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ボランティア

ボランティアさん感謝の集い2019

少し前になりますが4月24日、ボランティアグループ「せら」のみなさんと感謝の集いを開きました。
2016年の1月着任してひと月ほどたったころ、私はボランティアさんたちにご挨拶しようとお声をかけていました。そのころは毎週水曜の午後ホスピスでお茶会を開くのと病棟内の飾りつけをしていただいてたのですが、人数は登録7名ほどで、毎週来られていた方が3~4名くらいでした。
挨拶したのと同時に「この春でボランティアを辞めようと思っています」と次々言われ、「え~?どうしよう!」と焦ったのがついこの間のような気がします。
ホスピスでは水曜日のお茶会を楽しみにしている方が大勢いらっしゃるので、なんとかお茶会だけでも存続を・・と必死に募集をかけて、ボランティア養成講座を開いたりしたのも懐かしい思い出です。
それから数年、今では30名以上の方が熱心に活動を支えてくださっています。
みなさんへの感謝の気持ちを表すために年に一度、ささやかなこの集いを必ず開催しています。

リフレクソロジー1000回を表彰!

そのボランティアの中心になっていただいている、元師長の鈴木孝子さんは、仕事をしながら「英国式リフレクソロジー」というマッサージの資格を取り、定年退職後はボランティア・コーディネーターをしながら、患者さん・ご家族・職員にそのマッサージを施してくれています。私も数回受けたことがありますが、むくんだ足が軽くなり、おしゃべりで心が軽くなり、全身癒されて家路に着くことができました。

このたびその活動が昨年の11月で1000回を超えましたので、表彰状を院長から渡されました。

いつも明るく、おやじギャグを飛ばしながら、ボランティアさんをまあるくまとめてくださり、感謝しています。

ボランティア活動は多彩・院内全体に広がる

ボランティア「せら」の活動は今や院内全体に渡っています。
お茶会・イベント・飾りつけ・裁縫・園芸・音楽・傾聴・お掃除とそれぞれが得意なことをしていただいて、活動後のおしゃべりに花を咲かせ、ここへ来るのを楽しみにしてくださっています。
職員もボランティアさんの活動から何かを感じているし、ボランティアさんも職員と同じ研修会に参加したりしてまるで病院職員と同じような存在になっています。
私は会場を準備しながら、今、ボランティアさんが一人もいないこの病院は想像できないな、と思いました。
もしボランティアさんがいなければ、病院の中はたちまち色彩のない、殺風景な景色になってしまうでしょう。
物理的にも心情的にも。それくらい、重要な存在です。
去年の活動のスライドを見て振り返りながら、なんて素敵な人たちが集まってるんだろうなとつくづく感じました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
「ここへ来るのが楽しい。わくわくする」というコトバが最高にうれしいです。

なお今年もボランティアを募集します!詳しくはこちらをご覧ください↓

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傾聴ボランティアワークショップ

当院のボランティアさんの中には「傾聴」の方が数名いらっしゃいます。
家族や医療者には本当の気持ちを話せないけれど、ボランティアの方にだったら話せる、ということが、ままあります。

傾聴・あるいは寄りそいをするボランティアさんたちと先日今年度の振り返りをしました。
これは初めての試みです。
振り返りの目的はそれぞれの経験の中で難しかったと思うことや、よかったことなどを共有しお互いに学びあうことです。

患者さんからはそのとき感じているつらい感情が出てきます。
そんな時どう対応するのがよかったのか、という問いが生まれました。

「正しい対応なんてないし、会話技術でもない。ただそのつらい気持ちを受け止めるだけでいいのではないか?」

「何も言葉はなくても、ただ隣に寄り添っているだけで自然と言葉が出てくることがあるよね」

「家族にも言えない、人にはわかってもらえない感情を今ここで出せた、というだけでいいのではないかと思う」

「人生の中で失ったもの、後悔しているものごとに今向かい合っている。人は最期まで成長しようとしているのではないか」

という話がつぎつぎと出てきて、私は一言も聞き漏らすまい、とメモをしていました。

医療者は患者さんやご家族のお話を十分聴けてないのです。
けれどもボランティアの方がゆったりと傍らに座り、やさしい態度で接するおかげで「この人になら話してもいいかな」と思ってくださっているのだろうと思うのです。
そこでは弱音を吐いてもいいし、恨み言をつぶやいてもいい。
ただただ聴くことに徹してくださるから。

