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お知らせ

忍者の修行

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先日、保育園内の壁にこんな手紙が張り出されていました。

「とまとほいくえんのみんなへ
このまえのしゅぎょう、とてもじょうずだった
こっそりみていた
きょうは
くぐりのじゅつ
わるにんじゃにかくされたしゅりけんさがし
をみんなにたのみたい
じょうずにできたらごうかくだ
にんじゃより」

どうやら忍者からのお手紙です。
少し前から、忍者の手紙が3通ほど来ていたようです。しかも巻物になって。
お部屋の中でジャンプするのも修行のひとつだそうです。
保育士さんが外の遊び場に手裏剣をこっそり仕込んであって、手紙通り子供たちはそれを探すのが修行のひとつになっているとか。
聞いているだけでワクワクします。

2017年に短期研修でデンマークを訪れたことがあります。
「森のようちえん」を見学させてもらったのですが、そのとき「3匹のやぎのがらがらどん」という絵本をテーマに、幼稚園とその広い敷地全部を使って、物語を楽しむ仕掛けがされていました。
3匹のやぎは、橋の向こうにある広い草原に行ってお腹いっぱい草を食べたいと思っているのですが、橋の下にはトロールという怪物がいて、橋を渡ろうとすると自分たちが食べられてしまう、じゃあどうやって渡ろうか、と考える冒険のお話です。
自然いっぱいの敷地を、子供たちは自由に行き来し、木枝を使ってトロールをやっつけるとか、落とし穴を準備するとか発想をして実際に作っていくのです。
1年間の間には劇で発表したり、絵を描いたり、繰り返し3匹のヤギのがらがらどんの世界を体験することで、物語が子供たちの中に沁みこみ、知らず知らず想像力を働かせるようになっていく。
物語と現実を行ったり来たり、ユニークな教育だと思いました。

忍者の手紙を読んで、ふいにそんなことが思い出されました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
きみたちのせいちょうをかげからみまもっているよ。

宝石のようなご縁

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

最近透析室では「南徳 透析通信」と名付けた、こんな取り組みをしています。
クリスマスやお正月のごちそう、何をどう食べたらいいのか?
冷えや便秘など体調を整えるツボはどこか?
など、気持ちよく過ごせるポイントを掲示板いっぱいに表しています。
患者さんからの反応も「いいね!」シールなどでいただき、ちょっとしたコミュニケーションの場にもなっているようです。

さてこの頃うれしいのは、当院のケアがいいと感じて就職を希望される方がいらっしゃることです。
・施設の入居者さんを外来受診にお連れしたときの、職員の対応がやさしかった
・以前ホスピスで家族をケアしてもらい、自分もその中で働いてみたいと思った
・看護添書(病院同士のお手紙)に書かれている言葉を読むと、患者さんが大事にされていると感じた

こうした話を聴くのは、とてもうれしいですね。日々のケアの積み重ねであり、そこにスタッフの真心がこもっているからだと思います。
だからといって「そこで自分も仲間になって働く」という気持ちにまでなるのか、と考えさせられます。
そしておそらくそういう気持ちになるほどの関わりだったんだろう、そしてその一員になりたいと感じられる気安さもあったのかな?と思い、胸がアツくなります。
期待を持って来てくださる方をがっかりさせないようにしたいと、姿勢が伸びる気もします。

「札幌南徳洲会はいつも看護師を募集していない」と変な噂が流れているようですが(笑)私どもは現在も看護師さんを募集しております。

看護師たちが自分の生活を大事にしながら、患者さんとご家族によいケアを続けていく、そのために今、看護師を増やしたいと考えています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
関心のある方に、どうかこの思いが届きますように。

おにぎり

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
週末映画を観に行ってきました。その中でおにぎりが何度か出てくるんですよ。
コンビニのじゃなくて、家族が握ったおにぎり。
美味しそうだなと思って見ていました。

新人だった頃、少しだけ怖い先輩がいて、その人が握るおにぎりをもらったら、一人前と思われた証拠、なんていう人がいた。ある夜勤明けの朝、出勤してきたその先輩と休憩室で一緒になった。昨夜は急変も緊急入院もあって、今日はたぶん昼頃までかかりそうだなという、ぐだぐだの朝だった。先輩は鞄の中から大きなおにぎりを出して、黙って私の手にポンとくれたのだ。この先輩からおにぎりがもらえる日が来るなんて、それもこんなへとへとの朝に。あまりに唐突だったので、しばらくポカンとしてしまった。私が一人前かどうかはともかく、そのおにぎりはありがたかった。てのひらにまだほんのり温かく、とてもおいしかった。

