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ボランティア

世界でたった一つの、私だけの服

病院にボランティアさんがいることを、私たちは「社会の風が入る」と言っています。
医療者でもなく患者でもない、ごく普通の人が、普通の格好をして普段の暮らしを院内に持ち込むことで、患者さんは当たり前の日常を感じることができます。
そして医療者も普通に生活する人の感覚を取り戻すことができるのです。

ボランティアグループ”せら”の中でソーイング(裁縫)チームは、入院患者さんの暮らしの環境を確実に豊かにしてくれています。
イベント時の着ぐるみで笑いを取り、ベッド周りに彩りを添え、輸液ポンプの「医療的な姿」を温かく消し、ふんわりあったかなぬくもりを感じさせてくれる存在です。

世の中お金を出せばなんでも買える。でも本当にそうでしょうか。
病気のために既成の服が合わなくなった方がいます。
このデザインが気にいってたのに。この柄が好きだったのに。
脚のリンパが腫れて入らなくなったズボンやスカート。お腹が張って傷つきやすくなった皮膚。
そういう患者さんの洋服を直すことで、もう一度おしゃれを楽しむことができる。

ソーイングチームの中心Kさんは、着られなくなった患者さんの洋服を上手に再生してくれます。
肌を傷つけないようにウエストにはゴムを緩めに入れて柔らかな綿で覆ったり、縫い目が肌に触れないように工夫してくれます。
既製品では得ることのない、細やかな気遣いで、世界にたったひとつの価値ある洋服になるのです。
ポイントは①買わずに作る ②味のあるリサイクル ③世界にたった一つの価値あるもの、なのです。

患者さんや職員に喜ばれた形あるものは数知れず。
作ったものが誰かの体験となって記憶に残っていきます。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
自分のすることが誰かの役に立つって幸せですよね~。

マスクをつけた五人囃子

コロナ禍になってから院内のボランティア活動は休止してきたのですが、少しずつ、数人ずつ健康観察をしながら始まっています。
昨年の今頃はマスクが手に入りにくくなっていたので、手作りマスクやフェイスシールド、ビニールエプロンをたくさん作っていただきました。おかげで私たち、心丈夫でした。
院内各所の季節の飾りも、患者さんと接しないように配慮しながら、毎月変えていただいたので、ありがたかったです。

3月3日の桃の節句に先駆けて、ホスピスと外来待合室に7段飾りを出していただきました。
五人囃子にはマスクが付けられているのも今年ならではのことです。

人間お内裏様は着付けチームが美しく着付けてくださいました。
今年は臨床宗教師の米本さんとナースのIさんのお二人です。

ひな祭りのお菓子と甘酒、バラや椿の造花に手作りカードが添えられました。
おひとりずつ届けて、季節の行事を感じていただけたんではないかなと思います。


喜んでくださる患者さんを見て、私どもの病院にはボランティアさんたちの活動が、欠かせないものになっていることを、つくづく感じました。
マスクなしでおしゃべりしたり、集まって何か一緒にするということがずいぶん昔のことのように思います。
その自由さがどれだけ幸せなことなのかを、しみじみ感じられたこの一年でした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
もしボランティアさんがいなかったら・・?
どんなにか色彩のない、殺風景な病院になるでしょうね。

初めてのCANDLE NIGHT

2月10日に「CANDLE NIGHT」というイベントを開催しました。

場所は4階のテラス。普段は花を育てているところですが、サンルームからテラスに並べたアイスキャンドルを眺めるって、非日常的でいいんじゃないかと思ったのです。

1月半ば、私と医局クラークのMさんはアイスキャンドルを作るところからスタートしました。
栄養課で毎日出る牛乳パックと空き缶を利用して、まるで理科の実験みたいに色を付けたり、お湯から作ると透明な氷になるらしいとか言いながら、毎日数個ずつ作っていきました。
無印良品のキャンドルが、中に入れるのにちょうどいいサイズ。

キャンドルだけじゃ物足りないので、途中で小雪像を作ろうと欲が出てきました。テラスに積もった雪が少なく、気温が上がって思うようにいきませんでしたが、施設管理のTさんと看護部有志が手伝ってくれて、オラフやチコちゃん、雪ウサギなどができました。