「患者さんの話をゆっくり聴きたい」
この病院に来る看護師はみんなそう言いますが、現場ではそうもいかなくて。
そこをなんとかするのが私の仕事なんですがね・・。

せめてこの、ボランティアさんたちの話をみんなに聴かせたいよな~と思うのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
たった5分でも魂の会話に。

身体がよろこぶ!!土の匂い

今週も「あ!ぐり~んプロジェクト」のお話です。
5/9は正面玄関前の花壇と、4Fサンルームで「ふれあい空のガーデン」のプランターに種まきをしました。
植物のある環境や植物を育てる活動を取り入れることは、心身機能の改善や認知症予防につながるというお話を、去年ボランティアでもある、園芸療法士の土角千尋さんから教わりました。
過去のブログ⇒ https://sapporominami.com/nurse/category/blog-c/kandan/

そこで今年はぜひ土づくりのところから患者さんに関わってもらいたいと思っていました。

土のいい匂い

ガーデニングチームのリーダー、徳光三千代さんがあちこちで苗や種を買い集め、細かい段取りを準備してくれました。
外はめちゃめちゃ寒かったので、花壇の方はボランティアさんたちにお任せして、患者さんには4Fに集まってもらいました。
桶に土と肥料を入れて膝の上でまぜまぜ。
それをプランターに入れて。
吹き飛びそうな小さなバジルの種は、泥団子にまぜて。
車いすに座ったままでも、こうして種植えができる。
身体が思うように動かなくって、もう畑仕事は叶わなくなったという方も、久しぶりに土に触れ、においをかいで懐かしい感覚を呼び戻したのでは・・と思います。

そしてそして、実は私たちが4Fでこうしている間に、別のボランティアさん2人はベッドから降りられない方のところへ、土を出前していたことを後から知りました。

ある方は指が拘縮(かたくなって動かないこと)していたのですが、土に触るとあら不思議、動かないと思っていた指が土をにぎにぎしていたのです。そしてふわっとやさしいお顔で笑って下さった。終わったあとも「楽しかった~」と言ってくださったとか。
ボランティアさんが「感動しました~~」と教えてくださって、それがまた嬉しい。

去年もそうでしたが、園芸を通して患者さんが役割を持ち、意欲が高まったり、普段は見せない姿や力を発揮するのに驚きます。このあとは自分で植えた種がその後どうなったのかを見にくることにつながりますし、成長をしたものを愛で、収穫を楽しみ、給食で食べていただけたらと思います。

玄関先の花壇もきれいになった!

今日もこのブログに来て下さりありがとうございます。
ボランティア「せら」のみなさんありがとう~~多くの人に支えられて、成り立ってます。

今年の花壇はこんな感じ

冬に咲く桜~善意のつながりに感謝~

3月になり気温が上がって札幌も雪解けが進んでいます。
先日静岡から桜の木枝が送られてきました。
当院でボランティア活動をしてくださっているHさんの、東京のご友人からとのこと。

「え?どういうことですか?」と尋ねると、東京のご友人とは日ごろからHさんが当院でしているボランティアについて話をしていたそうなのです。

ご自身のご家族の喪失体験。ホスピスで活動していること。そしてボランティア活動がご自身のグリーフケアになっていること。仲間と共に活動することがひとつの楽しみになっていること。ご家族が活動を支援してくれていること。

それで共感してくれたご友人がわざわざ静岡から当院に送り届けてくれるように頼んで下さったのだそうです。
お二人の善意がここには詰まっています。

今日もこのブログへ来ていただきありがとうございます。
ようこそ、まだ雪の札幌へ。

日本死の臨床研究会in秋田に行ってきました

このところインプットするものが多くて、速やかにアウトプットしないとどんどん忘れていく工藤(^^ゞです。

10月7~8日、秋田で行われた「第41回日本死の臨床研究会」に行ってまいりました。
昨年は当院が事務局をした会なので、今年は参加者としてたっぷり浸かってこようと思っていました。
秋田空港から市内に向かうバスの運転手さんが、「今日はね2500人のお客さんが来るんですよ。すごいんですよ」ととてもうれしそうに話していたのが印象的。

この人たちは発表者。頑張ったね!

