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2024年4月

がんと表現

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
連休中札幌はお天気に恵まれ、さわやかな風が吹いて過ごしやすい気候です。
桜というのは、長い冬が終わって一斉に咲きだすピンク色や、吹雪のように終わる潔さが、日本人の心情にマッチしているのでしょうね。四季がはっきりしている北海道だからこそ、桜の開花を待ち焦がれるのかも知れません。

さて今日も本の紹介を。
このところ本を読んでおります。いい傾向です。
今日ご紹介するのは西加奈子さんの「くもをさがす」です。
西加奈子さんの本は実は一冊しか読んだことはありませんが、書店の店頭に面陳列されていたので手に取ってめくっていたら、「あ、これは買って帰らないと」と思わせてくれた本です。

「くもをさがす」はいわば西さんのドキュメンタリー。カナダに住み、乳がんがみつかり、小さいお子さんを育てながら治療に挑む、その過程でさまざまな人の助けを得て、悩みながら前に進む姿が描かれています。がんというのはほんとに、待ったなしで決断の連続ですものね。がん当事者も、家族も、友人も、医療関係者もこの本から得られることがなにかあると思います。
がんという病気にかかると、病気についての表現の仕方は本当に人それぞれです。同じ病名病状でも、置かれている立場や状況はさまざま。だからその人固有の体験となる。
がんになったことを隠さずに表現する人もいれば、できるだけ人に知られたくないという人もいる。
西さんは自分の体験を(脚色はされていると思いますが)表現することで、読む人はカナダに住みながらがん治療をする一人の女性を、疑似体験することができます。そこにはつらさばかりではなく、闘病中のちょっとしたジョークや、親身になってくれる友人のありがたみなど、リアルな日常が描かれています。
私は医療者なのでカナダの医療保険の仕組みや、治療の予約がうまくいかなくて西さんがイライラする描写などに興味が魅かれました。それから文中カナダのナースたちは大阪弁で西さんに話しかけます。そんなわけないでしょうけどね、でもそれが重いテーマを明るく軽くしてくれているのは確か。
それにしても、人は一人では病と闘い続けることはできない。周りの人に上手に手を借りる強さと勇気を持てるといいですね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ゴールデンウイークは読書週間だな。

超人・杉並・トラつば

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
このところ札幌は寒の戻りです。う~さぶっ。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

「工藤さん、この本読む?」と院長から手渡されたのは「超人ナイチンゲール」(栗原康著・医学書院)という本。タイトルにインパクトがあるでしょう。書評を見て読みたいと思っていた本でした。ラッキー。
ちょうど地方出張があったので、JRの往復で8割がた読みました。
ナイチンゲールの伝記といっていいでしょう・・が、文体がすごくラフなんです。歌で言えばロック、、、いやラップが近いかな。だからするするっと読めてしまいました。ナイチンゲールの伝記を読むのは、大人になってから初めてです。クリミア戦争に従軍して、負傷者の療養環境を整え、その日常をデータで表して後年発表したとか、看護覚え書きを記したとか・・。功績はもちろん、そこに行きつくまでに軍の上層部を説得したり、国を動かしたりという、別な苦難もありありで面白く読みました。改めて思う、看護の基本は食う・寝る・出す・そして清潔に整える。そして回復を助けるんだな。

週末には、ようやく映画日和です。
今回見たのは「〇月〇日、区長になる女」というドキュメンタリー映画。2022年東京・杉並区の区長選挙がありました。緑が多く閑静な住宅街に、道路拡張計画があると知ったことからこの映画は始まります。計画通りだと自分の住む家が無くなってしまう。自分ごとになって初めて生活と政治が結びついていることがわかって動き出す人たち。
まあ、これ以上はネタバレになるのでやめておきますが、前段のナイチンゲールの闘いとも相まって、長期政権でだらんと伸び切ってしまった区政に「もうだまってられん」と物申す人たちの熱い思いがありました。久々に映画見て涙出ましたの。

朝ドラの「トラつば」も楽しく見ています。こういう賢いヒロインたちが男社会の中で「スンとせず」に、前に出ていく姿、今もまだまだ勇気がいると思うのです。世界の首脳が女性だったら、戦争にはならないんじゃないのかな、と誰かが言ってましたっけ。命を生み育てて、家計を切り盛りして暮らしていくのは女がずっと上手にやってきたことだから。でもま、今や性別にかかわらずですけどね。諦めきってないでちゃんと見極めて、投票しましょうね。

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「超人」と聞くと「ハルク」と思い浮かぶ世代。

緩和ケアとホスピスケア

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

新入職の方たちが入って一息ついた先週、法人グループの巡回指導がありました。
巡回指導とは簡単に言うと、病院の運営が正しく行われているかを点検することで、チェックポイントは多岐に渡ります。書類の書式が整っているか、きちんと記録しているか、正しく管理されているかを質問や現場で確認されるので、しばらく前から準備していました。

