音楽
クリスマス・キャロリング
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
クリスマスも終わり、世の中は年末モードですがいかがお過ごしでしょうか。
とはいえ、今年はインフルエンザやコロナウイルスなど感染症が大流行しております。
今年はおウチでゆっくり、がいいかもしれませんね。
さてクリスマスの話題に戻っちゃいますが、12/23の夜にクリスマスのキャロリングが行われました。
私もこの病院に来て初めてちゃんと参加(というかインスタグラムのための取材なんですが)したという不届きものです・・・。
前野先生が「これが終わらないと新年が来ない」という、大事な行事です。
有志の職員たちが讃美歌を歌って、入院中の患者さんにクリスマスの雰囲気を少しでも味わってもらおうというもの。
舞台裏を説明しちゃうと、12月に入って前野先生からキャロリングの呼びかけがありまして、当日18時に講堂に集合します。そこで約30分ほど練習。
曲は「もろびとこぞりて」など3曲。今回は医師・看護師・事務・臨床宗教師・ボランティアせらなど14人が集まりました。今年の聖歌隊、人数は過去最高だそうです。
さて練習にお邪魔してみると、高音のメロディラインはわかりやすいのですが、中音・低音はときどき音の頭が行方不明になってハラハラ。
そこへ臨床宗教師の米本さんが遅れてやってきました。米本さんは音楽家でもあるので、低音がどっしり響くようになりました。
さてさて30分の猛練習をしていよいよ2階病棟へ。廊下の端に集まり、前野先生が指揮を始めます。夕食後のひととき、急に歌声が聞こえて患者さんびっくりしたでしょうね。でも一曲終わるごとに遠くから拍手が聞こえ、介護福祉士のDさんが出てきて「一番遠いお部屋でも聞こえていましたよ。拍手して喜んでくださいました」と実況中継してくれました。
その声に勇気づけられて、3曲歌い、さあ今度はホスピスへ。
こんな感じで3つの病棟×3曲を繰り返したのでした。
よろしければ本日のインスタグラムもご覧くださいませ。
今年一年、このブログに来ていただきありがとうございます。
みなさまどうぞよいお年をお迎えください!
同じハナシ
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌にもようやく春がキター!路肩の雪がどんどん溶けて、花壇のクロッカスが花をつけています。かーわいい!
さて、当院に入職した職員も、最初の一週間が終わりました。月曜始まりだったので、長い長い1週間だったことでしょう。週末は疲れや緊張から解放されているといいですね。
金曜日に新入職者の人に声をかけました。
前日はピアノタイムの日でもあったので、「ああいうイベントに患者さんをお連れして、そばで見守りながら一緒に聴くというのがいいですね」と言ってくれる人がいたり、「スタッフがにこにこ働いていて、気持ちがとても穏やかになります」「(職員食堂の)ごはん、おいしいですね!」というご意見もいただき、うれしい限りです。
新入職者と話していて面白いな、と思うのは「看護部長が言っている、ホスピスのこころについて、院長を始めとしていろんな方の口から同じように語られるので、みんな同じことを言ってる!と思いました」と言われたことがありまして。
看護部長というのは少し「盛って」語るからかも知れませんね(笑)。
これから仕事が本格的になり、deepな部分を知っていくと、大変さや辛さも感じる時があるだろうと思いますが、辛楽しいくらいで止まってくれるといいな、と思います。
いろんな人がそれぞれの力を持って集まっているからこそ、チームのチカラになる。ひとりではできないことも、仲間がいるとできる。
ピアノタイムに患者さんをお連れするのも、「そうすることが患者さんのためになる」と始めた、たった一人からなのです。それがいつしか組織の文化へと育っていく。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
早く行くなら一人がいい。遠くへ行くなら仲間とがいい。というような言葉があったような。
仰げば尊し
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
吹き抜けのデイルームに「仰げば尊し」のメロディが響いています。
