年あけましておめでとうございます。
今年は穏やかな天候のお正月です。札幌は雪が少なくて、これから降るのだろうなとドキドキしています。
さて私ごとですが、クリスマスイブから流行りの感染症にかかってしまい、珍しく寝込んでしまいました。
3日間トイレ以外に布団から出られず、起き上がるまで数日かかりました。
うとうとしながらスマホを見ていて、野口晴哉さんの「風邪の効用」という本を知り、気になってすぐぽちっと買いました。
この本1962年に刊行された講和集で、裏表紙にはこう書いてあります。
―風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものである。(中略)風邪を引いたあとはあたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた名著―
この、「蛇が脱皮するように新鮮な体になる」というフレーズが引っ掛かりました。さらに気になったフレーズはいくつもあるのですが、
―早く治したい気持ちはわかるが、人間の体の動きは壊すときは一気にできるが、活かすとか正すということは順々に、徐々に変わってゆくのであって、その経過のうちに動く自然の移り変わり、体の状況をハッキリ知るべきでありましょう。
早く治そうという考え方が、体の調子を乱す。強行すればそのための行為が身体を乱す。
治し方を工夫するよりも全体の流れを整理するための観察方法として経過を見る。身体を乱さず整えておけば、自ずから経過する。―
そうですね、私が子供だった頃は風邪くらいで病院にはいかず、家で温かくして寝ているのが基本でした。
母が葛湯を作ってくれたり、桃の缶詰を開けてくれたり。私なんかはこの桃缶のためにぐずぐず長引かせたいくらいでした。
翻って現代は効率よく診断をつけて治療するのが当たり前になりました。
今は風邪症状の原因が何であるかを明らかにしないと休むに休めなかったりで、ややこしい世の中になりました。
けれども60年前の養生訓は、しみじみと自分の身体を観察し、明日にむかっていくパワーを与えてくれました。
たまに寝込むのも必要なことですね。
本日のタイトルは父の口癖。少々のことは「寝れば治る」といつも言ってたっけ。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
皆様もお大事になさってください。
クリスマス・キャロリング
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
クリスマスも終わり、世の中は年末モードですがいかがお過ごしでしょうか。
とはいえ、今年はインフルエンザやコロナウイルスなど感染症が大流行しております。
今年はおウチでゆっくり、がいいかもしれませんね。
さてクリスマスの話題に戻っちゃいますが、12/23の夜にクリスマスのキャロリングが行われました。
私もこの病院に来て初めてちゃんと参加(というかインスタグラムのための取材なんですが)したという不届きものです・・・。
前野先生が「これが終わらないと新年が来ない」という、大事な行事です。
有志の職員たちが讃美歌を歌って、入院中の患者さんにクリスマスの雰囲気を少しでも味わってもらおうというもの。
舞台裏を説明しちゃうと、12月に入って前野先生からキャロリングの呼びかけがありまして、当日18時に講堂に集合します。そこで約30分ほど練習。
曲は「もろびとこぞりて」など3曲。今回は医師・看護師・事務・臨床宗教師・ボランティアせらなど14人が集まりました。今年の聖歌隊、人数は過去最高だそうです。
さて練習にお邪魔してみると、高音のメロディラインはわかりやすいのですが、中音・低音はときどき音の頭が行方不明になってハラハラ。
そこへ臨床宗教師の米本さんが遅れてやってきました。米本さんは音楽家でもあるので、低音がどっしり響くようになりました。
さてさて30分の猛練習をしていよいよ2階病棟へ。廊下の端に集まり、前野先生が指揮を始めます。夕食後のひととき、急に歌声が聞こえて患者さんびっくりしたでしょうね。でも一曲終わるごとに遠くから拍手が聞こえ、介護福祉士のDさんが出てきて「一番遠いお部屋でも聞こえていましたよ。拍手して喜んでくださいました」と実況中継してくれました。
その声に勇気づけられて、3曲歌い、さあ今度はホスピスへ。
こんな感じで3つの病棟×3曲を繰り返したのでした。
よろしければ本日のインスタグラムもご覧くださいませ。
今年一年、このブログに来ていただきありがとうございます。
みなさまどうぞよいお年をお迎えください!
