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お知らせ

外の空気はうんまいなあ

3年前、外来棟の前にある植え込みは雑草が伸び放題でした。
コンクリートで作られた植え込みは長さ10メートルくらい、奥行きは50㎝くらいです。
園芸ボランティアをしてくれている私の師匠が、雑草を取り土を掘り起こし、土壌を改良してくれました。
そこに植えるのは野菜など実を収穫できるものがいいという話になり、その年はミニトマトやキュウリ、ジャガイモを育てて給食に使ってもらいました。
翌年のために師匠が育てたイチゴの苗を植え込みに移植してくれて、ひと冬を越しました。

翌2018年6月に最初のイチゴ狩りをしました。
その日は風が強く寒い日で、患者さんを外に出すことはできませんでした。
6~7人だったと思いますが玄関ホールに集っていただき、収穫したイチゴをその場で食べていただきました。

翌2019年はなかなかの出来栄えで、10名以上の患者さんがいちご狩りに来てくれました。
ホスピスの患者さんのお部屋にはプランターのイチゴを出前し、甘酸っぱい香りを楽しんでいただきました。

今年はイチゴ農家から仕入れた苗に変えて、昨年同様大事に育ててきました。日々の水やりは施設管理の方にお願いし、受粉は私がして、毎週師匠が手入れするという方法で見守ってきました。
天気予報をにらみながらいちご狩りを2回開催し、ホスピスと一般病棟合わせて25名の方が来てくださいました。新型コロナウイルスの影響で面会や外泊が制限されていることもあって、患者さんにはずいぶん我慢を強いておりました。
そこで少し外の空気を吸って気分転換してもらおうと、イチゴ畑の前でボランティアさんがカフェを開店。
当日は薄曇りでしたが心地よい気温で、柔らかな風が流れていました。

「温かいコーヒーと冷たいカルピスどちらがよろしいですか?」
「コーヒー飲みたかった~!」
「私も昔、家の畑でイチゴ育てたよ。食べきれなくて近所に配ったもんだ」
「しばらくぶりに外の空気を吸った。ああ、うんまいなあ」と涙をこぼす方がいたり、お孫さんと一緒にいちごを味わったり、思い思いに過ごしました。
患者さんをお連れする職員も、そんな姿を見てほっこりしていました。
こんなふうに雑談する時間が大切だな~と思います。

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来年はイチゴ狩りをしてから引っ越しだ!

イチゴcafe開店

毎日目まぐるしいお天気の札幌です。
6月第2週目頃から、今年植えたイチゴが次々赤くなりだしました。
今年は入院患者さんたちにいちご狩りと外でCaféを楽しんでいただこうと計画しました。

折しもコロナウイルスの影響で、ご家族との面会もままならない状況でしたが、いちご狩りに合わせてもし来られるなら、外の新鮮な空気を吸ってお会いしていただこうという連絡もしました。

入院患者さんにとって、ご家族の面会はなによりの喜びです。
体に触れ、ただそばにいる、ということの大切さ。
ご面会の場面は、愛が行き交って私たちもつい目頭が熱くなることがあります。

コロナウイルスの厄介なところは、人と人とのこうしたふれあいや寄り添うことの分断です。
私たち医療者も一番大事にしているところですから、面会禁止の説明は受け持ち看護師も苦悩するところです。

当日天気予報は曇りのち雨。
最近の天気予報は精度が高いですからね、雨が降り出す時間より前にボランティアさんが来て、テーブルセッティング。落としたコーヒーは肌寒い空気にぴったりです。
病棟のラジカセで音楽を鳴らして屋外イチゴCaféの開店準備が整いました。

畑のイチゴはなかなかいい出来です。
大きく・赤く・採れたてのイチゴの香りがとてもいい。
水でしゃばしゃばっと洗ってパクっと口に入れ「甘い!おいしい!」と言っていただけるとほっとしました。

折り紙で作ったイチゴ形のポケットにチョコとキャンディを詰めて、ボランティアさん手作りの押し花コースターを選んでいただいて、いろいろお土産もお持ち帰りいただきました。
来られなかったご家族のために写真も撮りましたから、あとでゆっくり見ていただきましょう。