 

会場は3つの建物、7つの会場に分かれるので、どの会合に向かうかはあらかじめ考えてから行きました。
初日は「マギーズ東京」の秋山正子先生の出るシンポジウムに向かったところ、エレベータに秋山先生が乗り込んでいらしてなんと二人っきりに!光栄です!とお声をかけて、次の階でそのお背中を見送りました。I’m happy!

真ん中の人も発表者。おつかれさま~

 

午後からは秋田市内の病院で、ボランティア・コーディネーターを20年も続けておられる方の講演を聞きました。
御年70代後半かと思いますが、常勤として毎日出勤されて、連日80名の活動を運営されているそうです。すご~い!

痛みや症状緩和、ADLとセルフケアの改善までは医療者の関わりが重要だけれども、そのあとの日常そのものの改善や、社会生活の取り入れはボランティアとご家族の役割が大事だと説明されました。これはマズローのニーズ論にも似て、なるほどと思いました。ホスピスで行われる行事やアクティビティは非常に数が多く、「何がその方の希望かわからないので、多岐にわたって準備している」そうです。
座右の銘は「人生とは他者の生に貢献することの中に本質を持つ(アドラー)」とおっしゃり「地位や名誉やお金ではなく、相手に求められていることを一心に行うことで、真に自分を育み他者に貢献することになるんだ」という言葉に、膝を打つ心持ちになりました。

ババヘラアイスと言います。

 

20年もの間、ボランティア・コーディネーターを続けていられるのは、「活動が楽しく、生きがいを感じる」からであり、努力の成果を相手に求めるのではなく、自分を育むためだとおっしゃいます。
その言葉は以前当院でフルート演奏のボランティアをされているKさんが、
「ボランティアを7年続けて思うのは、ボランティアは他者からの賞賛をじぶんのご褒美にしてはだめなのよ。他者からの賞賛をヨロコビにしていたら、賞賛がないと続かないの。形の見えないご褒美を自分でみつけられることが必要なの。自分にしか見つけられないご褒美がここにはあるんだよね。だから7年も続いている。」とおっしゃった言葉とぴったり符合して、ますます膝を叩きたくなったのです。

その夜の懇親会で、もちろん講師の方にご挨拶させていただきました。
そして当院のお話をさせていただいて、ずいぶん勇気づけていただきました。
よおし、まだまだやることあるぞ~と思った夜でした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
発信は素早く。心がアツいうちに。

あるグリーフ(悲嘆)ケアの形〜遺志をつなぐ〜

家族を亡くす、ということは大きな喪失体験です。

悲しみや辛さはその人それぞれの喪失体験の積み重ねや、愛情、旅立つまでの間にどんな体験を共有したかによってもずいぶん違うものです。突然なのか、予期されたことなのか、生前の関わりに対する後悔の度合いが強いかどうか、旅立ちを受け止める時間があったか、故人との関係性がよかったかどうか、本音で語れたかどうか。
本当に、それぞれのストーリー(物語)があって、どれひとつとして同じものはありません。

大切な人を亡くした場所に再び足を踏み入れて、ボランティアをするということ。
以前のブログでも触れましたが、故人を取り巻くご家族やご友人が共に過ごし、語り合い、悲しみを共有しながらも旅立ちを受け入れてしっかり見送ることが出来た時、ひとつのグリーフ(悲嘆)ケアの形として、他者への支援をする行動につながるような気がします。

