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PERFECT DAYSと小確幸

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

季節の変わり目ですが、みなさまお体の調子はいかがでしょうか。
札幌はまだ寒い日もありますが、確実に春に近づいているなと思います。

最近、調べものをしていて私のブログに行きついたとお声をかけていただいたり、ずいぶん前にお世話になった方からお電話をいただいたり、ということが続いています。駄文も時には役に立つのだなとうれしく思いますし、「工藤さん、まだ働いてたのね!」という生存確認にも(笑)一役かっているようです。

さてさて年度末で仕事が山積みですが、そういう時こそ意図的に頭を空っぽにする必要がありまして、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。

ネットでは賛否両論ありますね。きれいなトイレばかり掃除しているとか、汚物が映らないのは不自然だとか・・私は役所広司さんが好きなので、そういうツッコミは気にせず観てきました。

周りはシニア世代の人ばかり(あ、自分もか)です。テレビをつけると、戦争や独裁者や腐敗した政治家の顔ばかり、だからきっとこういう話を欲しているのかも知れません。つつましい暮らしの中で本を読み、いい音楽に親しみ、銭湯で足をのばす。
人生における小さいが確固とした幸せの一つを小確幸と言ったのは村上春樹さん(「ランゲルハンス島の午後」)だそうです。「小確幸」しょうかっこう、と読みます。私はドラマの「昨日何食べた?」が大好きなのですけど、これも小確幸のヨロコビを丹念に描いています。

変わりない生活のようだけれど、一日一日はそれぞれ違っていて、ルーティン通りにはいかない。そんな日々の中でにこっと笑える瞬間をどれだけキャッチできるかな。小確幸が身の回りにあると気づくことが、PERFECT DAYS(複数形)なのでしょうね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
物欲にまみれたバブル時代も、国の勢いだったんだろうね。

手紙

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は雪まつりシーズンでたくさんの観光客でにぎわっています。
久しぶりですね。

前略 匿名希望さま

先日はお手紙ありがとうございました。
そしてパイン飴、ごちそうさまでした。仲間で美味しくいただいています。
他にもプレゼントをありがとうございました。

私の駄文を毎週楽しみにしてくださっているなんて、とても光栄です。

私がブログを始めたのは、ふたつ理由がありまして。
ひとつにはこの病院の中のことを外の人に知ってもらいたいと思ったこと、それともう一つはお金をかけずに看護師を集めたいという下心があったからです。

2016年の11月からなので、はや7年を過ぎました。途中、コロナのクラスターに初めて遭遇したときは、どう進むべきか暗中模索の毎日で、とても書く気持ちになれず、しばらくお休みをしました。
そのときも匿名希望さまから励ましをいただきましたね。あのころは心がすさんでいたのでずいぶん力をいただきました。ありがとうございました。

毎週こうして書けるのは、日々患者さんと笑ったり泣いたり、いろんなドラマがあるからです。この病院には一生懸命で心優しいスタッフが、たくさんいます。彼らが日々頑張ってくれているから、そのことをなんとかして伝えたい。これは、看護部長としては大変幸せなことだと思っています。
でも、本当にお伝えしたいことは、実は書けないものです。患者さんとご家族の生きることと、それを支えるスタッフの真の姿は、胸に迫り、人として教えられることばかりです。私の書くことなんぞ周辺のことばかり。
ですから「北海道から遠く離れたところにいても、ビタミンブログに救われ、励まされています」というおことば、ありがたくもったいないくらいです。私の方こそ、匿名希望さんからのお手紙を手帳にはさんで、時々読み返してはニマニマしようと思います。

今日もこのブログに来て下さりありがとうございます。
匿名希望さんもどうぞお体お大事に。暖かい春がもうすぐですね。

草々

 

一流の講義 その二

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
前回に続き、井部俊子さんの講義について。

テーマが「最善を尽くせ、しかも一流であれ」。
日本の医療のトップランナーたる大学、病院で管理者をしてこられた井部先生。
どんな講義をされるんだろうと興味深々です。

私が思うよい講義とは、伝わる講義です。
優れた講義というのは理論と経験とが行ったり来たりしながら「語られる」、そしてそれが受け手の経験や感情に触れて、腑に落ちる感覚になるのが、伝わる講義だと思います。
井部先生の講義もエピソードが詰まっていて、しかも易しい言葉で語られるんですよね。

