人生100年を考える
「4 0 ~ 5 0代の人は 、働きはじめたとき 、 6 0代で引退するつもりだっただろう 。しかし 、あなたの職業人生は 、少なくともあと 2 5年続く可能性が高い 。しかも 、これから訪れようとしているのは 、スキルの価値が瞬く間に変わる時代だ 。そういう時代には 、手持ちのスキルでよしとせず 、新しいスキルの習得に力を注がなくてはならない 。」(序文より引用)
「Life shift 100年時代の人生戦略」をようやく読み終えました。
この本はいろんな切り口から誰かと話したくなる本です。
かつて私の上司は、定年を機にすっぱりと職を離れました。
ずっと働きづめでしたので、それまで出来なかったことに精を出し、自由を謳歌して過ごされていました。
社会とのつながりを保ちつつ、会社人生との区切りをハッキリさせた生き方は私の憧れでした。
上司の引退からすでに10年ほど経ちました。日本は健康寿命が伸びて、引退後の時間が長くなりました。
有能で、まだまだ元気に働ける人が定年というルールによって第一線を退かなければならないというのは勿体ないことです。
そして引退後に年金だけで暮らしが成り立つかどうかもわかりません。
どれだけ貯金が必要かもわかりませんし、貯まった額でこれからの老いと病気に対処していけるのか、身の処しかたには心構えがいるものです。
この本によると、人生は100年で考える時代になりました。
教育・仕事・引退後という従来の人生3クールのパターンから、引退後も働く4クール、途中で学び直す5クールへと多様化しています。
生きるために必死だった時代を過ぎ、今は思春期の時期が長くなっていて、所謂「成人」と呼ぶにふさわしい年齢は30才位に延びています。
長い仕事人生にさらにスキルアップの期間を持ち、定年後の次のステージをもっと専門的か、あるいは別な仕事で変身するために備えておく必要があると書かれています。
ピーター・ドラッカーも同じ話をしていますが、より具体的で現実に迫っており、既存の概念を変えようと明言しています。
看護師の場合、仕事の方向性によって認定看護師や専門看護師に進む時には、一定期間職を休んで大学などへ行くことがあります。
そのような時の生活や給与の保障制度はなく、所属する組織が個別に判断する状態です。
半年間の認定看護師課程に進むために、仕事を辞めざるを得ず、貯金を300万はたいて資格を取った人を知っています。
彼女はその後別な病院に就職し、取った資格を活かして大活躍しています。
元所属していた病院にとってはこれは大きな損失ですね。
暴論かもしれませんが、私は看護師たちが皆興味のある何らかの認定資格を取ればいいと思っています。
診療報酬が、とか専従で、とかに関わらず何らかの専門分野を極めた人が普通に配置されていて、現場のケアをよくするために活躍していたら、それだけでも患者さんにとっては大きな福音だと思うのです。
誰でも、学びたい時に公平に学ぶことが出来て、その間の職場も人が補充され、給与も保障される。
学び終えたら安心して元の場所に戻ることが出来るような、組織を超えた公的な仕組みがあるといいのになあ・・と思います。
今日もこのブログにきていただき、ありがとうございます。
やるべきことがやりたいことになればシアワセ。