ボランティアの存在は、医療者でもなく家族でもなく、ちょうどいい距離感を持って、自分が一人の人であることを鏡のように思い出させてくれます。香り高いコーヒーを落としてくれて、病気であることをふと忘れてしまうような時間を作ること、音楽、対話などがどれだけ患者さんやご家族の力になっていることでしょうか。

ある患者さんがこうおっしゃって下さいました。
「私が元気になったら、ここの看護師さんたちを癒してあげるんだ」って。
それを何度となく聞いていたお身内の方が、ボランティアとして申し込んでくださって。
「自分にできることで、彼女の遺志をつなぎたい。きっと彼女自身がそうしたかったと思うから」とおっしゃって、8月から週に1回、職員のために若石式リフレクソロジーというマッサージをしに来て下さっています。
30分の足裏マッサージには、自分でも気づいていない体の不調に気づき、いたわり、ケアしてもらったという以上の効果があるようです。
マッサージをしてくれるボランティアさんのそばに、亡くなった患者さんのにっこり笑った姿が見えるようでした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ケアする人もケアされて、またいいケアができる。

楽しいところに人は集まる

日本一、幸せに働ける病院を作りたいと思っている工藤です。

2017年7月現在、当院のボランティアさんは登録29名となりました。
いっとき存続の危機があったことを考えると夢のような人数です。
ありがたいことに、今は特別募集をしなくても、ぽつりぽつりと応募いただくことがあって、大変助かっています。

今日はその中の「飾り棚部隊」(注:勝手に命名)の方たちを紹介します。
ボランティアさんの中には「元看護師」さんや「現役看護師」さんが合計7名いらっしゃいます。
「元看護師さん」の場合、現役で働いていたときには時間に追われて、じっくり患者さんに関わることができなかったけれども、今はゆとりを持って関われるとおっしゃって、認知症患者さんのそばにいて声をかけながら手をマッサージしてくださったり、お茶会の時に隣に座ってゆったりとお話をしてくれたりしています。


しかし「現役看護師さん」の場合、職場でも目いっぱい働き、家では家事をこなしているはず。
さらに別の病院でボランティアをするという発想には、私はなかなか至らないのですが、驚くことに現役看護師の方が5名もいらっしゃるのです。

「飾り棚部隊」の方は2名いまして、現役の看護師さんたちです。いろいろなボランティア活動の中で、飾り棚を装飾するのが好きかも知れない、ということでやってもらったらすっかりハマってしまったそうです。
1~2か月に1度くらいの感覚で来られて、季節の飾りつけをしてくださるんですが、回を追うごとに舞台レイアウトが凝ったものとなり、おふたりの独自の世界観やストーリーが出来てきました。
お二人は、それぞれ別の病院にお勤めですが、休みを合わせて一緒に来られます。

7月下旬に現れたおふたり。
今回は海水浴がテーマとか。


私 「これ、いつアイデアを考えているんですか?」
Aさん「もう、四六時中(飾り付けの事)考えています!」とのお返事・・

しかもこの方、夜勤明けに来たんですって!!

参りました。
すごい情熱とエネルギーです。
Aさん「これやってると患者さんやご家族の方から”楽しみにしてます”って声をかけてもらえるんです。それがうれしくて来ています」

そして、このお二人があんまり毎月楽しそうにここに来るのを知った知り合いの看護師さんが
「今日は見学にきました」と言って参加。
さらに「飾り棚部隊」が増える予感です。

今日もこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
楽しいって言って何かをしていると必ず人は集まってくる気がします。
それが仕事に直結してもしなくても。

病院ボランティアのごほうびとは?

