札幌南徳洲会病院 看護部

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札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ

看護補助体制充実加算

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

今日は固いタイトルですね。
2年おきに行われる診療報酬改定、今年はその年でした。
看護補助体制充実加算というものが新設されまして、漢字10文字で口を噛みそうになりますが、これは必要な人員や勤務時間などの他、看護師の負担軽減計画などの条件をクリアすると、診療報酬として得られるものです。
これまでと違うのは、条件の中に看護師に対する教育が含まれていることでした。
全部で6項目の研修を看護師全員が受講している、が条件ですので、私どものような小さい病院でも、これを確実に取得しようとすると、気合をかける必要がありました。

研修の目的は、大まかに言うと看護師が看護補助者と役割を明確にして、協働しよう、ということです。これからの時代、人口は減り看護師や看護補助者は貴重な人材であり、ますます重要な存在です。そしてどんな現場でも和を大切にしたいものです。

そこで6月から教育師長を中心に3人で手分けしてe-ラーニングを作りました。
1本10分程度で6本、看護師たちも昼休み中にスマホで受講できます。(Wifiがあってホントに良かった!)
6本目には自由記載のアンケートをつけまして、先日開いてみました。
なんと55名の方からの意見が入っていました。以下抜粋します。

●看護補助者さんにはいつも業務を手伝ってもらっているので、今まで以上に感謝しながらより良いケアの向上に努めたいと思います。
●今まで漠然と看護補助者に業務を依頼してきましたが、依頼できること、指示の下できること、できないことが明確になりました。より充実したチーム医療につながると思います。
●患者さんにとって看護補助者さんは身近な存在であり、話しやすい存在でもある。患者さんが何気なく語った言葉がとても重要な意味を持つ場合もあり、だからこそ垣根のないチーム間の情報共有が大切だと認識しました。
●以前は看護補助者のいないところで勤務していたので、一緒に働くことができて本当にありがたいなと思っています。改めて制度を学ぶことができて、今後も生かしていきたいと思います。
●看護補助加算というものを初めて知りました。明確な指示と感謝をして、協働したいと思います。
●最期まで患者さんがその人らしく生を全うしていくために、専門的職業についているという自覚を忘れてはいけないと感じました。看護補助者さんの力を借りながら、情報共有・協力して日常のケアや苦痛緩和などを援助していきたいなと改めて思いました。いろいろな価値観を理解しながら、お互い思いやりと感謝を忘れずに日々業務していきたいです。

「わ~!これは教育者冥利に尽きるね!」
「e-ラーニング作るの大変だったけど、やってよかったね!」と言って、製作者たちは喜びあいました。
こんな風にポジティブなフィードバックができる人が多いということが、当院の強みだとも思います。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
笑顔と感謝溢れるのが一番大事。

窓側と通路側

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌はありがたいことに、涼しい夏が続いています。

以前とある病院に入院したとき、2人部屋に案内されました。
その日はたまたま私しかいなかったので、個室も同然、窓側を選ぶことができて幸運でした。
私は自宅にいても朝起きたら窓を開け、冬でも寝る前に換気する習慣があるので、窓を自由に触れるのはありがたいことでした。
日差しが強い時のカーテンの開け閉めも大事だし、病院というところはいろいろな「におい」がありますよね。そういうさまざまなことへの対処としても、窓の操作権を持っているというのは、快適な入院生活の大事な要素だと、改めて感じました。

翌日隣に入院する方がいました。
その方は動くのが難儀そうでした。
私たちの部屋はトイレの隣に位置していたので、その方は「ベッドが通路側に近くてありがたい」と、看護師との会話で聞こえてきました。

同室者がいらっしゃる以上、窓開閉の操作権は「相手の方も同意するかどうか」の前提が必須になりました。
せめて朝と夜には換気したい。しかし相手の方の病状がよくわからない。
もし熱が出ていて震えるような悪寒に襲われていたら、冷たい風は体に触るだろう。
急に遠慮する気持ちが芽生えて、それはどんどん膨らむのでした。

その夜、もじもじしながらカーテン越しに3分ほど窓を開けてもいいかと話しかけました。
すると「ぜひお願いします。病院はいろんなにおいがしますものね」と畳みかけられました。
私はほっとして窓を5センチほど開け、胸いっぱいに新鮮な夜気を吸い込みました。

その後私とその方は打ち解けて、お互いのことをおしゃべりするようになりました。

二人だったから、私はその方に聞いて了解を得られたのだけど、これが4人部屋だったり、体調の悪い方がいたら、と思うとそれだけでも人の自由度は狭められ、委縮するような気持ちになるものだと感じました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
入院しないとわからなかった、小さいけれど大切なこと。

朗読会を開きました

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
猛暑の中コロナウイルスの第7波が急拡大している毎日ですが、皆様いかがお過ごしですか?