「一流のマネジメント」のひとつ、外注先との付き合い方について、ご紹介しますと。

三流のマネジャーは外注先を「業者」と呼び、二流のマネジャーは「うまく付き合おう」と考える。
さて一流はどうかというと「チームのメンバーと考えて付き合おうとする」。

私達病院というのは、様々な人に支えられています。医療専門職や事務、コメディカル職員たちは病院職員ですが、それ以外にお掃除や給食、患者さんの送迎や保育園など委託会社のおかげで病院が成立しています。
師長の中には、お掃除の方の名前をきちんと憶えてる人もいます。コロナのクラスターが起きたときは看護師が掃除しなければならず、普段いかにお世話になっていたか、身に沁みました。

その師長は当たり前のように「チームの一員ですから」と言ってくれるので、いまさらながら、頭が下がります。私は全員の名前は覚えてないなあ~と反省しました。

井部先生は「看護学校の教員も、病院と対等な立場でいてほしい。学校は優れた学生を育てるためにあり、病院はそこから育った看護師を雇うのだ、だから「学生さん」とか「新人さん」などのように十把一絡げに呼ぶことは相手を軽視していることになる」ともおっしゃいました。ああ~気をつけなくちゃ。

このような感じで講義が続いていき、最後は受講生とのディスカッションです。
講義のうまい人はディスカッションも巧みです。何を聴かれても当意即妙、ポンポンと質問を返されたりして受講生の考えを引き出すのでした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
知るも楽しい。学ぶも楽しい。

祝福

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
まだまだ暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

自分事で恐縮ですが、先日師長さんたちが私の誕生日をサプライズで祝ってくれました。
まったくそんな気配をみじんも感じさせずに準備をしてくれて、さすが名女優たちです。
しかも予定していた日に、私の急な出張が入ったため、結構大慌てで調整したのだとか・・。

そのあと、保育園の園児と保育士さんたちからもプレゼントをいただきました。
忙しい仕事の合間に、本当にありがとうございました!


誰かを喜ばせる、しかもびっくりさせる形で。
これってチームをひとつにするんですよね。
楽しい企てを共有し、巻き込み巻き込まれてXデイまで準備する。

最後は「あの人喜んでくれるかな。どんな顔するかな」だけを楽しみにして。

今回祝福を受ける側になってみるとですね、まあ照れくさい、照れくさい。
でもみんながこそこそ準備してくれたんだ~って思っただけで、何か体の内側からパワーが湧いてくるような気持ちがしました。
「よおし、なんだか力が湧いてきた!」みたいな。


今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからもゴキゲンで働きます。

喫茶店のナポリタン

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今年の札幌は桜を眺める時間が長かったな~と思いました。
ゴールデン・ウィークが終わりほっとしています。
実は連休、というのがちょっと苦手です。

働きだしてからというもの、大晦日やお盆は率先して働きたいと思っていて、「遊ぶ」のが上手ではありません。
子育て中も取り立てて休もうとは思わなかったので、いまさらながら子供たちには申し訳なかったかも・・・と思っています。
管理者になった今も、連休は居心地が悪く感じます。
いかんですね、これでは。

病院というところは24時間365日稼働してますので、誰かが休み、誰かが働くのが当たり前。
職員が患者さんを守ってくれるから、自分は休めるんだなと思います。
何事もなく過ぎた連休に、心から感謝です。

先日お墓参りに行った帰りに、昭和レトロな喫茶店に入りました。
ガラスと木蓋の砂糖壺、深紅のビロードの椅子、クリームソーダ・・・。なつかしい。
今年創業50周年になるというそのお店、優しそうなご夫婦二人で営まれています。
頼んだナポリタンがとてもやさしいお味でした。

わたし、カフェをやってみたいなあと妄想することがよくあるんです。
飽きっぽいので続かないだろうなあとも思います。
どんな仕事もそうですが、ひとつの仕事を50年も続けられるってスゴイことで、尊敬します。
きっと山あり谷あり、いろいろあったと思いますが、お客さんの「おいしかった」ということばに突き動かされて続けてこられたんじゃないかな、と想像しています。

看護師の仕事も、毎日同じようでいて同じ日はまったくないです。
患者さんの病の体験もひとつとして同じものはなくて。
少し症状が治まってきたかな、と思える日もあれば急に具合が悪くなる日もあり。
少しでも心地よく過ごせるように、傍らにいられたらと思います。
私たちも「ありがとう」ということばで突き動かされるのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
新しい一週間の始まりだ!