それから、看護助手の人からもおにぎりをもらった。ご主人と息子さんに作ったのと同じだよ、と手渡されたそのおにぎりは野球のボールよりも大きくて、食べると具が3種類入っていた。梅と鮭と昆布。たまにザンギ(鳥の唐揚げ)がごろんとひとつ入っていることもあった。「〇〇さんの3種混合」と呼ばれていて、もらえるとツイてる!と思える一日になった。

それからもう3年ほど前のことだけれど、ある方からおにぎりをいただいた。小ぶりの三角形で、男性なら3口くらいで食べきれるかわいいサイズ。ごはんの炊き加減、塩加減と握る強さが絶妙で、一口かじると口の中でご飯がほどけるように広がり、こんな美味しいおにぎりは初めてだった。体が喜ぶ、といったらいいのか、「体にいいものを食べた」と感じられる、そんなおにぎりだった。記憶は鮮烈に残っているけれど、もう食べることはかなわない。本当に、ごちそうさまでした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
おにぎりも一期一会だなあ。

写真は法人グループの笠利病院の看護部長さんから送られてきた、奄美の緋寒桜。
同じ2月なのにかたや雪の中、日本はスゴイですね。

3回目のキャンドルナイト

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
2021年にふと思い立って始めた「キャンドルナイト」というイベント。
コロナで病院内のイベントが中止になったため、何か静かな催し物ができないかなと思ったのがきっかけでした。旧病院の4Fのテラスにアイスキャンドルや雪像を作り、夕方に火を灯してそれを見る、というだけ。
職員は「看護部長がまたなんかへんなこと始めたよ」と思ったことでしょう。

去年は移転して初めての冬、病院周囲には広大な敷地があります。
さてどうやってやろうかと思いましたが、最初からそんなに大それたことはできないですね。
ボランティアさんと職場の有志の力を借りて、シュヴァービング広場周辺でアイスキャンドル・スノーキャンドルを並べました。
灯をつけるとなんとも幻想的で、看護師たちが患者さんを連れ出してくれて、一緒に「わ~キレイ」って言っている姿をガラス越しに外から見ると、とても幸せな気持ちになるんです。
キャンドルの灯りって人を和ませる力があるから、みんないい顔をするんです。

今年は3年目だし、いろいろ欲が出ました。
雪像の大きいのを作ろうとか、森の中に猫バス作ろうとか。
地域緩和ケアセンターruyka(ルイカ)ともコラボすることになりまして。
施設管理の人が駐車場を除雪するから、その雪を使ってかまくらや滑り台を作ろうって、お願いして。
計画としてはいろいろあったんですが、やっぱり本業もおろそかにできないし、最後の一週間に集中しようと思ったら、あの大寒波。さすがに寒すぎて頬が痛すぎて、作業は断念しました。
しかし天は味方してくれて、開催2日前からぎゅぎゅっと作業ができて、結果としてはいい仕上がりになりました。

当日は晴天で風もなし。なんと恵まれた日でしょうか。私たち何かに守られてるねっていいあったものです。
夕方カウントダウンからの点灯式は前野総長にお願いしました。人がひっきりなしに訪れて、子供たちは滑り台で歓声を上げてるし、ガラス越しに患者さんとナースたちも見てくれて。

患者さんがお部屋に帰るときにお声を掛けたら、感激して涙をこぼされて。
こんな幸せなことはありません。

来年も、もちろん頑張ります。

Special thanks to
・除雪と滑り台&かまくら製作の施設管理の皆さん
・キャンドルとLEDライトをかき集めてくれた資材課のお二人
・リサイクルキャンドル製作してくれたKさん
・キャンドルの下に敷く段ボールを切ってくれたボランティアさん
・素敵なポスター制作Uさん
・生ピアノ演奏工藤先生
・アイスキャンドルたくさん製作してくれた地域看護室・居宅介護支援事業所のみなさん
・牛乳パックを集めてくれた栄養課のみなさん
・お花の入った氷のドーナツ作製Tさん
・スノーキャンドル作製してくれたTさん
・2F病棟のみなさん
・そのほか当日の作業をお手伝いしてくださった方
・キャンドルナイト実行委員のみなさま

こころからありがとう~~

いいケア仲間を募集しています

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
去年から今年、時代の潮目が変わってきたと感じています。