人が集まるのを避ける、ということが続いていますが、そうすると人と人との会話やつながり、共感ということがしづらくなってますね。
まったくもってこのコロナウイルス、緩和ケアや高齢者ケアとは対極のところにあって憎らしい奴です。

かつてホスピス病棟では、毎週デイルームでお茶会を催していました。ボランティアさんが注文に応じて、落としたてのコーヒーを運んでくれて、小さなお菓子が添えられて、ちょっとした喫茶店のようだったんです。
音楽ボランティアの方が演奏してくださる時もありましたし、季節の行事をすることもありました。
そうして患者さん同士がなんとなく顔見知りになったり、ご家族同士がお互いを労わりあったりということが、繰り返されてきました。
今は近づきたいのに近寄れない。
このままだと、ますます世の中全体がぎすぎすしてきそうです。

さて、元テレビアナウンサーの五十嵐いおりさんからのご厚意で、いおりさんが主催した朗読会の動画を、院内で視聴できることになりました。
病棟クラークさんが素敵なポスターを作ってくれて、全部で6回デイルームで開催しました。
長い時間座っていられない方には2回に分けたり、お部屋で聴くだけの方もいたり。
それぞれ自由なスタイルで、その人らしく過ごしていただきました。
これだと集まっても耳から入る朗読に集中できます。

いおりさんの語りは迫力と穏やかさと緩急取り交ぜて、頭にありありと映像が浮かぶようでした。
私もそばに座って患者さんの様子を見ながら、一緒に楽しませていただきました。
こんな風に、静かに楽しむイベントもいいものですね。
いおりさん、貴重な機会をいただきありがとうございました(^^)/
いつか、1Fのシュヴァービング広場で生朗読会、やってもらいたいなあと妄想を書いておきます 笑。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございました。
ほんとうは、ぺちゃくちゃおしゃべりしたいですね。

お知らせ, 病院の日常風景> | 更新日:2022-08-01

築1年

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

この数年、コロナ禍という状況を体験して、進化したことやよい習慣がたくさんあるように思います。
例えば会議が終わると、私たちは消毒効果のあるウエット・ペーパーを取り出して、自分の使ったテーブルやいすを拭いています。
ペーパーの面を折り返してついでにドアノブや電気のスイッチなども拭く人もいます。
いわば「10秒掃除」をみんなで一斉にやっているわけです。

コロナ前はこういう発想はなかったし、必要だったとしても定着しなかったでしょう。
自分の手指がウイルスを運んでいるかも知れない、という前提に基づき、使用後の物品から他の人が汚染されないようにという配慮でもあります。

コロナウイルスの猛威がやや減少したときに「そろそろ消毒目的の掃除はいらないんじゃないか?」という声もちらほら聞こえましたが、「いい習慣は続けましょう」と感染委員が呼びかけて、今も続いています。
逆に拭かないと気持ちが悪く感じるようになりました。
おかげで移転から1年経った今も、会議室のテーブルやいすはきれいで傷みがほとんどないです。
毎日そんな風に拭いていることで、モノに対する扱いも丁寧になっているような気がします。

先日新築後の1年点検が行われました。
よく使われるところは表面が剝がれたり、壁が少々傷ついたりということがありましたが、大事に使ってくれていると感じます。

設計をしてくださった方とお話する機会がありました。
基本設計で初めてお会いしたのは約4年前になります。
あの頃はマスクなしでわいわい話していました。
遥か昔のことのように感じますが、医療も建築もコミュニケーションが大事だと学びました。
どちらも言葉を尽くして思いを伝え、それを受け止める、そのキャッチボールですね。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
まずはよく聴く。それが大事ですね。

役得

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
3連休、札幌はイマイチのお天気でしたが、なにより涼しく過ごすことができてよかったです。