こんにちは。
今日もボランティアさんのお話です。なぜそんなにボランティアさんのことを書くのかって?
私の中では外来や病棟と同じ、ひとつの部署と同じと思って愛を感じています。
それくらい、かけがえのない存在なのです。そして無償で来て下さる皆さんをいつも尊敬し、感謝しています。

今日はそんな中、深い言葉を教わったので、書いておきたくなりました。

当院で7年もボランティアをしてくださっているKさんが、こんな話をしてくれました。
「ボランティアを7年続けて思うのは、ボランティアは他者からの賞賛をじぶんのご褒美にしてはだめなのよ。他者からの賞賛をヨロコビにしていたら、賞賛がないと続かないの。形の見えないご褒美を自分でみつけられることが必要なの。自分にしか見つけられないご褒美がここにはあるんだよね。だから7年も続いている。」

これはすごく深いコトバだと思いました。

私はボランティアのヨロコビって、誰かの役に立ち、誰かに喜んでもらうこと。
それが純粋に次への燃料になって、小さな炎を燃やし続けているんだと思っていたから。
その活動がボランティアさん自身の生きがい・やりがいにつながるようにと院長たちも意識してくれています。
何かをする⇒役に立つ⇒喜んでもらえる⇒また次につながる
ここに人と人とのコミュニケーションがあって、心がふれあい、支援したつもりが自分の心もあったかくなって「ようし、また喜んでもらおう」となるわけですね。

Kさんがおっしゃっているのは、「ありがとう」などと明確に返していただかなくても、自ら手ごたえを見つけてつかむということで、今まで私がイメージしていたこととは少し違う視点や価値観を教わった気がします。

だから、今の私では考えが浅くて「なるほど!」とはいかない。
なにせ私自身がボランティア、継続したことないから・・(恥)。
もうちょっと教えてもらわなきゃ・・いや頭ではきっとわからないことなんでしょう。

だって7年ですから!
体を通った言葉はほんとに重みがある!

そしてほかのボランティアさんたちにも質問してみたくなりました。
ボランティアを続けている理由について。ボランティアのヨロコビについて。
きっといろんな答えが返ってくるに違いない、と思うのです。

 

今日もこのブログをお読み頂きありがとうございます。
何事も奥が深いですね~。

もうひとつのボランティア(職員編)

前回までボランティアグループせらの活動についてお話しましたが、今日はちょっと番外編を。
せらの活動が危うくなって、一番困ったのが「飾り付け」でした。
春夏秋冬、季節の行事などを題材にした飾り付けは、絵心とセンスが大事なのです。
これまでの作品を写真に撮って保存してくれているので、それを見ながら再現することは可能だ・・とは聞いていたのですが、見るのとやるのとでは大違い。実際私はやってみて自分がこのことにまったく向かないということを改めて発見しました。
万一できる人がいなかったら、困ったな・・と考えていたところ、救う神がいたのです・・職員の中に。

mナースは当院のホスピスの飾り付けを見て就職を決めたというくらい、飾り付けに思い入れがあって、イラストもとても上手な人。
飾り付けする人がいなくて困っていると話したところ「やってみたい」と言ってくれてスタートしました。これまでにない斬新な発想で、次々話題作を制作してくれました。
常に飾り付けのことが頭のどこかにあるので、街中のディスプレイなども参考にして歩いているそうです。

検査技師Tさんは独学で始めた切り絵が楽しくて、2Fの新館のコーナーをいつも飾ってくれています。
小さな先端のカッターを器用に用いて、美しい切り絵で物語の一シーンのような世界を制作しています。ひとつひとつがこまかく、よくできているのでじっくりみたくなります。
フエルトのリスちゃんとメジロちゃんが登場人物となり、見る人が自由に空想する楽しさがあります。

クラークSさんは手作り小物が上手で、まあるく、あったかく、ほのぼのした空間を作ってくれます。
人形の表情がにやにや、わくわくした感じでなんともユーモラス。人柄が出ています。

クラークSさんと協働しているのがSナース。ときどき、こんな独創的なことをしてくれます。
病院にお勤めの人はわかると思いますが、太巻きの中身は採血のスピッツ(試験管)!