こういう指導ってありがたいな、と思います。ずっと前から「こうやってきた」というやり方を、疑問に思わずに続けていること、たくさんあるんじゃないかと思います。黙っていたら間違ったことを延々と続ける可能性がありますから、他人の目が入ることで修正できるのです。

指摘事項の中に、「インターネットで札幌・緩和ケアと検索すると、ずっと下の方に出てくる。せっかく特徴のある病院なのに、広報が足りないのではないか」というものがありました。
ありゃ、それは知らなんだ。
同じことを事務部長も思ったようです。
しかし「札幌・ホスピス」で調べると上の方に上がってくるのです。
緩和ケアとホスピスケア。私達は同義語だと解釈していますが、違うものだと表現している病院さんもあります。たとえばホスピスは終末期を過ごす療養の場で、緩和ケア病棟は辛い症状をとる医療の場、と表現されているものもあります。私達はそのどちらも含めた緩和医療を行っているわけですが・・。
最近では「ホスピス型施設」という住宅型有料老人ホームもあるので、一般の方にはなかなか区別がつかないだろうなと思います。

ホスピスというのは、もともとヨーロッパで、病に倒れた旅人に、寝食を提供して助けた「hospitium」(ラテン語:ホスピティウム)が語源とされています。しかし日本ではホスピスというと「死を待つ場所」と受け取られたり、宗教的な場所と解釈され敬遠された経緯があり、「緩和ケア」という標ぼうに変わりました。さらに緩和ケアを英語表記にしたPalliative care(パリアティブケア)と標ぼうするところも増えてきました。さあもうなんだか一体何をするところなのか、わからなくなってきましたね。

私達はがんと診断されたその日から、辛い症状を楽にするための緩和医療をやっています。そして様々な医療の手が届かなくなっても、穏やかにその人らしく過ごすことができるように、暮らしを整えています。そして最期まで豊かに生きることができるように、ご家族も含めた支援をしています。
と自分たちだけで分かったようになっていないで、もっと世間にわかるように知らせなさい、ということですね。

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緩和ケア・ホスピス・札幌南徳洲会病院 

同じハナシ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌にもようやく春がキター!路肩の雪がどんどん溶けて、花壇のクロッカスが花をつけています。かーわいい!

さて、当院に入職した職員も、最初の一週間が終わりました。月曜始まりだったので、長い長い1週間だったことでしょう。週末は疲れや緊張から解放されているといいですね。
金曜日に新入職者の人に声をかけました。
前日はピアノタイムの日でもあったので、「ああいうイベントに患者さんをお連れして、そばで見守りながら一緒に聴くというのがいいですね」と言ってくれる人がいたり、「スタッフがにこにこ働いていて、気持ちがとても穏やかになります」「(職員食堂の)ごはん、おいしいですね!」というご意見もいただき、うれしい限りです。

新入職者と話していて面白いな、と思うのは「看護部長が言っている、ホスピスのこころについて、院長を始めとしていろんな方の口から同じように語られるので、みんな同じことを言ってる!と思いました」と言われたことがありまして。
看護部長というのは少し「盛って」語るからかも知れませんね(笑)。

これから仕事が本格的になり、deepな部分を知っていくと、大変さや辛さも感じる時があるだろうと思いますが、辛楽しいくらいで止まってくれるといいな、と思います。
いろんな人がそれぞれの力を持って集まっているからこそ、チームのチカラになる。ひとりではできないことも、仲間がいるとできる。
ピアノタイムに患者さんをお連れするのも、「そうすることが患者さんのためになる」と始めた、たった一人からなのです。それがいつしか組織の文化へと育っていく。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
早く行くなら一人がいい。遠くへ行くなら仲間とがいい。というような言葉があったような。

みんな誰かの子

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
新年度になってしまいましたね。
前年度の仕事が片付いてない私は、もうあと数日待って!と言いたい感じです。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

4月1日は月曜日。ほとんどの会社が入社式ですね。当院も新たな仲間を迎える大切な日です。
世の中にたくさんある病院の中から、当院を選んでくれてありがとう。

わざわざ遠くから、引っ越しまでして来てくれてありがとう。

ついつい自分の子供の年齢を重ねてみてしまう私は、この看護師さんも誰かのお子さんなんだよなと毎年、そんな気持ちになります。遠く離れた場所で働く決心をしたお子さんを、大事にお預かりします。

私達が日々看ているのは、親の世代や祖父母の世代の方たちが多いです。
自分の知っている誰かの親御さんを看る気持ちで接したら、やさしく、相手を尊重した対応に自ずとなるでしょう。

 

みんな誰かの親、そして誰かの子供。

 

 

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。

自分の子供をここで働かせたいですか?が自分への問い