私はだいたい日に1~2回院内をラウンド(巡回)して歩くのですが、そのうち1回は併設の保育園に行くことにしています。(実は保育園の園長でもあります)
当院は0~9歳までの職員のお子さんをお預かりしています。
毎日顔を出していると、子供たちも「園長先生!」と言って近づいてきて、制服のポケットにつけた名札や手の消毒剤などのリールを引っ張って、遊んでくれます。
しばらく一緒にいて保育士さんと子供たちのやりとりを聞いたり、子供たちが遊ぶ様子を毎日見ていると、いろいろ学び感じることがあるものです。

先日は園庭にあるプランターのお花に、ちょうちょがすう~っと止まって、花の蜜を吸い始めるところに遭遇しました。M君が花の前にしゃがみ込み「ね、ちょうちょからストローが出てきたよ。これ、今ストローから飲んでるみたい」といってずっと観察していました。横にいた保育士さんも「ほんとだ、ストローでてきたね」と言って一緒に見ています。隣にいたYちゃんは「わたしはちょうちょはあんまり好きじゃない。虫は怖いの」と言って少し離れながらも、M君が熱心に見ているので陰からこっそり見ているといった感じです。
こういう瞬間に親御さんは仕事をしていて遭遇できないのが残念なのですが、過去私も子育てしていた時代には、ちょうちょをゆっくり見ているゆとりもなく過ごしていたことを思い返します。ですので看護部長兼園長というのは役得だなあと思います。

7月から新しい保育士さんが数名入られて、保育園が明るく活気づいてきました。
絵本に詳しい先生もいらっしゃるとかで、絵本に関心のあるわたしはお話できるのを嬉しく思っています。その先生に聞いて、少しずつ絵本も増やしていこうと考えています。

それから園庭にはもうすぐ砂場ができる予定です。
少しずつですが子供たちが育つ安全な環境を整えていこうと思っています。

今日もこのブログにきていただきありがとうございます。
やさしく、楽しく、たくましく。

Catch the Rainbow

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

正面玄関に入ると真正面に水がゆらゆらと流れ落ちる壁が目に入ります。
これ、アクア・ウォールと言います。
なんだろうと思った方も多いのではないでしょうか。

ヨーロッパのホスピスは、川や海など水辺の近くに建てられることが多く、これは生命の源が水にある、というところから来ているそうです。
残念ながら当病院のそばに水辺の環境はないので、いわば人工的に作ったというわけです。
パネルの中でゆらめく水が、清々しくひんやりと感じられ、ぼんやり見ていると心が癒されるような感じがします。

このアクア・ウォールに夕方西日が当たります。
水の揺らめきが床のタイルに映りこんで、ちょっとキレイです。
それから光の加減によっては小さな虹が見える時があります。
移転してから2回しか虹を見ていませんが、小さい幸運をキャッチした気持ちになります。
大袈裟ですかね 笑

玄関を通るとき、よければちょっとだけ足を止めてご覧くださいね。

慰霊祭「こもれび」2022

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

このブログでも何度か書いておりますが、
https://wp.me/p84aZK-4u
https://wp.me/p84aZK-QV
今年も慰霊祭「こもれび」を行いました。
当院と、隣接しているホームケアクリニック札幌・緩和ケア訪問看護ステーション札幌で、お看取りをさせていただいた患者様を偲ぶ会を開きました。
2019年まではご遺族の方もお呼びして、一緒に祭壇に花を手向け思い出を語る機会としておりましたが、コロナ禍になってからは職員だけで執り行っています。
お知らせを受けてお花をお届けくださったご遺族の方へ、この場を借りてお礼を申し上げます。
黙とうのあと前野総長のご挨拶、臨床宗教師・米本さんのお話があり、講堂は厳かな雰囲気に包まれました。

死を前にして、医療者に何ができるのでしょうか。
「このケアでよかったでしょうか?」と尋ねたい相手はもうここにいません。
が、そう問い続けていくことは私たちの課題です。
AさんによかったケアがBさんにもいいとは限らない。
おひとりおひとり違う人格・違う人生・違う痛みを持っておられる。
私たちもいつか行く「あの世」で、その答えが聞けるといいなと思います。

「こもれび」では今年もボランティアのTさんのお力をお借りして、職員が献花した花をそれぞれオアシスに挿し、アレンジメントを作成しました。

最後の整えをTさんがしてくださり、涼やかな夏花アレンジメントが5台完成しました。ご来院の機会がありましたら、ぜひご覧ください。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
来年こそはご遺族の方もご一緒にできますように。

イチゴ狩り2022

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

北海道は夏の果物がこれからおいしい季節ですね。
イチゴ・さくらんぼ・ブルーベリー。
太陽をたっぷり浴びた路地物の果物を食べると、体が喜ぶ感じがしませんか?

