自己紹介
日本の医療ドラマは見ない・・でも。
私、アメリカのテレビドラマが好きです。
最近はタブレットをベッドに持ち込み、アマゾン・プライムやHULU(フール―)で配信されている連続ドラマを、一日1話ずつ見るのを楽しみにしています。
かつて「ER緊急救命室」というドラマが大好きでした。
アメリカ・シカゴの病院の救急センターが舞台の一話完結ものでしたが、登場人物一人一人のエピソードがあって、試練と成長、恋愛と別れ、患者の人生ドラマが面白くて医療知識としても勉強になりました。
神の手というよりは実直に考え努力したり、仕事はできるのに家庭生活がうまくいってなかったり、傲慢でいけ好かない奴だけど、実はヒューマニズムが見え隠れしたり。
現実にも「いるいる」と思うような人物が魅力的に描かれていました。
http://www.superdramatv.com/line/er/
そのドラマが発端かどうかはわかりませんが、この10年あまり日本でも医療系のドラマが結構放映されたと思います。
でも私はあんまり見ませんでした。なぜかって、いろいろツッコみたくなるから(笑)。
「私、失敗しませんから」の名セリフくらいにデフォルメされちゃうと、かえってギャグだと思えますが、「こんな会話はないよなあ」とか「こんな若い医者ばっかりだったら不安だなあ」とか「患者さんてまっすぐ天井向いて寝てないしね」なんてことについつい目がいってしまうのです。
そしてよくある屋上シーン。病院管理上、屋上ってあんまり気軽に出入りできる場所じゃないはず。
たいがい施錠されてて。演出としては使いやすい場所なんだと思うけど、医療者としては「ない」なあ。
そういいつつ、それらの医療ドラマに憧れて看護師を目指す若者もたくさんいるので、夢は壊さない方がいいですね。
これからは在宅のドラマ、とりわけ自宅での看取りのドラマが増えるといいのかも。
さて表題ですが。
普段日本の医療ドラマは横目で感じているだけの私ですが、「ブラックペアン」は見てみます。
なぜかって日曜ドラマのヒット枠だし、主演が二宮くんだし(笑)。
http://www.tbs.co.jp/blackpean_tbs/
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
予告じゃあ研修医にしか見えない(^^ゞ
やさしい手、やさしいコトバ
歯医者に通うようになってもう4年目になります。
治療は最初の1年位で終わり、今は定期チェックとクリーニングだけに通っています。
先日「工藤さん磨き方が上手になりましたね。定期チェックの間隔をもうひと月延ばしましょう」とお褒めのコトバをいただきました。
私はこの歯科衛生士さん(Sさん)に絶対的な信頼を置いています。
治療していた1年間は、その都度日替わりの衛生士さんでした。
その中でひとりだけ、コトバのかけかたと手の触れ方が特別やさしい人がいました。
歯医者というところは寝椅子に座って身体を預け、「痛かったら合図してください」と言われる場所です。金属的な器械の音に気圧されて、完全に主体性はなくなり、いつ痛くなるのか、あるいは痛くなく済むのかもわからないので、終始身を固くしてじっと構えているしかありません。
そういう患者の心理と緊張をちゃんと推し量り、Sさんは「今は息をついて、力を緩めていいですよ」とか「さあこれからまた口を大きく開けてください」という構えをこまめに教えてくれるのです。私は素直にそれに従い、緊張と弛緩を繰り返しました。
毎回治療が済むと、他の歯のメンテナンスがあります。
Sさんは「この音、怖い感じがしますよね」と共感したうえで、「今日はこれを使うのは前の歯だけですから」と覚悟をつけさせてくれようとする。
器具を口に入れる瞬間の、手指の添え方がやさしい。
終わりころになると「あともう少しで終わります。」と目途を伝えてくれる。
Sさんは毎日毎日何十人も同じことを繰り返す。でも受け手の患者はそれぞれ違うわけで、今日その人は1回の治療に来ただけです。
あたりまえだけど、今目の前にいる患者のことを思って同じ声掛けを繰り返すのですね。
そこに一切の手抜きはなく、それが手とコトバを通して伝わってくるから、Sさんに安心して委ねることができるのです。
治療が完了してあとは定期チェックに通うことになった時に、私は考えました。
メンテナンスは歯科衛生士さんの仕事だから、できることならずっとSさんにやってもらいたい。
この人だったら私はストレスなく通える。
わがままかも知れないが、ダメもとで「歯科衛生士さんを指名できるでしょうか?」と尋ねてみると、できると言う。
私は小躍りする気持ちでした。
それから3年になります。
今のところ虫歯もなく、歯周病もなし。ありがたい。
万一この人が別なところに転職したら、ついて行こうと思っています。
翻ってわが医療の場でも、やっぱり信頼できる人は同じ。
正しい知識と技術を兼ね備えた土台があって、それを伝えるコトバや手がやさしく丁寧であること。
これに尽きますね。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
仕事は人格につながっていると思う。
手放す勇気と快感と
個人的な話で恐縮ですが、この春から自宅の断捨離を始めています。
家一軒丸ごと、片づけてます。