ここは病院、というのをしばし忘れて、卒業式の気持ちに引き寄せられていました。
3月は卒業式シーズンですもんね。
患者さんはどんなお気持ちで聴いていたでしょうか。
音楽療法士の工藤先生が、週に2回、3つの病棟を回って音楽セラピーをしてくださっています。
この3年間、個別セラピーが主体でしたが、最近デイルームに患者さんが集まり、一緒に聞いたり歌ったりしています。
患者さんからのリクエストは唱歌からJ―POPまでと幅が広く、最近はフォークソングも多いのだそうです。
松山千春が好きな人、いやいや中島みゆきがいいという人、リクエストは100人いたら100通りです。
当然それだけ楽譜の数も増えるわけでして、その整理が大変そうです。
今はネットですぐに楽譜を手に入れられるので、タブレットを見ながら演奏するのも普通の光景となりました。
が、タブレットの楽譜めくり(タップ)を間違うと、前のページに戻ってしまったりして、それはそれでご苦労なさっているのだそうです。
今月から、ボランティアさんも病棟に入室できるようになり、患者さんの傍らに座って一緒に歌を聴いてくださっています。
曲の合間には感想を言い合ったりして、場が温まる感じがなんともいい光景だなあ、とうれしくなります。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
少しずつ、少しずつ。
リアル
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
医療者ゆえ、人が集まるところは避けて自粛生活を続けてきたわけですが、このところ少しずつ出かけています。
先週末はグループ病院の、副主任フォローアップ研修、その翌日は苫小牧市でリハビリテーション・ケア合同研究学会に参加して、久しぶりにリアル研修・リアル学会を満喫してきました。
どちらも医療者の集団ですから、マスクに手指消毒をして黙食を守り、静かなものです。
けれども「お久しぶり!元気だった?」に続くよもやま話、コロナコロナで疲れた心をお互いに聞いては慰めあう、このリアルな雑談はホント重要です。
ほんの数分ですが、懐かしい前職場で師長や副主任たちと言葉を交わしました。
彼女たちとの話から、クラスターがどれだけ医療者の心と体を蝕むか、環境の変化にどう合わせて自分らしく進むか、ということを考えさせられました。
そして翌日の苫小牧では、初めてのリハビリ学会でしたが、講演をいくつか拝見しました。リハビリと栄養、リハビリと薬剤というように、多職種が相互に関係しあいながら、回復を支援していく、そのような会合でした。
私は音楽療法の中山ヒサ子先生のご講演で座長をさせていただきました。
講演の中に、朗読と音楽の一節があったのですが、ちょっとご紹介しますと
「真珠というのは自分の周りに来た不純物を取り込んで、立派な真珠に育てている。
蝶のさなぎもやがて飛び立つための羽を、さなぎの中で大事に育てている。
人間もコロナのため閉じこもっているが、いいこともあった。
例えば心と体の声を聴くようになり、どうしたらよい気分で過ごせるかを考えるようになり、親切で思いやりのある態度が大事だと気づくようになった・・」
これは私の要約で、実際にはもっと子供でもわかるような言葉で語られて、音楽がそれに合うように流れています。
何かこう、頭と体にしみ込んでくるような、ずっと聞いていたい、そんなお話と音楽でした。
私たち医療者は出勤前に健康観察しなさい、とこの2年間ずっと言い続けてきました。自分と家族の健康を見つめ、けして無理しない、異常があったらすぐ連絡するというのは、すごく大事なことなんです。
「24時間、働けますか?」の時代に育った私は、意識をあえて切り替える必要がありました。でも、自分と家族の心身を大事にすることは命をつなぐことですから。
コロナによって得た人間の真珠とは、ありふれた日常を大切にするということだと思います。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
オンラインもいいけどやっぱりリアルは刺激的だな。
音楽療法士「私も竜宮城の一員に」
当院は多職種で患者さんのケアに深くかかわっております。
珍しい職種の方もいらっしゃるので、いつか一人一人を詳しく紹介したいと思っていました。