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医療にはこういう時間が大事だな。

音楽療法士「私も竜宮城の一員に」

当院は多職種で患者さんのケアに深くかかわっております。
珍しい職種の方もいらっしゃるので、いつか一人一人を詳しく紹介したいと思っていました。
ホームページのホスピスのページに「ケアする人びと」というコーナーができたので、詳細はそちらを見ていただこうと思っています。

ここではダイジェスト版でお伝えします。
トップバッターは音楽療法士 工藤麻子さん。

―音楽療法士になったきっかけー

音楽教室の講師をして間もなくの頃、好きなアーティストの記事の中に音楽療法という言葉が出てきました。これから医者と協力して音楽療法をやってみようと思う、という記事でした。
「音楽療法って何だろう」「誰に聞いたらいいのだろう」と調べたんです。
翌年から札幌で勉強会がある事を知り、行ってみたのが始まりです。

―今、当院でされている活動について教えてくださいー

週に一度出勤し、医療スタッフのカンファレンスに同席しています。14時からお茶会に併せて音楽の時間があります。ピアノを弾き、一緒に歌ったりリクエストに応じたり一緒に演奏を楽しんだりしています。
そのあとフロアに来られなかった患者さんのお部屋に伺って、個別に音楽を演奏しています。

―個別のお部屋ではどんな風にしているんですかー

事前に看護師さんが患者さんに「音楽の出前がありますよ。好きな曲を弾いてくれますよ」とお声がけしてくれて、要望のあった人のところに行くようになっています。
リクエスト曲を事前にいただけると楽譜を準備してきちんと練習して行くことができます。あるいは「誰が好き」とアーティスト名を言ってくださると助かりますね。患者さんの歌に伴奏をつけたり、私が弾く曲を聴いていただいたり。

―忘れられないエピソードを教えてくださいー

何年も前の話ですが「私はここでゆっくり過ごさせてもらいたいと思ってここに来ました」という方がいました。
「ここの人たちはみんな優しくて、自由に、好きなように時間を過ごさせてもらっています。まるで竜宮城のような場所だと思う。音楽も楽しくてすごいね」って言ってくださって。
それから『おくりびと』という映画の話をされて
「あれは亡くなった人を送る人の話だけれど、ここは生きている人を自由にさせてくれて優しくしてくれて。ここの人たちこそ、おくりびとだと思います」と仰いました。
同感でしたし、その時に、私も竜宮城の一員になれるように頑張ろうと思い現在に至っています。

続きはこちらへどうぞ↓

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みんなヒーローだ。

待合室の絵

6月は札幌のいちばんいい季節ですね。
札幌の街中を舞台に開かれる、よさこいソーラン祭りは毎年6月の初旬に5日間開かれ、初夏のお祭りとして観光客もたくさん訪れています。
今年は残念ながら開催中止となりましたが、外来待合のところに飾られている絵をぜひご覧ください。
道庁赤レンガをバックに躍動感あふれる踊りが表現されています。
汗や熱気や疾走感がふわっとよみがえってくる感じがして、心を動かされます!
そして絵の中に小さなメッセージも含まれていますので、来院される機会があったらぜひ近づいてじ~っと見てみてくださいね。
またこんな風にお祭りを楽しむ日が来ることを心から願っています。

それからもう1枚、同じ外来のピアノの上に飾られている絵は、深い緑の森の中に咲く「ニリンソウ」がテーマになっています。実はこれ、新築移転する平岡の「シュヴァービングの森」を描いています。見ているだけで森林のさわやかな空気が感じられて気持ちが落ち着いてきます。
ちょうど今新築移転先の設備について、建設会社の方と打ち合わせていた最中でしたので、院内のカフェからはこんな風景がきっとみられるのだなあと思います。

これらは当院の元看護部長さんの作品です。
お仕事を退職されてから趣味で描いておられ、季節の折々に持ってきてくださっています。身近な風景が多く、ときどき患者さんとご家族さんが絵を前にして「懐かしいね」なんて話しているのを見ると、私はひとりで嬉しくなります。
それにしても一枚一枚最後まで描き終えるってすごいなあ!!

いつまでも大好きな絵を描き続けてほしいと思っています。

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病院愛に満ちている!