休みの度に使っていないものを片づけては処分していますが、使ってないから=いらないとはいかないのが面倒なところでして、これを「執着」とか「愛着」というのでしょうね。
他人から見るとなんの価値もないものですが、私にとっては歴史に残る子供の作品(笑)だったりして。
「愛おしい」という気持は自分だけのもので、捨てがたいものです。
私の断捨離はこれからの、たぶん長くなるであろう、老年期を過ごすために今年やろうと決心しました。
ですから本当に必要なものを厳選して、少量だけ持つことを目標にしています。
今流行のミニマリストには到底なれそうにはありませんが、心意気だけは「起きて半畳、寝て一畳」のつもりで片づけています。
朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の主人公、谷田部みね子ちゃんの住んでいるお部屋は、住み始めたころから見ると地味に家財道具が増えています。最初は布団一組と少量の着替えくらいしかなかったのが、折り畳み式のちゃぶ台や電気スタンドなどが置かれて、ちょっとした小物が増えてきています。演出のこだわりですね。
ただ持ち物スペースは質素で、実に掃除しやすそうです。
昔訪問看護をしていた時に、一人暮らしの高齢者が入院してご自宅に帰れなくなるのを機に、家財道具を処分する苦労を何度となく聞いていました。離れて暮らすご家族が、ときどき来ては片づける際に、「あ、それは捨てないで、大事な思い出なの」「あ、それは○○さんにいただいた大事なものなの」と言われてなかなか片付かないとか、喧嘩になったとか。
その気持ち、今はよくわかります。
だからこそ、元気なうちに自分で始末をつけたほうがいい。
捨てるか捨てないか、決めるのは自分でした方がいい。
離れて暮らすお子さんは、さりげなく「これもらっていい?」なんて聞いて持っていくといい。
そして自宅に持ってきてから処分すると角が立たないですね。
でもまあ、やたら時間がかかりますが。
私は自分で買い集めたかわいい食器を処分するのが結構きつかったです。
ぎりぎりまで迷って、自分では処分せず、業者さんに頼みました。
業者さんが無造作に食器を取り出し、麻袋にがしゃんがしゃんと放り込む音は、隣の部屋にいて聞かないようにしていました。
そんなにも愛着のあった食器でしたが、翌日はもう何とも思いませんでした。
ある意味、執着から解放されたのかも知れません。
逆に、それはちょっとした快感でした。
今日もこのブログに来て下さりありがとうございます。
ひとつ買ったら、ひとつ捨てる覚悟で。が理想だけど言うは易く行うは難し・・・。

これは取っておいて、いつか読み聞かせる予定。
会いたいと思ったら会いに行く。「そのうち」はもうないかも知れないから。
ゴールデン・ウィークはいかがお過ごしでしたか?
札幌は夏のような陽気になり、ちょうど桜が満開になりました。
私はおかげさまで暦通りのお休みをいただき、遠出はせず家の片づけなどをしながら過ごしました。
先月、私は一日の間にしばらくぶりの人に会う機会が2度もありました。
2度とも、会おうと思って時間を作ってくれた人がいたからできたこと。
日中は高校卒業以来三十数年ぶり、夜は以前の職場の仲間がおおよそ十年ぶり。
どちらもきっかけはFB(フェイスブック)でした。
昨年、私はとある決心をして、FBに自分の写真を出し友達以外にも公開しました。
続いて病院の看護部ホームページを作り、自分のブログ(これですね)を始めました。
ここに至るまではずいぶん勇気がいりましたけれども、おかげで高校卒業以来の友人たちと急速に仲が良くなったり、過去に一緒に働いた人たちと旧交を温めたりして、連絡が取りやすくなりました。
「会いたいね」
「よし会おう」
そう決まると私はすぐ行動するたちなので、スケジュールを確認したりお店を決めたりが楽しい時間になりました。
離れていた年月は「かくかくしかじかで」、今を生きるものとして新たに向き合っている、そんな気がしました。
FBの良いところは、最近の様子や発言から今のその人がわかるということですね。
昔話をしながらも、妙に最近のことはよく知っているから自然と波長が合わせられる、ちょっと不思議な感覚です。
会わなかった長い期間は、特段問題ではない。
久しぶりに会った人たちとは、まるで昨日まで一緒にいたかのように深い話をし、共に戦った(笑)日々を懐かしく思い返しました。
「会いたいね」が「いつかね」とか「そのうちね」って言ったら実現しない。
会いたいと思ったら会う。会いに行く。
「よし!行こう」って決心する。
その場で日にちだけ決めて手帳に書きこむ。
「そのうち」はもうないかもしれないから。
最近は年齢のせいか、特にそう思うのです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
人のご縁ってほんとに有り難きこと。感謝、です。
私がブログで発信するきっかけになった憧れの人
私は2016年11月からブログとSNSを使って仕事のことを発信するようになりました。
発信しようと思った理由は大きくふたつあります。
昨年この病院に着任して、院内の様子を見て歩く中で、驚いたことがいくつもありました。
それまで関連病院にいたのに、この病院のことが全く分かっていませんでした。