ホームページのホスピスのページに「ケアする人びと」というコーナーができたので、詳細はそちらを見ていただこうと思っています。
ここではダイジェスト版でお伝えします。
トップバッターは音楽療法士 工藤麻子さん。
―音楽療法士になったきっかけー
音楽教室の講師をして間もなくの頃、好きなアーティストの記事の中に音楽療法という言葉が出てきました。これから医者と協力して音楽療法をやってみようと思う、という記事でした。
「音楽療法って何だろう」「誰に聞いたらいいのだろう」と調べたんです。
翌年から札幌で勉強会がある事を知り、行ってみたのが始まりです。
―今、当院でされている活動について教えてくださいー
週に一度出勤し、医療スタッフのカンファレンスに同席しています。14時からお茶会に併せて音楽の時間があります。ピアノを弾き、一緒に歌ったりリクエストに応じたり一緒に演奏を楽しんだりしています。
そのあとフロアに来られなかった患者さんのお部屋に伺って、個別に音楽を演奏しています。
―個別のお部屋ではどんな風にしているんですかー
事前に看護師さんが患者さんに「音楽の出前がありますよ。好きな曲を弾いてくれますよ」とお声がけしてくれて、要望のあった人のところに行くようになっています。
リクエスト曲を事前にいただけると楽譜を準備してきちんと練習して行くことができます。あるいは「誰が好き」とアーティスト名を言ってくださると助かりますね。患者さんの歌に伴奏をつけたり、私が弾く曲を聴いていただいたり。
―忘れられないエピソードを教えてくださいー
何年も前の話ですが「私はここでゆっくり過ごさせてもらいたいと思ってここに来ました」という方がいました。
「ここの人たちはみんな優しくて、自由に、好きなように時間を過ごさせてもらっています。まるで竜宮城のような場所だと思う。音楽も楽しくてすごいね」って言ってくださって。
それから『おくりびと』という映画の話をされて
「あれは亡くなった人を送る人の話だけれど、ここは生きている人を自由にさせてくれて優しくしてくれて。ここの人たちこそ、おくりびとだと思います」と仰いました。
同感でしたし、その時に、私も竜宮城の一員になれるように頑張ろうと思い現在に至っています。
続きはこちらへどうぞ↓
https://sapporominami.com/hospis/#care
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みんなヒーローだ。
人生最期に聴きたい曲はなんですか?
4月20日札幌かでる2・7のホールで、NPO「ホスピスのこころ研究所」の講演会が開かれました。
小森康永先生の講演会とアンサンブルグループ奏楽さんの演奏会があり、小森先生がリクエストされた曲がレナード・コーエンの「ハレルヤ」でした。
https://www.youtube.com/watch?v=YrLk4vdY28Q
奏楽さんの、チェロとピアノの哀切なメロディはどこかで聞き覚えがあると思い、家に帰って調べたところ、私が聴いていたのはジェフ・バックリーという夭折のアーティストのカバーで、その哀愁のあるギターと声は、耳に残っています。
「ER 緊急救命室」や「クリミナルマインド」「The OC」など大好きな海外ドラマの中で使われていた曲でした。
https://www.youtube.com/watch?v=y8AWFf7EAc4
ドラマでは、懸命に頑張っても報われないような時、物事や人の気持ちは変わっていくから止められないという時に、悲しみや無力感を味わったあと、それでも人生は続いていくんだ、と前を見るようなシーンで使われることが多い気がします。
歌詞の和訳も調べてみましたが、正直私にはちょっと理解不能。
ただ「ハレルヤ」は主をほめたたえよという、神への感謝や喜びを表す言葉ですから、歌い上げる感じで終わるのが、涙を拭いて立ち上がるイメージに合っている気がします。
レナード・コーエンとジェフ・バックリーの曲も全く別物のように聞こえます。たくさんのアーティストがこの曲をカバーしているので、聴き比べてみると面白いです。
「2chellos」の演奏するこちらがとても心癒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z3649dq6boA