クリスマスカード
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
先日ソーシャル・ワーカーのTさんが、看護部にクリスマスカードを持って来てくれました。
大きな赤い封筒に入っているそのカードは、今年ホスピスで亡くなられた方のご家族が、わざわざ届けてくださったものです。
Tさんから聞いた話によると、そのご家族は「この病院に入院していたとき、主治医や病棟の看護師さんはもちろんのこと、事務の方や給食の方、それ以外にもお会いすることはなかったけれど、お世話になっていたと思う。そういう、目には見えなかったたくさんの方にお礼を伝えたくて、このカードに込めました」とおっしゃったのだそうです。
この話を看護部長から発信してください、と託されました。
そんな風に思ってくださったこと、とてもうれしく思います。仰る通りで、入院患者さんやご家族にとって、日ごろ見えているのはもちろん病棟で働く職員ですが、病院というところは多職種の集まりです。一度も会わない人がほとんどかも知れませんね。
私が病棟師長をしていた時、研修でこんな話を聞きました。
「患者さんが退院するとき、お礼を言って帰られる方がいらっしゃいますよね。それは直近までケアしてくれた看護スタッフに対するものだと、勘違いしていませんか?その方が外来から入院して退院するまでのプロセスに、いろんな人が関わっています。手術を受けた場合は、手術室のスタッフのことなど覚えてないでしょうけれども、その人たちのしてくれた治療や看護も含めて、感謝を述べて仰っていることを、勘違いしないように」
視点は違いますが、本質は一緒。
託されたカードはキラキラと電飾がついては消え、ボタンを押すとクリスマスの曲が20曲も流れます。先週朝礼でもお話して、カードに込められたお話を伝え、回覧している最中です。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
あったかいプレゼント、ありがとうございました。
食う・しゃべる・笑う
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
12月も2週目が終わりました。 気ぜわしい毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。
先週は、以前一緒に働いていた仲間に誘われて、ランチにでかけてきました。
若かりし頃、同じ場所で共に頑張っていた人たちというのは、何年も話してなくても、会ってすぐにその時代に戻りますね。過去と現在を行ったり来たりしながら、ときどき涙が出るほど大笑いして、楽しいひとときを共有しました。
縁あって一緒に働き、毎日いろんなことにぶつかっていたけれど、そのとき共有した感情や信頼関係というのは、時間が経っても色あせずにいるものだなあと思いました。
そして一緒に食事をすることで、エネルギーとパワーをもらいました。
みんな頑張っているなあ。私もしっかりしなくちゃ。
そして病院の忘年会もありました。コロナで数年忘年会をしなかった影響もあって、参加者は減っていますが、一年のご苦労をねぎらって、共に過ごした仲間と語らうのは、絆が強まる気持ちがします。今年は抽選会も品数が多く、久しぶりに「芸」も見られたので、大笑いして一年の疲れが癒されました。
参加者の笑い声が絶えなくて、来年はもっと多くの人が参加できるようにと、早くも院長たちと策を練っている最中です。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
飲みニュケーションって死語じゃないよね。
しわしわの黒豆
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
12月に入り、もう1週間が過ぎました。札幌は一日で真っ白な世界。なんだかやっぱり気ぜわしい月ですね。
クリスマスや忘年会、大掃除に年賀状。してもしなくても、翌月は来るのに、どうしてか終いをきちんとしておきたくなるのは、日本人の美学なのかも知れませんね。
先日子育て世代の方と雑談していて、おせち料理をどうしているかという話題になりました。