コーヒーと看護

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

特別コーヒー通というわけではありませんが、カフェ巡りが大好きです。
先日、札幌から2時間くらいのところにある、知り合いのコーヒー店に行ってきました。

車を降りた途端鼻腔を刺激する香ばしい香り!お店に入ると20種類くらいの豆の入った木箱が並んでいます。その生豆を丁寧により分けて、その場でお好みに焙煎してくれるコーヒー屋さんです。木の温もりいっぱいの店内は、一瞬で居心地がいいとわかります。お店の方に温かく迎えられて、窓側の席に座りました。

どんなコーヒーが好きか聞かれて、酸味の少ない、濃いめのコーヒーが好きと答えました。

豆によって酸味や苦みは限定されるのかと思っていたのですが、どうやらそうではないらしい。豆の種類ももちろん関係するけれど、浅く炒るか、深く炒るかによっても味わいが変わるのだそうです。さらにコーヒーの淹れ方もいろいろあるから、自分がベストだと思うコーヒーを探しあてるには相当な数を飲まないと・・っていうことですね。

まだまだ出会ってないコーヒーがいっぱいあるわけですね。奥が深いです、コーヒー道。

私の頭の中には豆の種類と浅炒り・中炒り・深炒りのエクセルの表が思い浮かんでしまいました(笑)。これこれの豆でこのような味に提供できますよ、という風におススメするのかとおもいきや、「いえいえ違います。お客さんがどんなコーヒーをお好きなのか、まずはその方の好みをお聞きします。それに合ったコーヒーを淹れるんです。」
「あ、そっか。逆ですね」

「看護と一緒ですね」とママさんは笑います。

あちゃあ~、まいりました。コーヒーを飲みに来て新たな視点を教えていただきました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ガトーショコラがまた美味しくて。

プライドと貧乏性

こんにちは、やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
新年が始まったと思ったらもう4月。早いものですね。

当院にも今年新たに9名入職されました。
毎年思うのですが、数ある病院、会社の中から当院を選んでいただきうれしく思います。
みなさんが幸せに働けるような組織でありたい、そしてその手でケアを受ける患者さんやご家族が幸せでありますようにと、そんな風に願っています。

さて、今年に入り対面での会議が増えてきました。
先日東京に出張した際に、泊ったホテルで「全国旅行支援クーポン」をいただきました。2千円分のお買い物クーポンです。初めてのことで素直にうれしい。使用期限は翌日の23:59まで。
クーポンは紙のままお店に出してもいいし、アプリに入れてもいい、そのように書いてありました。アプリをスマホにいれたものの、時間がなくてクーポンのチャージまではできませんでした。
翌日私はお店に立ち寄り、レジでクーポンを紙のまま出したのですが、店員さんから「うちはアプリじゃないと使えないんです」と言われました。
ふ~とため息。
アプリまでは入れたが、チャージはできてない旨を伝えると「ゆっくりやってください、大丈夫ですから」とのこと。幸い後ろに誰も並んでいないので、「じゃあやってみます」と取り掛かりました。しかし焦っているせいか、QRコードが読み込めなかったりエラーが連続して時間ばかりかかります。私はあきらめて現金で支払いました。

店を出てから気持ちがもやもやしました。落ち着いて焦らない状況でやればできるはずなのに、ここで諦めるのはなんだかくやしい。プライド&貧乏性。こんな仕組み、スマホを持ってない人には使えないじゃないか。だいたい紙でもいいって書いてあるのに、アプリしか使えないってどういうこと?心で悪態をつきます(笑)

目的の駅に着いてトイレに立ち寄ると10人くらいの行列。気長に待つ間、先ほどのアプリを再挑戦。ようやくチャージできました。トイレを済ませるとちょうど向かいにお店がありまして、ここで無事に2千円、使いきったのでした。
モヤモヤが晴れて、すっきり。しょうもないプライドです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ここであきらめるか・立ち向かうかが分かれ目だ!(大げさ)