さて、トリはこの方。Fさん。
仕事柄たくさんのコード類がお部屋にあると思われます。こういうセンス、大好きです。

職員の中に、こんなにセンスのある人が、そして技術のある人がいてほんとありがたいことです。
そしてそれぞれに楽しんで、主体的にしているってことが何よりうれしいことです。

ボランティアでも、仕事でも、自分のしたことで誰かが幸せを感じたり楽しい時間を過ごしてもらえるというのは、ヨロコビにつながります。「楽しい仕事は楽しごと」と誰かが言ってたっけ。

今日もこのブログをお読みいただきありがとうございます。
なされるべきことが、得意なことだと、その仕事は楽しい。

お知らせ, ボランティア> | 更新日:2017-02-27

病院内に社会の風が吹き抜ける~ボランティアせらの活動~(下)

本当は退職して悠々自適な生活&大好きなリフレクソロジーをする予定だった鈴木さん。
ボランティア・コーディネーターになってくれないかとお願いしたところ、快く引き受けてくれて勇気100倍になりました。

せらのコンセプトを明確にする

さっそく、せらのコンセプトを明確にするところから話し合いを始めました。

「ほっとできる場をつくる」ーうんうん
「いつでも誰でもが立ち寄れる場をつくる」-うんうん
「ホスピスだけじゃなくて、病院全体を活動の場にしよう。」
「定期的なミーティングをして」
「当面はお茶会と飾り付けの維持継続だけど、人数が増えたら活動範囲を広げて、いずれはコーディネーターをボランティアさんから立てられるといいね」
「5月に辞めることが決まっていたメンバーさんに、感謝の気持ちを表す会合を開こう」

感謝をちゃんと伝えよう

ということで感謝のつどいを企画。
職員からのメッセージを募り、それをメッセージツリーに張って贈ろうということになりましたがツリーの台紙、どうするの?ってことになって、なんとここで鈴木さんがイラストも上手だということが判明。わ~びっくり。いくつ才能持ってるんですか!

そうして長年頑張ってくださった皆様に感謝の気持ちを、お贈りしたのでした。

募集説明会から対話を深める

その後募集説明会を開いたり、人づてでnewメンバーが増えました。
説明会は少しずつバージョンアップし、最近は可能な限り理事長や院長にもお話しをしてもらっています。私たちの病院のありようと、ボランティアに関する考え方を聞いていただいたあと、実際に活動しているところを見ていただいてます。水曜日の午後のお茶会、そしてボランティア室での作業、飾り付けの様子など。そして茶話会を開き、なぜボランティア活動を始めようと思ったのか、どんなことが得意かについて詳しくお話を伺います。

その人の考え方・価値観が少しわかりますし、病院の求めている活動と同じ歩みができそうかをすり合わすことができます。お互いの考えを聞きあうことで、ボランティアさん同士が親しくなるのも早いような気がします。

最近のせら

だんだん人数が増えてきたので、最近は鈴木さんが活動メニューを作ってくれるようになりました。
メンバーはそれを見て次回は何をしようか、自分で選択することができます。鈴木さんは先々の行事も頭に入れながら、「そろそろクリスマスカードの準備」とか「車いすをピカピカにする日」とか楽しみながら続けられる工夫をしてくれています。

 

危機を乗り越えて

おかげさまでせらは存続の危機から1年が経過し、現在登録数は17名になりました。
活動の場所は一般病棟や透析室、花壇にもひろがりました。
なにより「ここへ来ると楽しい」と皆さんおっしゃってくださいます。
「私は冬の間は来れないからね」と言っていたHさんは、冬の間休まずタクシーで来て下さいます。
やりがいを持って通うHさんを見て、息子さんが「母さん、ボランティアに行くのに転んでけがしたら何にもならないからね、タクシー代は必要経費だよ」と言ってくれたそうなのです。そうまでして来て下さるHさんとその息子さんに、私は心の中で手を合わせています。

病院らしくない病院を作る、これが私たちの新病院コンセプトでもありますが、ボランティアさんが持ち込んでくれる社会の風が病院内を吹き抜けて、患者さんもご家族も職員もボランティアも、共に支え合いながら進んでいくことができたらいいなあと思っています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
手前味噌ですが私の撮った写真、なんとも温かい、いい笑顔だと思いませんか?

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