当院は移転して2度目の冬を迎え、そして春に向かって準備しているところです。
わたしは看護職員が、幸せに働けるようにといつも願っているのですが、この2年間はコロナウイルスの対応や引っ越し、それに伴う環境の変化もあって、緩くない日々でした。これからの新たな1年を、もっと緩やかに、楽しく、充実して仕事できるようにしたい。それがわたしの願いです。

そこで、私たちと一緒に働いてくださる仲間を募集しています。

・緩和ケアを学びたい方、あるいは他院で緩和ケアをしていた方
・高齢者や認知症の患者さんが大好きな方
・チームで考え対話する医療をしたい方
・患者さんとそのご家族の支援をしたい方
・「もっといいケア」を実践したい方
・病棟で2交代勤務が可能な方

そんな方をお待ちしています。

迷っているのは、やってみたい証拠です。
まずは見学をお申込みいただき、その後はメールでやり取りをさせていただきます。

もしこれを読んでピピっときたら、直接下記↓からご連絡ください。

またはこちらへどうぞ↓

https://wp.me/P84aZK-k

身体抑制ゼロ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先日障がい者病棟の師長さんが「部長、ご報告です」と言いながら合格証書を持ってきました。認知症ケア専門士。忙しい日々の中で勉強していたのは知っていましたが、やりましたね~!
うれしい報告でした。

当院では5年前から「認知症カンフォータブル・ケア」を導入し、それをきっかけに認知症看護に関心を持つ看護師さんが就職してくれるようになりました。
昨年は認知症看護の認定看護師課程に進んだ看護師もいて、これからますます認知症ケアに磨きがかかると予感させてくれます。

この病棟では昨年7月から身体抑制がゼロになりました。
それまでは経管栄養のチューブや、気管チューブが入っている方が、ご自分でふいにチューブを抜くことがあって、それを防ぐために手に「ミトン」をつけていました。
抜くことは命の危険が伴うため、いかに抜かないよう防ぐかが優先されるのは、病院ならではのこと。しかし一方で不快なものが身体についていて、それを取り外したいと思うのも人として自然なこと。ずっとつきっきりにはなれない現状。ここに看護師のジレンマがあるわけです。
チューブを外した患者さんに「(チューブがなくなって)お鼻、すっきりしましたね」「次のごはん(経管栄養)まではこのままでいましょうね」と率先して優しい声をかけていたのはこの師長さんでした。
こうした声掛けがスタッフにも浸透し、安易に抑制に戻ることなく「まず何ができるか」をみんなで考える習慣が身に付きました。

自分たちがPCR検査をすることが増えて「めん棒で突っつかれるだけであんなに痛いのに、それがずっと鼻に入っているんだから、患者さんは苦痛だよね」という共感も、抑制ゼロにつながっていると言います。
看護部の目標に「身体抑制を限りなくゼロにすること」を挙げていました。
スタッフが納得感を持ってゼロにできていることが、なによりうれしいです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
いいと思うことを地道に続けること。言い続けること。

2023年は平らかに

新年を迎えました。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
新年、っていいですね。気持ちが改まる。

毎回年が改まった時、このブログに私は何を書いていたのかなと、アーカイブを見てみました。
そうしたら日刊イトイ新聞にならって、去年一年や今年の誓いを漢字一文字で表していました。
昨年は、クラスターなどにも見舞われ、小さなヤマサカはいろいろありましたが、全体的には災害やビッグイベントもなく、割合平穏な1年だったというのが院長・事務長との共通した思いです。
ですので去年の漢字一文字は「穏」ということで。

そして今年。
看護部長の仕事というのは、働く人が楽しく幸せに働けるように環境を整えることだと思っています。
「これでよし!」ということはなく、常に何らかの不足はあるものですが、昨年も良き仲間に恵まれて続けられました。
今年もみんなの仕事が今より少しでも楽になり、楽しいものであるように、そして人が丸く、世の中が平らかでありますように「楽」「平」という文字が頭に浮かびました。
看護職って、自分で言うのもなんですが本当に働き者ばかりなんです。常に不備不足に注意を払いながら、患者さんとチームを観察しています。
生老病死を支える担い手として、心と体のゆとりが大事です。できるなら援助者が定期的に自分自身をケアできるような、そういう取り組みもしたいと思っています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
毎年おんなじこと言ってる気がするけどね。今年は「平」です。

遊びのような仕事、仕事のようなアソビ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
クリスマスが終わりましたね~。年の瀬に向けてあっという間の1週間になりそうです。

先日病院見学にいらした方に「この病院は遊びというか、余白のようなものが大事にされている」と言っていただきました。ホームページからそう受け取っていただいたようです。
とてもうれしい言葉でした。