サビの部分は中島みゆきさんの「ヘッドライト テールライト」と同じメロディで、それも「聞いたことがある」感じになるのかも知れません。
もし自分が死ぬときに好きな音楽を聴きながら旅立てるのなら、この曲ともう一曲、この方も夭折のアーティスト、イズラエル・カマカヴィヴォオレのウクレレと切ない歌声の「オーバーザレインボウ」
https://www.youtube.com/watch?v=y5JicO2bKec
を聴きながら逝きたいとひそかに思っています。
あ、実はこれも「ER 緊急救命室」でマーク・グリーン先生が脳腫瘍で亡くなるシーンに使われています。
はい、影響されやすいです(^^ゞ
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
あなたが人生最期に聴きたい曲はなんですか。
音楽の扉が開くとき
この秋公開の映画「ボヘミアン ラプソディー」が大ヒットしている。
映画館は中高年の人でいっぱいで、私の友人も2度3度と見に行く人がいて、とても評判がいい。私も近いうちに見に行こうと思っている。
特別クイーンが好きだったわけではないけれど、その時代に流れていた歌というのは、その時の出来事や周りにいた人との思い出をふとよみがえらせる力がある。
先日障がい者病棟に音楽ボランティアの方が2人来てくれた。
一人はヴァイオリンの橋田さんで、去年から当院でときどき演奏をしてくださっている。
もう一人は松本さんというピアノ奏者である。
お二人は札幌市内の室内管弦楽団で活躍されている方たちで、松本さんは指揮者とのこと。
午後から2Fと3Fの病棟でそれぞれ20分ずつ演奏をしてくださるのである。
病棟では看護師たちが患者さんを車いすやベッドでデイルームに連れ出して準備万端である。
患者さんの合間に座り、様子を見守りながら一緒に演奏を聴いている。
共に過ごす、寄り添って聴く。
職員がこれも仕事のうちと心得ているのが大事なのである。
私はこういう場面を後ろから見ていると幸せを感じる。
最初の曲、それは1960~70年代の映画のテーマ曲で、誰でも聞いたことがある曲だった。
曲が始まってすぐ、ある患者さんの目から涙がぽとりと落ちた。
何か琴線にふれたのだろうと思う。
介護福祉士がティッシュをさっと引きだして、優しい顔で涙を拭いていた。
患者さんの平均年齢は70代後半とすると、1970年代は20代~30代の頃だ。
戦後の物のない時代を乗り越えて、高度成長期に過ごし、仕事や恋愛、それからテレビや映画が面白かった時代だ。
そのあともTVのCMで聴いた曲がストレートに耳に届き、短い時間だったけれども充実した演奏会だった。
手拍子を打ち、それに演奏者がノッテくれて、会場が一体になった感じがした。
アンコールに応えて、クリスマスソングをジャズバラードで弾いてくれた時には、自分が病院にいることも忘れるくらいだった。
ありがたいことに当院では音楽ボランティアの方が何人も来てくださり、唱歌・軍歌・演歌・歌謡曲・クラシックにジャズと幅広く演奏してくださっている。
誰の心に何が届くかは演奏してみないとわからないし、自分が特別好きだと思ってなくても、時代の空気がふわりとよみがえって急に記憶の扉が開くこともある。
それが音楽のチカラだなと思う。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
開いた扉から、若かりしころのことをゆっくり聞いてみたいね。
「音楽療法の可能性」講演会を聞きました
6月28日、音楽療法士でNPO法人「和・ハーモニー音楽療法研究会」代表の中山ヒサ子さんの講演会が院内で行われました。
20世紀初頭から医療分野では音楽療法のニーズがあり、戦争によってアメリカで急速に発達したことなど、歴史的背景の説明がありました。
日本ではようやく認知され出したところで、アメリカとの間にはすでに50年位の差があるそうです。
緩和ケアだけではなく、認知症・パーキンソン病・人工呼吸器装着の方にもストレスを軽減するエビデンス(根拠)が証明されているそうです。
透析中に音楽を聞いていると、透析時間が短く感じられるとか。
手術中に執刀医の好きな音楽が流れると、手術が順調に進むのは私が看護学生だったころから知られていました。
なんとなく、わかりますよね?