禍だけじゃない、コロナによる進化

緊急事態宣言が解除されていよいよ6月1日から社会生活が再開されます。
新型コロナでひとつ良かったなと思うことに、会議や研修のオンライン化があります。
当院では年に24回以上の職員向け研修会を開いておりました。
それらは仕事が終わってから17時以降に開かれていました。

医療安全や感染管理の研修は職員全員が出席しなければならないので、150人の職員のうち50名くらいが当日参加します。
残りの100名は、後日3日間にわたって開かれるビデオ補習に参加して、ようやく100%出席を保っていました。
総務課にはこれまでのご苦労に感謝です。

これを機に準備中だったe-ラーニングを一気に推し進めました。
病院のホームページに職員専用ボタンが置かれ、ログインすると講座を受講でき、出欠も確認できるようになりました。

それと先月から会議アプリzoomを使って、病院とクリニックの会議を開いています。
クリニックまでは直線距離でも約10㌔ほど離れていますので、移動時間がなくて大変便利です。
時間短縮・ガソリン節約で、お互いの顔を見ることができていいものです。

そしてさらにステップアップして大学教授の特別講演会を開きました。
先生はご自分の大学にいたままで、講義してくださいます。
講義室では後ろに座るとスライドがよく見えない、ということがありますがその心配もありません。
その日お休みだった職員が、自宅でzoomから参加してくれました。
画面にお子さんの姿がちょっと映ったりしてほほえましいです。

年度初めの「全体集会」も、今年はzoomで開きました。
これは前野総長・四十坊院長・クリニックの藤原院長が昨年を振り返り、今年度の目標を発表する場でして、ここには講義室参加が25名くらい、zoom参加は24名でした。
無論すべてが録画されて、先のe-ラーニングとして受講することができます。

コロナがなかったら、おそらくここまで来るのに1年以上かかったでしょうが、方法は目的と状況によって変わる。
この流れは制限が解除されても元には戻らないでしょう。
もちろん、顔と顔を合わせてのリアル会合も徐々に復活するでしょうが、会場を借りなくてもいい、人が移動しなくても時間さえ合わせればいい。
自宅で楽にしながら必要な学びを得られるというのは、とてもよいなあと思っています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
いろいろな側面から、考えてみようと思います。

名もなきケア

お昼ご飯を終えて自室に戻る階段を登っていたら、ソーシャルワーカーさんが手にいっぱいのティッシュを持って歩いていました。
スーパーで売っているような、5箱パックの塊を、3~4個抱えて病棟の入り口を四苦八苦して通ろうとしています。
「どうしたの?そんなに持って」と声をかけると
「〇〇さんのを買ってきました。よく痰が出る方なので。売店でも買えるんですが、1個ずつだと割高になるから・・・」と言いながら病室へと消えていきました。

少し説明すると、〇〇さんは入院患者さんで、ティッシュのような身の回り品を買ってきてくださる方が身近にいらっしゃらないのです。そのような場合、通常ですと院内にある売店で購入していただくのですが、この方に関しては、担当ソーシャルワーカーが経済状態や普段どのくらい使われるのかを考えて、時折まとめ買いに出向いていたというわけです。

誰がやってもいいんだけど、誰もやらないようなこと。
でも療養生活を続けていくのに必要なこと。

最近話題の「名もなき家事」という本、ご存じでしょうか。
家事の中にも「掃除・洗濯・調理」などに分類されないような、小さなものごとがあります。
例えばトイレットペーパーが切れて新しいものを付け替えるとか、コショウの瓶が空になって、詰め替え用を入れるとか、タッパーの相方をそろえておくとか。
日常生活を営むと言うのはいわば名もなき家事の積み重ねで、家庭の主婦が倒れたときに家族があたふたするのは、この名もなき家事に改めて気づくからなんですね。

こうした小さいけれども大切な家事を、気づいて言語化していくのが面白いと評判になり、SNSでも投稿されてて「なるほど~!」と思います。

冒頭のソーシャルワーカーさんの行動も、いわば「名もなきケア」とでも言いましょうか。
「ティッシュがなかったらお困りでしょう。そしてできれば安く買えた方がいいですよね」
という、私心のない利他性と言ったらいいのか、いずれにしてもこの行為のおかげで看護師もまた、助けられていたことに気づいたのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
気が利く人ってのは、名もなき・・の引き出しをいっぱい持っている人だな。