病棟の壁にはマスキングテープで表現したクリスマスツリー。オーナメントにフライドチキンが張られていて、食欲をそそります。


ホスピスでは恒例のクリスマス行事。昔懐かしいおもちゃがプレゼントに入っています。今年はおもちゃの一億円札が大うけでした。

保育園にもサンタクロースが出向きます。プレゼントを忘れたサンタさんは、道に迷ってうろうろする、という小芝居をしました。やっと見つけた保育園。子供たちが大歓迎で迎えてくれて、大成功です。

透析室や一般病棟でも、患者さんにカードとプレゼントを配りました。
こんな風に遊びのような仕事をしていると、仕事自体がアソビのようになっていく。
誰かをクスっと笑わせたい、という気持ちだけが共通しているのです。
大人が真剣に遊んでる姿って、いいものです。

今年も一年このブログを見に来てくださりありがとうございます。
新年は少しお休みをいただいて、1月10日からの予定です。
どなた様もよいお年をお迎えください。

十九歳のホスピス

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
冬らしく雪が降り積もった週末です。もうすぐクリスマスですね。

11月末に、当院ホスピスの誕生日が開かれました。
今年で19歳です。
前野先生が2003年に院長として旧・札幌南青洲病院にホスピスを開設し、それから19年。
この間前野先生はずっと同じ方針を貫き、ホスピスのこころを伝え続けてきました。
この揺るがない姿勢が四十坊院長にも引き継がれ、今につながっていると思います。
おかげさまで、ホスピスケアを志望して集まってくる人や、高齢者ケアに力を入れていることを知って応募してくる職員が増えました。
ありがたく思います。
また患者さんも全道から、一部の方は本州からもいらしてくださいます。
最期まで透析ができることも強みとなっています。
期待が大きくプレッシャーも感じますが、患者さんがここちよく過ごせるように、これからも日々努力を積み重ねたいと思っています。

写真は毎年誕生日にお願いしている、わが清田区の名店ドルチェ・ヴィータさんの特製ケーキ。
みんなでこれを分け合っていただき、年を積み重ねています。
おいしいケーキ、ごちそうさまです。

いつもこのブログに来ていただきありがとうございます。
来年は20歳。成人式です。

クラスターとケアの質

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
クラスターが起きてから、18日間で収束することができました。
思っていたよりも早く終わることができたのは、ひとえにスタッフの頑張りによるものです。
そしてグループ病院から、感染管理の認定看護師さんや臨床工学技士さんが手伝いに来てくれて、大変助かりました。それから入院患者さんのご家族にお電話した際、たくさんの方から励ましの言葉を頂戴しました。
心から感謝しています。

クラスター中は朝の所属長会議のあと、発熱や症状のある患者さんや職員のPCR検査を、優先順位を考えながら決めていました。
昨年のクラスターの時もそうでしたが、当院の特徴は職員の発生が多いということ。

私たちの予防行動が足りない? 
感染対策そのものが根本的に間違っている?
指導に来てくれた方からは、職員がこんなに感染するのは、患者さんへの直接的なケア・接触時間が一般的な病院よりも多いからでは?と言われています。

たしかに私たちの病院は、患者さんのお話をじっくりを聴くのが大事なケアのため、病室内の接触・滞在時間が長い傾向にあります。
去年のクラスター発生時は、保健所から「ケアの質を下げてください」と厳しい言葉を言われました。
これは結構衝撃的でした。

ケアの質を下げるとは・・何を?どれくらい?
にわかに理解できないでいると「病室に行く回数を、今まで5回だったら、これからは3回に減らしてください」と具体的に言われました。

医療者は「ケアの質を上げる」のが至上命題。
あえて下げろというのは、患者と職員双方をウイルス感染から守るため。
そんな真逆のことを言わなければならないなんて、保健所の方もなんともつらい役割だなと、今は思います。
つまりはいつも通りのケアだと接触時間が多すぎるから減らしてくださいと、そういうことですね。

しかし患者さんにとっては急に医療者が部屋に来なくなって、サービスが低下する。
ベッドサイドに膝を折って話を聞いてくれたのが、ドアから声をかけるだけになってしまう。
不安に思う患者さんもいらしたと思いますが、事情を知って協力してくださる方も多かった・・ありがたいことです。
コロナウイルスというのは、我々が大事にしていることを損ねてしまう、ほんとに憎い奴です。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
普通に部屋を出入りして、会話して笑いあえる、この当たり前を慈しもう。

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