音楽療法というのは、患者さんが希望する音楽や歌を奏でて一方的に慰めるというものではなく、
対象者が自分で花を摘むのを支える、相互人間関係的プロセスだと中山先生はおっしゃいました。
中山先生が以前入院されて、ベッドから起き上がることもできないときには、音楽はなんの慰めにもならなかった、むしろ音が体に刺さる感じがしたそうです。どんなに柔らかい音ややさしい音色であっても、その人にとって受け入れられる状況になければ、すてきな音楽も害となりうる、だからその音が対象者にとって効果的かどうかを、表情やしぐさから読み取り、害になるとわかったら音は出さないのだそうです。
音楽療法も万能ではないのです。と中山さんはきっぱりとおっしゃいました。
そのお話を聞いて思い出したことがありました。
私は30代の後半に「うつ」になったことがありまして、約3か月くらい仕事を休んでいました。
休んで最初の頃は家族以外の人とはほとんど接触できず、日常の様々な音が癇に障り、特にテレビの音、女性の甲高い声が聞こえるととても不快な気持ちになりました。
2か月ほど経って、だいぶ元気になってきた頃、職場の人が私をコンサートに誘ってくれました。
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」という映画が少し前に流行っていて、私はこの映画の音楽と、出演していたバンドメンバーの個々のストーリーが好きでした。そのグループがキューバから札幌に来るというのです。
もう80歳代のメンバーもいるため、札幌で見られるのはこれが最後かも知れないということで、私もリハビリを兼ねて「じゃあ行ってみる」という気持で出かけたのですが、公演が始まったとき私は早くも来たことを後悔していました。
まさしく、音が体に刺さる、という感覚に近いものがありました。
刺激が強すぎたのです。
それでも、誘ってくれた人たちに申し訳ないなあという気持で最後までいたのですが、公演内容はほとんど記憶にありません。
せっかくなのに、もったいないことをしました。
でも、それは行ってみたからわかったことでもあるのです。
「まだあなたには早いよ」と体が教えてくれたんですね。そう感じ取れたということが大事な体験だったと今は思います。
好きな音楽でも残念ながらこういうことはある。
逆に、聞いたことのない音楽が癒しにつながる可能性もあるってことです。
何事もやってみないとわかりません。
中山さんのお話を聞いて、音楽やアートなど、患者さんの回復と癒しを支えるものを「ご自分で摘めるように支える」ことが大事だなと、学びました。これは今当院で取り組んでいる「あ・ぐり~んプロジェクト」にも言えることです。
押し付けではなく、あくまでご本人の気持ちがそこに動いたとき、きっと何かが生まれるのでしょう。
中山さん、すばらしい講演でした。ありがとうございました!
中山さん・音楽療法についてはこちら↓
http://wa-harmony.music.coocan.jp/
今日もこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
快か不快か?
伝えられない人の気持ちを察するための、五感を鍛えておかなきゃね。
あなたの青春の一曲はなんですか?
緩和ケア病棟では月に2~3回、生の音楽演奏を聴く機会があります。
水曜日の午後、ボランティアさんが落としてくれる薫り高いコーヒーを飲みながら、音楽療法士さんやフルート&ピアノのデュオの方の演奏を聴くのを多くの人が楽しみにしています。
どの演奏も、昔流行った曲、映画音楽、演歌、童謡、小学校唱歌、などわかりやすく耳になじみある曲が多く、時には一緒に口ずさんだりします。
歌詞のコトバの解説を聞き、「こんなにいい曲だったんだ」と改めて思うこともあります。
先日はヴァイオリン&ギターデュオのコンサートがありました。
せっかくなのでたくさんの人に聴いてもらいたくて、他の病棟の患者さんを誘いに行きました。
「ホスピスでギターとヴァイオリンのコンサートがあるんだけど、行きませんか?」
「いや、億劫だからいい」
「あら、私が車いす押していきますよ。生の演奏だから行きましょうよ」
「いや、なんか調子悪くて」
多少、断られてもひるみません。5分くらいおいて再びトライ。
「ほんの1曲聴いて、いやだったらすぐ帰りましょう」
「そうかい?すぐ帰れるかい?」
「疲れたな、と思ったらすぐ帰りますから」
「それなら行ってやるか」
コンサートは、「愛の挨拶」「禁じられた遊び」「ロンドンデリーの唄」など、なじみ深い曲ばかり。
アンコールを入れて40分ほどでした。
みなさん拍手喝采で、いい表情です。
先ほどの方も結局最後まで聴いていらっしゃいました。
それどころか
「生の音楽っていいなあ~~感動した」
「長く座ってらしたけど、疲れませんでしたか?」
「時間なんか感じなかったよ」
と涙をこぼして感動していらっしゃいました。
音楽療法というくくりで調べると、欧米と日本では表現に違いはありますが、体と心に働きかけて、健康状態の回復や維持、改善のために意図的に働きかけていく、とあります。
音楽を聴くことで平和で安心した気持ちになったり、青春時代を想い起こさせる曲で記憶を刺激し、一時的にでも病気である現在を忘れることができたり、認知症の方にはよい刺激となって心身が活性化することにもつながっています。
誰しも曲から想起されるシーンを頭に浮かべて胸がきゅんとなることがありますよね・・
今日もこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
入院したときに「あなたの青春時代の一曲を教えてください」と聞くのもこれからは必要かも、と思います。