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2020年9月

静かな個展

札幌はひと雨ごとに気温が下がり、街路樹も紅葉してきています。
すっかり季節は秋になりましたね。

今私どもの病院のサンルームには油絵が10点ほど飾られています。
富良野のニングルの森、オンネトー湖と雄阿寒岳などいつか見た風景や、琵琶湖の蓮の群生やこんもりした川辺の紫陽花など、温かく心が休まる絵ばかりです。
この病院で以前看護部長をされていたSさんが、退職後の趣味で絵を始められました。

季節の変わり目にいつもお持ちいただいて、外来の待合室を彩っていただいていたのを、今回まとめて展示し静かな個展を開いています。
リハビリ中の患者さんがときどき足を止めて、絵に見入っている姿を見るとうれしくなります。
「ここに行ったことがあるよ」とお話くださると、自然と会話も弾みます。

9月・10月と私どもでは「ひだまりの会」というご遺族の会を催します。
故人を偲び、闘病を支えられたご家族を労う会ですが、私ども医療者にとってもご遺族にお会いするのは、共に伴走した「同士」をお迎えする気持ちで胸が高鳴ります。
大切なご家族が亡くなられた場所にまた足を踏み入れるのは、勇気がいることでしょう。
通り道に飾られた絵で心休まることができたら・・。
と、いつも陰で支えてくれているボランティア・コーディネーターの鈴木さんが、これらの絵を運び、飾ってくれました。

今年はコロナの影響で、ひだまりの会も慰霊祭も規模を小さくして行います。
けれども大切な人を思う気持ちはいつもと変わりません。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
どうかゆったりした時を過ごせますように。

いもほりCafé、オープンしました。

だんだんと陽が短くなってきましたね。
院長が毎朝めくる、移転までのカウントダウンカレンダーも300日を切った途端、急に日にちが過ぎるのが早くなった気がします。
そんな中今年も芋ほりをやりました。今年は密にならないように病棟ごとに時間を決め、3人くらいずつ降りてきてはおいもを掘って、じゃがバターと飲み物で2時間限りの野外Caféをしました。
数名のボランティアさんにもフェイスシールドをつけてもらって、お手伝いいただきましたよ。

実は畑のおいもはあらかじめ掘り起こしています。
手の力が弱くなった方でも拾い出しやすい様に、熊手を入れたら触れる位のところに埋めなおしています。

今年はベッドごと降りてこられた方も何人かいました。
職員が掘ったおいもを患者さんの手に載せて、土のにおいを嗅ぐ。
頬をなでる風を感じるだけでも、いい気持ち。
今年入職した職員が「いいですねえ。こういうことするなんて。患者さんがうれしそうです」と目を細めて言いました。
来年は移転を控えているので、いちごを沢山植えて、盛大にいちご狩りをする予定です。
新しい病院では、もっともっといろんなことができるといいなあ。


今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
クラークUさんの作るチラシがどんどんレベルアップしています。

ヘルメット

9月6日は防災訓練の日。
2年前の北海道胆振東部地震の後、私たちの防災訓練に対する意識はずいぶん変化しました。
正直に言うと以前は形骸化していたのですが、ブラックアウトをみんなで経験したおかげで、形式的な訓練は意味がないと思えたのが大きかったと思います。
せっかく訓練するなら、意味のあるものにしよう。
ということで今年のシナリオは地震発生→停電→火災発生→消火訓練までを含む超大作となりました。
災害本部立ち上げから、近隣住民が病院に駆け込みトリアージするところまでを、看護部の防災隊長と副隊長が考えてくれて、自然と気持ちがこもります。

訓練が始まり、停電になったところで私は1Fの災害本部に降りていきました。
明りのないフロントを見て、2年前の真っ暗な病院を思い出し身が縮む思いが蘇ってきました。
壁には災害情報をまとめるホワイトボードが用意されていて、病棟からヘルメットをかぶった看護師たちが次々降りてきて、患者や建物の状況を報告しました。

あら?ヘルメットをかぶってない看護師もいる。
尋ねると「まだ買ってもらってませ~ん」あらら、そうだったのね。
病棟ナースからは「部長、このヘルメット、髪の毛をお団子にしている人にはツライです。お団子のところで止まってそれ以上かぶれないから、頭にフィットしなくてぐらぐらするんです」
そっか、女子で髪の長い人は後ろで縛ってるか、お団子にしているからヘルメットがしっくりこない。そうすると頭の安全も守れないし、ぐらぐらするヘルメットだと頭が気になって作業に集中できないね。

帰宅してネットで調べてみると、女子用のヘルメットというものがあるんですね。建設業界にも女子が進出しているので、やっぱりこういうものは商品化されているんだ。
女子の1/3は髪を縛っているというデータを元に、縛った部分にヘルメットがあたらないように曲線をつけているとか。

「まだ買ってもらってない」部署がいくつかあるのが逆に幸いしました。
今度は女子用を買ってもらって、看護部は女子用を多めに備えよう。
訓練とはちょっと関係ないけど、そんなことを考えました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
来年は新病院のシナリオを考えなきゃ!ふ~~~

一日3つ!感謝を書く習慣

私は今EMS(エッセンシャル・マネジメント・スクール)という社会人のオンライン大学院のようなところで学んでいます。
毎週講義を聴き、10名ほどのグループで対話しながら進むのですが、同じチームに慶応義塾大学大学院の前野隆司教授がいらっしゃいまして、そのご縁で「幸福学」という学問を学び始めたところです。

先日前野先生から送っていただいた本『7日間で「幸せになる」授業』(PHP研究所)を読んでいる最中で、その中で「これはいいな~」と思う習慣を今実践しているところなので、お伝えしたくなりました。
幸福になる因子は4つありまして、その中のひとつ「ありがとう力」を高めるトレーニングについてお伝えします。
自分の身の回りに感謝の気持ちを持つことで幸福度は高まります。
普段忙しくて感謝の気持ちを忘れがちですが、感謝の対象は実はいくらでもあるのです。
例えば私は朝出勤するとまず花壇と4Fの鉢植えたちに「おはよう。今日もきれいでありがとう」と声をかけています。
院内を歩くときは「(夜勤者に)患者さんを守ってくれてありがとう」「今日は誰も欠勤せずありがとう」「暑い中お風呂の介助を頑張ってくれてありがとう」などと言うようにしています。

これはメンタルトレーニングを学んでいた時にも教わったことがあって、以前から習慣にしていました。
けれども書き出すということまではしてませんでした。
そこで試しに手帳に書いてみることにしました。毎晩寝る前に手帳を開き、今日起きたことの振り返りをしながら書いています。そうすると脳が勝手に感謝の出来事を探すようになり、日々書くことが増えていきます。そして感謝する出来事が発生した時点で「これは夜、手帳に書こう」と自然にピックアップされるようになりました。

前野先生の本によると感謝の心を持つことによって脳内のセロトニンやオキシトシンという幸せ物質が増え、物欲やストレスが減るという研究もあるそうです。
1週間書き綴っただけですが、これは楽しい記録=記憶にもなることがわかりました。
書くことなんてないよ~という方は「今日は晴れててありがとう」からおすすめです。雨が降っていたら「畑の作物のためにありがとう」。曇っていたら「日焼けしなくて助かった。ありがとう」と言ったらいいのです。
感謝は思っただけでは伝わりません。コトバにして発信することで人に温かいエネルギーを送ることができ、書き留めることで自分のエネルギーになります。
振り返って読むとその時の感情が湧きあがり、また感謝の念がよみがえってくるような気がします。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
そういえばこれも感謝でしたねえ。