病院では今年もいちご狩りをやりました。
去年までは旧病院の玄関横にいちご畑があったのですが、今年はプランターで作ったものを病棟内に運んで、ベッドサイドやデイルームでイチゴ狩り(狩り、というよりは摘み、の方がしっくりきます)をしました。

クラークさんが作ってくれたポスターが目にまぶしいっ!
ボランティアさん宅で収穫されたイチゴが別に用意されてまして、スタッフがワゴンサービスでお届けしました。

この日を楽しみにして、イチゴ狩りの夢まで見てくださった患者さんがいたり、昔農家だった患者さんは「これこれこの味!これが本物のイチゴの味だよ」と絶賛していただいたり。
105歳の方がもくもくと食べてくださったり。

自然の恵みと、ボランティアさんの愛情がいっぱい詰まったイチゴは、患者さんと職員を幸せにしたのでした。ありがとうございました!

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
これこそ「ビタミン」ですね。

小さな願い

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

朝晩冷え込んでいた札幌も、ようやく夏の兆しです。
もうすぐ夏至。病院横シュヴァービングの森は緑が濃くなってきました。

風が緩やかに流れる午後、ベッドごと患者さんを外に連れ出しているスタッフの姿を見つけました。
花壇の花を見て、森を見て、正面玄関から戻ってきました。
「寒くありませんでしたか?」と声をかけたのですが、聞こえなかったようです。
ニセアカシアの枝を手折って、枕元に置いてありました。
病室に帰って行かれたあとには、廊下に花の香りが残りました。

別な日の病棟では、デイルームの小上がりがステージになっていました。
歌好きの患者さんのオンステージを叶えるために、スタッフが手作りで飾りつけをしています。
スタッフは観客になって応援の団扇やペンライトを振るんだそうです。
患者さん、気持ちよく歌えたでしょうか。

別な病棟では売店のワゴン販売が始まりました。
車いすやベッドで連れ出された患者さんが次々にお買い物を楽しんでいます。
「ちょっとちょっと~私も買いたいの~」と近くのお部屋から女性の声がします。
部屋を訪れると「私、チョコレートが好きなの。買ってきてくれる?」と小銭を手渡されました。
「はい、どうぞ」とお届けすると「私ね、家では毎日チョコを食べていたの。入院してから食べてなくて、今日移動販売が来るのを楽しみに待っていたの。(ひとつ口に入れて)ああ、おいしい!」

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
小さな願い事を叶えることは、その人の人生を尊重することだなあ。

ありがとう、旧病院

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先月から、旧病院の取り壊し工事が始まりました。

院長blogでお読みになった方もいらっしゃると思います。
工事前に神事が行われた際、院長・事務長と一緒にぐるっと回ってきました。

引っ越し以来、足を踏み入れたのは初めてでした。
物がないがらんどうの建物は、あんなに狭かったのに広くて不思議な感じがしました。
低い天井、狭い廊下、固い床のピータイル。狭いからこそ、職員同士が顔を合わせてよく声を掛け合っていました。

トイレが少なく狭くて、患者さんにはご不便をおかけしていましたし、夏はクーラーがなくて汗だくで過ごしていました。
患者さんのお風呂はエレベータで何度も行ったり来たりしていたんですから、スタッフは本当に大変だったなあと思います。
お風呂に水平移動できるだけで、今の環境は夢のようです。
なんだかんだと言いながらも、愛着のある建物でした。

回り終えて玄関を出ると、横にライラックの花が5分咲きでした。
誰も通らなくなった病院の入り口で、誰のためでもなくいつも通り咲いていた紫の花。
切ない気持ちになりました。
お世話になりました。旧病院。改めてありがとう。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
ボランティアさんがライラックを押し花にしてくださるそうです。感謝。

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