中村哲先生のドキュメンタリー映画

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

10月の終わりに、映画「荒野に希望の灯をともす」を観てきました。
映画館で見るのはなんと1年ぶり。普段はネットフリックスなども見ますが、やっぱり映画館で、その世界に集中するというのがよいですね。
せっかく映画会員になったのに一度も行くチャンスがなかったのですが、この映画は見逃したくない!と心に決めて朝早く出かけました。
中村哲先生のことは、前野総長も四十坊院長も時々朝礼で話されるし、アフガニスタンで診療をするために福岡徳洲会病院で研修を受けに来られたことがある、という話も聞いていたので、親近感を持っていました。
本では読んでいましたが、中村先生の生き方や残していったものの全体像がよくわかりました。
先生を駆り立てたものは何だったのか、生きるために何が求められていたのか、政府に頼らず自ら支援するさまを、見ることができました。
病気を診て治療する、診療所を増やす、にとどまらず、生きるための水を確保する。
干ばつにより月面のようになった砂漠に、用水路を作る。
中村先生の目指すことに賛同した人が、一緒になって働く姿はなんとも清々しいものでした。
中村先生は凶弾に倒れましたが、天からの恵みは今も人々を支えています。
水と土、光。これで作物が実り、人の命が守られる。

恵まれた環境に生きていることに、それなのに不安や不満が蔓延している世の中に対して、いろいろと考えさせられました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
チャンスがあれば、多くの人に見てもらいたいな。

コーチングからキャリアの源を学ぶ

こんにちは。
やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先日コーチングの勉強に行ってきました。
キャリアの指針を見つけるという副題がついていて、とても興味をそそられました。
キャリアといっても看護師としての転職の話だけではありません。
幼い頃に何になりたかったのか、看護師という仕事を選んだきっかけ、実際になってみてどうだったのか、そして今現在に至るまでにどんな機会を得て、意思決定をしてきたのかを振り返る学びでした。

私は幼いころ絵本を描く人になりたいと思っていました。
母が時々本を買い与えてくれて、それが私の年齢や興味にぴったり合ったものだったので、本好きな子供になりました。
父は寝る前にお話を聴かせてくれました。「昔むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」というはじまりは一緒で、そのあとは創作話でした。内容はいつも思い付きで、話の筋はあっちへこっちへと飛び、急に「続きはまた明日」と打ち切られることもあるし、父の方が先に寝てしまうこともありました。
「おじいさんとおばあさんは仮の姿で、実は宇宙人でした」と言われると、小さい私はワクワクして眠れず、「それで?続きは?」とせがんだものです。
打ち切られたお話の続きを考えるのが癖になり、未だに小説を読んだあとには妄想が膨らんで寝られなくなります。

幼いころにワクワクしたことというのは、働くことにまつわる過程と生き方に、どこかつながっているのかも知れません。
管理者がコーチングを学び、自分と一緒に働く仲間のことに関心を寄せていくと、普段は気づかない強みを発見する手掛かりになるなと思っています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
図書館司書にもなりたかったなあ。

本当に大切なこと

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

この間までの大雪と渋滞はなんだったんだ、というくらい気温が上がり、空き地の残雪がどんどん消えていく札幌です。
街路樹の根元に咲く黄水仙やムスカリの鮮やかな色に、春の芽吹きを感じますね。
でもまだ朝晩は寒い日もあるので体調を崩さないようにお気をつけください。

普段私のブログを読んでくださっている方から「工藤さん、最近文章が変わってきたね」と言われました。

最近これまでのことを振り返ったり、これからの人生をどう生きるかについて考えています。
人間は着実に死に向かっています。
が、普段は生と死が連続していることなど考えもしません。
限られた時間の中で、健康で動ける時間はさらに限られています。
その時間を一体何に費やすのか、ということを最近よく考えるようになりました。
ドラッカーの「何によって覚えられたいかね?」という問いと近いかもしれません。
コロナウイルスの登場によって、人と人の心がやや遠のいた感がある一方で、だからこそつながりは大事にしたいという思いが、両方錯綜しています。
きっとそんな心持が文章にも表れてしまったのでしょうか。自分ではよくわかりませんが。

先日ホスピス病棟に、額装された「書」がいくつか届きました。
病棟で亡くなられた方のご遺族が「ここ(アートコーナー)にぴったりだと思う」ものを何枚か寄贈してくださったのです。
私を含めて書の見方を知る人はほとんどおりませんが、筆の力強さとか文字の味わいみたいなことを感じながら、一枚一枚見せていただきました。
スタッフがあれこれ相談しながら、1枚選出したのは「絆」の一文字。
これに決めたのは「やっぱり亡くなられた患者さんとの絆を感じたから」とのこと。
そして病棟のスタッフ同士が、今こそ絆を強めているのではないかなと、私には感じられたのでした。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
本当に大切なことは、目には見えないんだよ、とは星の王子様に出てくることば。

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