特に緩和ケアのことは観念的な理解しかなく、実際のことは何一つ知りませんでした。
お恥ずかしい限りです。
自分がこれだけわかってなかったので、以前在職していた病院でも説明できるわけもなく、そして一般の方はもっと知らないだろうなと思ったのが発信のきっかけです。
そして発信のもう一つの目的・・看護部長の仕事で一番大きなウエイトを占めているのは看護師を集めることなのです。
看護協会やハローワークはもちろん、就職説明会に出たり新聞広告に載せたり、あるいは職員のつてを頼ったり。
できるだけお金をかけずに、優秀な人材を集めたい。
それはどの病院の看護部長も同じく考えていることだと思います。
憧れの勝原裕美子さん
私には看護部長として憧れている人が一人います。
以前聖隷浜松病院で副院長兼総看護部長をされていた、勝原裕美子さんという方です。勝原さんは百貨店勤務から転身されて看護大学に入られて、大学教授を経て病院の看護部長になられました。
翻訳された本「コード・グリーン 利益重視の病院と看護の崩壊劇」はかなりな衝撃を受けました。
それから看護の可視化ということに力を入れてらして、なかなか形に表しにくい看護の質を、数値で比較できるような研究をされました。
現在日本看護協会で行われている「労働と看護の質向上データベース事業 DINQL(ディンクル)」は勝原さんの研究がベースとなり、今や全国500以上の病院が参加するものに成長しています。
その勝原さん、実物はとても気さくな方で、看護部長をされていた時に「やらまい勝っちゃん」というブログを書いておられました。
私は講演でそのことを知ってから、ちょくちょく見るようになりました。
そこではDINQLを作ったとてつもない頭の良い人というよりは、現場を愛し、職員を愛するごく普通の方という感じがして、そのギャップに驚きつつも一層親しみが湧きました。
勝原さんは特に曜日には関係なく、書きたいことがあれば週にいくつも書いているようでした。
読書量も多く、週に何冊も感想を書いていることもありました。
看護部長としての考え方、職員への支援の仕方など参考になりましたし、なにより楽しそうに仕事をしていらっしゃいました。
私は日常のことで精いっぱいな新米看護部長だったので、心が折れそうになると「やらまい勝っちゃん」を開いて、勝原さんの、仕事を面白がる姿勢や物事の考え方にたびたび勇気づけられていました。
そして勝原さんが取り上げた本を買い求めては読み、少しでも近づきたいという気持でいました。
一昨年聖霊浜松病院を退職されてから、どういう活動をされるのか時々チェックしていましたら(まるでストーカーですね 笑)、今年の1月からオフィスkATSUHARAを立ち上げ、講演や看護師のキャリア開発の活動をされるそうで、またブログが読めることになって喜んでいます。
勝原さんのサイト⇒ http://office-katsuhara.com/
そして遅ればせながら、私自身も病院のことを楽しく発信して、未来に一緒に働く優秀な方に届きますようにと願っています。
今日もこのブログをお読みいただきありがとうございます。
まだまだ力が入りすぎている私・・勝原さんチェックして見習います。
手から気が伝わるんです
先日、市内でとあるタッチ・ケアを学んできました。
私が学んできたのは、いわゆるツボを押すとか、筋肉をもみほぐすマッサージではなく、撫でるようにソフトで軽いマッサージです。
スウェーデン発祥で、そもそもは未熟児のケアからスタートしたそうで、心地よさ、人の手に委ねることの安心感などを味わうことができます。背中や手足に最低10分のケアで、免疫細胞が活性化したり、体温が上昇したり、便通が良くなったり、睡眠の質が変わったり・・と個人差はありますが、さまざまな効果があるようです。
10年近く前にこのケアを知り、いつか学びたいと思い続けていたのですが、ようやく実現しました。
2日間の講習のうち座学を半日、実践演習を一日半行いました。
先生の実演を見て、動画を見ながら見よう見まねでやってみました。
手の向き、圧力・スピード・リズム。
やさしく、しっかりと密着させて、なめらかに。
触れることでお互いの体温を感じて、
だんだん相手の背中や手がいとおしく思えてくるから不思議。
お相手は、その日初めてお会いした人ですけどね(笑)。
今度は私がお相手になりました。
午後は両手を同時に、先生と受講生からケアしていただきましたが、あまりの心地よさにだんだん眠くなって声が聞こえなくなっていきました。
こんなに手を大切に扱ってもらったり、背中をいたわってもらうなんて・・とありがたくなります。
その日は、帰宅した途端に体が重だるくなって、かつてないほど熟睡しました。
2日間で、基本の動きを学んできました。
職場のMさんに練習台になってもらっていますが、最初に背中のケアをさせてもらった直後に「施術してる間、どんな気持ちでやってるんですか?」と聞かれました。
どんな気持ち・・・「なんというか、今日もお仕事ご苦労様、と思ってやっているうちに、だんだん背中が愛おしくなるんだよね~」という返事をしたら
「なんか手から”気”が伝わるんですよ~」と言われました。
今日もこのブログをお読みいただき、ありがとうございます。
うっかりへんな”気”を発しないように気をつけよう~~