中高生のお子さんを持つその人は「作っても余るので、スーパーで買ってきて銘々皿にオードブルのように盛り付けて、大晦日に一回食べたら終了。翌日はもうカップラーメン食べるって言うし」。
そうだよね、一昔前もそうだった! おせちってあんまり食べないよね。でも用意しないと気持ち悪い。
子供のころ、私の母はフルタイムで仕事をしていました。毎日仕事と家事で忙しかったと思いますが、12月30日の夕食後から「よし! やるか」と言って、おせちの準備を始めていました。栗きんとんや伊達巻、かまぼこは買ったものですが、紅白のなます、うま煮、黒豆は手作りしていました。
その頃は居間のストーブの上にやかんや鍋を置いて、煮物が多かった気がします。
出来上がった黒豆は、しわの寄った堅めの豆で、歯ごたえがあり、私は好きでしたが顎が疲れるのでたくさんは食べられません。大人になるまで、黒豆とはこういうものだと思ってました。
うま煮はいわゆる筑前煮というもので、肉・ニンジン・ゴボウを先に炊いてから他の具材を順番に炊き、最後に全部を合わせるという風に作っていました。子供のころは母の隣でよく手伝わされて(邪魔して?)いたものです。大晦日に手早く掃除を済ませると、お寿司の出前を取り、年越しそばの支度をして、家族そろってテレビを見ながらおせちを食べていました。昭和の風景ですね。(※北海道では大晦日におせちを食べる家庭が多いです)。
自分が大人になり、お正月が近づくと母が乗り移ったかのように、同じものを準備するようになりました。うま煮はだいたい作りすぎるので、職場に持って行って年末年始働く人に食べてもらったものです。黒豆だけは少しこだわりがあって、圧力鍋で・丹波の豆を・鉄分を入れて炊くとほっこり丸く炊けるのがわかり、「黒豆は越されたわ」と母に褒めてもらいました。
今ではもうすっかり作らなくなりました。スーパーに行けばおいしい黒豆が年中買えますものね。
でも時々、ストーブの上で鍋から汁が吹きこぼれて、じゅっと焦げては甘く香ばしく香る、あのにおいや、しわしわで堅い黒豆を、むしょうに食べたくなるのです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
鍋は金色がかったアルミ鍋。
枕についての妄想
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
週末東京にいたのですが、温かい晩秋という感じで、イチョウがきれいでした。
「部長、患者さんの枕を変えることはできませんか?」と病棟主任から聞かれました。
「痩せた患者さんにとって、病院の枕は固くて高くて、安楽ではないのです。もっと低くて柔らかい素材で、できれば選べるようになりませんか?」というのです。
私も整形外科に勤めていた時に、違う観点でそう思ったことがありました。頚部(首)の手術の後は、バスタオルを折りたたんで、患者さんに合わせていました。
その人に合った枕を作り、退院する時に買ってもらったらどうだろうと思いましたが、それでは全ての人に与わる基準寝具から外れてしまいます。
「基準寝具」というのは昭和30年ごろ、それまで入院するときには自宅からの布団一式を持って行くことになっていたのを、患者さんに必要なリネンを病院で用意することが、義務付けられたところから始まりました。
入院される方に等しく同じリネンを提供できていることが必須条件ですから、基準に合った寝具を提供する会社があり、洗濯とも繋がっています。今当院で使っている枕の素材は、直径1センチ位の穴の開いた球体のプラスティックが入っていて、繰り返しの洗濯に耐えるものになっています。もしウレタンや羽毛など、選択肢が広がると、枕カバーや洗濯方法も変わりコストもかかるわけです。そこが導入の難しいところです。
ビジネスホテルでは枕を選べる所もあるのだから、病院はより個人に合わせられる様にできていて欲しいものですね。
良質な眠りについては、いろいろ研究されているので、もうどこかで取り組まれているとは思いますが、当院では今のところバスタオルで調整しております。しっくりこなければ、ご自宅でお使いのお気に入り枕をご持参いただいても構いません。
この枕問題、ひとつの差別化にはつながりそうですが、どんなもんでしょう。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
抱き枕も欲しいよな〜