コーシーの日

毎年春に、ボランティアさんの感謝の集いというのを開いているのですが、今年はコロナウイルスの影響で中止になりました。
感謝の集いというのは、日ごろ患者さんや病院のために立ち働いてくださるボランティアさんに、感謝の気持ちをお返ししよう、ということで病院幹部や師長さんと一年を振り返りお茶とケーキでする懇談会のことです。
昨年は会場も狭い場所しか取れず、今見ると超3密!と気を揉むような景色です 笑。

今年はそれに代わる何かができないかな~とホスピス師長とボランティアコーディネーター鈴木さんと一緒に考えました。
そしてボランティア活動の写真をアルバムのように作成し、病院の職員からのメッセージを添えて送ってはどうか、ということで決まりました。
日々撮りためている日常風景の写真がこういう時に役に立ちます。

現在のボランティア活動は、患者さんに直接交わらないことだけ細々と継続しています。
その中でも手作りマスクの製作は多くの方に喜んでいただきました。
最初はボランティアさんたち自身のために作り始めたマスクでしたが、患者さんの中には外に買いに行くことができない方もたくさんいらっしゃったので、材料費実費で手売りしてとても喜ばれました。それがボランティアさんには励みになり、さらに改良版が次々と作られていきました。
最新は東京都知事の「百合子マスク」経産省大臣の「西村マスク」というものです。

それから連休中の5月4日。
ふと思いついて「コーシーの日」と勝手に名付けた日の午後3時。
ボランティアさんたちがそれぞれのご自宅で、一緒にコーヒーを飲んで気持ちを一つにしましょうと呼び掛け、初めてのzoom会を開催しました。
2,3名集まれるかしら・・・と思っていたら、なんと職員も合わせて13名!
zoomの接続をご家族に手伝っていただき「リモート飲み会にあこがれていました」という方もいて、可能性の広がりを感じました。
音楽療法士の先生も参加し、ピアノをその場で弾いて合唱したりして楽しい時間を過ごしました。
ZoomはできないけれどLINEから、同じ時間コーヒーを準備しましたよ、という写真が届いたり、わざわざお葉書を送ってくださった方もいて、温かい気持ちの溢れる日となりました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
新たな可能性の発見。

軒花の桜

札幌で桜を見るのはだいたい5月の連休頃。
ホスピスでは病院から車で2キロほどの「平岡樹芸センター」というところへ毎年出かけ、お花見をしていました。
患者さんとご家族を病院車で送迎し、職員とボランティア総勢40人くらいの一大イベントです。
送迎プランからおやつの手配までなかなか楽しい行事でして、私も1同乗者として付き添うのを楽しみにしていました。

残念ながら今年はコロナウイルスの影響で中止となりました。
何かそれに代わるものはできないかな~と頭をひねったボランティア・コーディネーターの鈴木さんです。
4月25日、ホスピスの廊下に桜のアーケードができました。
竹ひごに桜の花をひとつひとつ手作りでくっつけて、それを間接照明の壁板に画びょうで固定してあります。
10mほどの廊下を通してみるとまるで桜の並木道です。

患者さんやご家族が「うわ~」と言って写真を撮っていらっしゃいました。

これ「軒花(のきばな)」と言うんですって。
お祭りの時期に軒花を商店街や民家の軒先に飾って、お神輿の通り道として目印にしたそうなんです。それをヒントに作ってくれました。

よろずの神々の通り道と考えるのは大げさでしょうか。
すべての人に温かい心が降り注ぐ、そんな並木道です。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
人を想い、喜びをもたらすボランティアさんの働きに心から感謝です。

人間は一度にひとつのことしか考えられない

コロナウイルスの対応・・どの病院も介護施設も今は手探りで更新しています。
看護管理者としては怖がってばかりもいられません。
私自身は今、急ぎではないことでも、できる仕事はできるうちにさっさとやってしまおうと考えてしまいます。
何かしていないと気持ちが落ち込む、というのは震災後と似ているかも知れません。
自分でも注意して休息と睡眠、家でできる気晴らしに意識をふりむけているところです。

