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2020年2月

聞き書き部~もっと親の話を聴きたかった~

昨年始めた聞き書き部、部長の工藤です(^^)/
2~3か月に1回の活動というゆるい部活です。
初回にNPO法人「とものむらいとし会」の森旬平さんをお呼びして「聞き書きとは」について講義を聴きました。
あれから2か月が経ち、今回第2回目はそれぞれが自分で活動したことをシェアしあう会ということで集まりました。前回のお話↓

https://wp.me/p84aZK-Gr

今回は「聞き書きを意識することによって聴く姿勢が能動的になった」という意見から始まり、
「もっと(亡くなった)親の話を聴いておけばよかった」という話になりました。
聞き書きというのは高齢者の記憶を引き出し、その人の言葉で文字に起こし、記録をすることです。
私たちは医療者なので日ごろからよく高齢者のお話は聞いていますが、いかんせん親子となると人それぞれスタンスが違います。

それまでの親子の関係性だとか、日ごろからよくおしゃべりするかどうか、にもよりますね。
親に反発したり、親とは違う生き方をしていても、年を取ることで違う見方ができるようになってきた、という意見も出ました。

私はもうすでに両親が亡くなっているので、聴きたくてもかないません。
二人とも戦争の話は一切しなかったし、触れてはいけないことのように感じていました。
今は亡くなった母の年齢に近づいてきたせいか、歴史に翻弄された一人の女性の人生として興味が湧いてきます。

参加したメンバーが、これからご両親の話を聴こうと考えているというので、みんなで見守ろうと思います。
そして第三者だから話せるのもまた事実なので、身近な高齢者のお話を聴かせてもらいましょうと言って終わりました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
話し合うだけで、すでに深いです。

「寄り添う」研修のこと つづき

先週の続き・・・

冊子の次の問いは「あなたが思う『寄り添う』とはどのようなものですか?」と続きます。
ここにもたくさんの回答が寄せられました。

・その人の悩みや苦痛を理解しようとすること
・その人をわかろうとしながら傍にいること
・そばにいて安心できる存在になること
・この時間を一緒に共有したいと思う人と共有すること、相手が「寄り添ってもらえた」と実感できれば、どんな行動も「寄り添う」なのではないかと思う。しかし、看護の「寄り添う」ということはどのようなことだろうと、日々疑問だ
・相手を理解すること、相手の立場に立つということ、その方の心に関心を持って関わること
・心の声に耳を傾け、常に向き合っていること。言葉に出さなくてもボディー・タッチや目を合わせることだけでも寄り添っていると考えます

などなど、66もの回答が寄せられていました。

それから次の問いは「スタッフが患者さん、ご家族に『寄り添っていた』場面を見かけたことはありませんか?その場面を教えてください」で、58の回答が寄せられていました。

・スタッフが姿勢を低くして患者さんやご家族と目線を合わせて話している場面
・ケアワーカーさんがいつも笑顔で声かけしてくれたことにより、怒り口調だった患者さんがそのワーカーさんの顔を見ただけで笑顔で話しだしてくれた時に、常に寄り添ってくれていたんだと感じた
・ご家族の面会時には必ずお声がけをし、患者さんの近況報告をしていた
・クラーク(看護事務)さんが認知症の患者さんのそばに座り、仕事をしていてくれる。いつもありがとう。
・ご家族が病状説明を受けたあと、涙をこらえきれずそこに寄り添って過ごしている看護師。本人の気持ちのつらさを話される時、マッサージしながら寄り添い傾聴する看護師。
・ご家族が詰め所前を通られたとき、師長が話しかけているのをみます。患者さんの様子やご家族を気遣う優しい声かけは嬉しいことだと思う。日ごろスタッフは多忙でゆっくりお話をする時間がない中、師長が見てくれている。

全文お見せできないのが残念ですが、一文ずつそれぞれのストーリーがあることと、こうありたいという思いや、仲間を応援しリスペクトしていることが伝わってきます。
ひとりひとりが「寄り添う」ことを考えた1年でした。
現場で日々の小さなケアを積み上げてくれた師長たち、そしてスタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
こういう話をもっともっとしたいね。

あなたが今年患者さん、ご家族に「寄り添えた」と思うエピソードを教えてください

今年度看護部のテーマである「寄り添うこころ」。
この研修会が先月末に行われました。
事前に表題にあるような質問をいくつか看護職員に投げかけ、提出してもらったものを教育委員が冊子にまとめてくれました。

患者さんに寄り添うということはどういうことか。

物理的に寄り添うということ、その人を想い心で寄り添うこと、誰かに寄り添っている仲間の姿を見たとき、いい仕事してるね、って仲間を応援すること、そっと手を握ること背中をさすること、そんなことを意識する一年であってほしいと考えていました。

少しその中から抜粋してご紹介します。

*お看取りの直前で、ご家族が見守っているときに今の患者さんの状態、これから起こるであろうこと、今までの思い出話をしながら過ごしてもらった。当時は「寄り添えた」とは思っていなかったが、後日ご家族が病院にいらしたときに「お会いしたかった」と言っていただき、ご家族に寄り添えていたのかなと思うことができた。

*救急車で来院した患者さん。痛みが続き薬を使用したが効果が乏しく、入院まで体をさすっていたこと。

*ずっと怒っている患者さんが転院してきた。なかなか心を開いてくれなかったが常に笑顔で接することと、めげずに話しかけ、昔の仕事やその方の思い出話をいろいろ引き出していった。最後には冗談も言って一緒に笑いあい、会いに行けばいつも笑ってくれるようになった。

*「ひとりは寂しい」とおっしゃった患者さんのところに、なるべく行くようにしていた。目を開けたときに私を見て、笑ってくれることがあったり、手を握り返してくれることがあった。

*笑顔のない患者さんが、自分の一言で笑ってくれた時に、少しは自分が役に立てたのかなと思ったことがあるが、「寄り添えた」という風にはなかなか感じがたい。

*慣れない環境に戸惑っている患者さんに付き添って、状況を説明したり心配はいらないことを伝え安心できるようにかかわった。

*「寄り添う」という概念がわかりませんが、入院したばかりで不安を抱えた患者さんに対し、少しでもその気持ちを受け止めるため、ゆっくり話を聴いて他のスタッフとも共有した。必ずしも成功とはいえないが、その時患者さんの立場に立って一生懸命寄り添ったつもりだった。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ここ大事なんで、来週も続きます。

休暇は自分の断捨離

1月半ばからしばらくお休みを頂き、旅行に行ってまいりました。
大自然の中で数日間、昼間は雪の中を散策し夜はオーロラを追いかけるという贅沢な時間を過ごしました。
ネットにはあえて距離を置き、人々の暮らしぶりや歴史など興味深く見聞きし、それから長編小説を2冊読みました。
土地の食べ物を時間をかけてじっくりと味わい、丁寧にストレッチをして身体が喜ぶことをしていました。

普段私は1週間ごとの行動計画を立てて過ごし、週末にそれを振り返って翌週の計画を立てるということを繰り返しています。
けれども、この休暇の間はとにかく心の赴くまま行動する。
寝たい時は寝る。
入りたいときにお風呂に入る。

「アレしなくちゃ、コレしてないわ」の呪縛を解いて、したいことだけをする。
本当にしたいことって何だろう。

自分に問いかけ、
カラッポになった1週間でした。
体も心も休息って大事だなあ。
わかっていたことだけれど、素直にそう思いました。

これも寛大な上司に恵まれ、留守を守ってくれる師長さん達がいるおかげです。
戻って最初の朝の歩き回りでは、何もかもが愛しい。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
スペースをあけないと新しいことも入らないですね。