さてそんな中ですが、来年新築移転をする当院。
実は4月から本格的に工事が始まりました。
建築資材が入ってこないのでは、とか工事の方が休業するのではといった心配をよそに、予定通り粛々と進んでおります。

先日現場での会議がありまして総長たちと一緒に出掛けてきました。
敷地はぐるりと壁で囲まれ、大きなショベルカーで土を掘り返し、セメントの機械が設置されていました。濃い色の土の形状が頭の中にある図面と照合され「あの辺は健診センター、あそこは正面玄関になるところ」と勝手に脳内イメージが立ち上がります。

コロナ前に計画していた楽しみごとが、自分の中で一旦ストップされ忘れかけていました。
先日「人間は一度に一つのことしか考えられない」と糸井重里さんのコラムで読みました。
なるほど今緊急で重要なものごとがあって、しかも毎日更新しているから、それ以上のキャパがない。

これから内装のことなど、どんどん楽しい決め事が増えていく予定です。
院内の掲示板やホームページでは最新ニュースを更新することになっていますのでどうぞそちらもご覧ください。
現場を見るのは束の間、よい気分転換になりました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
あれもこれもと詰め込むのは貧乏性でして。

方法の原理に照らし合わせる

昨年の秋に「方法の原理」ということを学びました。
方法の有効性は目的と状況に応じて決まる、という原理です。
西條剛央先生※1が主催するエッセンシャル・マネジメント・スクール(EMS)で教わったのですが、最近のコロナ対策で私はこのことをしょっちゅう考えるようになりました。

そもそもサージカルマスクというのは「1処置1マスク」であり、患者さんに何か処置をしたり痰の吸引をした際は、その都度廃棄して新しいのを身につけるのが基本でした。感染から患者と医療者の身を守るのが目的で、それ以上でも以下でもありません。マスクは一枚3円くらいで、以前は処置をするときのみ装着していました。

2月には目的は変わりませんが状況が変わり始めていました。職員は全員マスクをつける必要が生じたのにマスクが入ってこない、という状況です。その頃は「4月くらいには納入再開するんじゃないか」と考えていました。
それで一人一日一枚に制限して使うことにしました。
現場ナースは「え~?一日一枚なんて汚い~」と悲鳴を上げていました。

4月に入っても依然としてマスクは入ってきません。さらに状況を鑑み「一人10枚を1か月間自己管理」「患者さんと直接かかわらない部署の職員は布マスク」という方法に変えました。マスクの内側に不織紙ガーゼを当て、使用後はマスクを中性洗剤で押し洗いし、次亜塩素酸ナトリウムを薄めたもので消毒して干す、という工程を各自にお願いしました。しかし本来そのような使い方を想定しているものではありません。マスクは傷むし、肝心のウイルスから守る機能が損なわれないかは疑問です。

その後マスクは洗わなくても72時間たてばウイルスは消える、紙袋に保管すれば3時間で大丈夫、など諸説出てきました。
真偽のほどはまだわかりません。
インターネットで見ると4月18日現在一枚100円前後で取引されています。
とても使い捨てできる金額ではありませんね。

目的は同じでも、状況は日々刻々と変わっていきます。
それによって有効な方法を変化させていくしかありません。
コロナ対策は毎日毎日が新たな試練との直面です。ときには直感で動かなければならないこともあるでしょう。
その場合も後から方法の原理を思い起こして目的・状況・方法と順に考えていくと、頭の整理に役立ちます。

そんな中、こんなはがきをいただきました。
私の勉強仲間であり、笑い文字の先生からのものです。
「みんなのためにありがとう!無理せず気をつけて」というメッセージが書かれていました。
これは医療者みんなに向けたものとして受け取りました。
誰かが誰かを思いやる、そうした気遣い・愛情が今の時代にとても大切なことと思います。
状況がどんどん悪くなっても、人を元気づけるという目的のもと、こうしたはがきがどれだけうれしいことか。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
悪いことばかりでもありません。

※1 西條剛央先生と方法の原理について詳しくお知りになりたい方はこちらの記事をご覧ください。https://www.1101.com/funbaro/2011-06-17.html

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