「CANDLE NIGHT」という素敵なチラシを作ってくれたのはUさん。
さらにそれを拡大して記念撮影スポットを作ってくれました。

音楽療法士の工藤先生がオルゴールのような音色で生演奏をしてくれて、ムードは満点。
病棟ナースはもちろん、他部署の職員やボランティアさんが患者さんの移送を手伝ってくれました。
「患者さんに喜んでもらおう」という目標があって、仕事の中にこうした遊びの要素があるというのは、スタッフも心がひとつになり、お祭りのようでなんとも楽しいものです。
そういうとき、一人一人が自然とリーダーシップをとるんですね。
「このイベントをもっとよくしよう」という人たちがそれぞれにいい仕事をしてくれて、何も言わなくてもいい具合に仕上がって行きました。
まだまだ未完成な部分があるけれど、まずは一度形にしてみるってことが大事な気がします。

夕暮れに温かい炎が揺らめいて、小雪像たちも一層引き立ちます。
患者さんたちが「わ~かわいい」「きれいだねえ」と、まなじりを下げ、感極まって涙を流される方もいらっしゃいました。
思い思いに記念写真を撮り、短い時間でしたが楽しんでくれたようです。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
一粒で何度もおいしかった~~

新たな「こもれびの会(慰霊祭)」の様式

当院では毎年秋に「こもれびの会」という慰霊祭を行っています。
当院で旅立たれた患者様のご遺族をお呼びして、院内で慰霊を行う式典です。
毎年40名くらいの方が集って下さり、職員の顔を見て懐かしんでいただいたり、近況を教えていただいたりします。
いつもなら黙とうの後、院長から「悲嘆について」のお話や、ピアノとフルートの生演奏を聴いていただき、祭壇に献花をして厳かに行われていました。

今年はコロナウイルスの感染拡大のため、ご遺族をお呼びするのはあきらめ、その代り職員だけで慰霊祭を開こうということになりました。
そこにご遺族がいらっしゃるようにして、前野総長、臨床宗教師の米本智昭さんのお話が続きました。

そして今年は献花に新しいアイデアが生まれました。
これまでは祭壇の上に一人一輪の白いカーネーションを置く形でしたが、今年は祭壇に4つの花器を用意し、一人一輪の花をそこに挿してみんなでアレンジメントを作り上げる、というものです。
当日勤務していた100名ほどの職員が、仕事の合間に会場を訪れて参加しました。

このアイデア、園芸療法士としてボランティアに来てくださっている、Tさんにご協力いただきました。
花の選択から、ふさわしい花器の準備、花の挿し方まで教えていただき、最後に手直しをして美しく彩りのやさしいアレンジメントが4つ完成したのです。
出来上がったものは、外来受付と各病棟に飾られました。
この様子は後日ひだまりブログでもお知らせする予定です。

今日もこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
これもひとつの新しい様式です。

コロナの年の七夕祭

ホスピスの七夕祭り、今年はどうしようか。
コロナウイルス感染拡大のさなかにある今年は、イベントを中止するのが当たり前になっています。
やらない、というのは簡単なのですが、
状況を見てその都度判断したいと思っています。

3密にならないように時間と空気と接触のあり方をあらかじめ決めたらできるんじゃないか、とホスピスの須藤師長・ボランティアコーディネーターの鈴木さんと話し合いました。

去年までのお祭りの写真を見ると3密そのものです。
こういう光景に対する私たちの見方が、すっかり変わってしまったのを実感します。

一度にたくさん人が出ないようにして
でも露店風なことは行う。

患者さんはお一人ずつご案内して、楽しんでいただいたらどうか、ということになりました。

それから
人間織姫と彦星に登場してもらい、七夕の短冊の前で記念写真を撮るのはどうか、という案が出て「それいいね~」となりました。
短冊も押し花のシールが貼られたオリジナルです。

ボランティア衣装部がデザイン・製作・着付けをしてくれました。
人間〇〇はひな祭りやハロウィン、節分などでおなじみ。
得意中の得意かもしれません。
今までなかったのが不思議なくらいですが、これまでは露店に注力していたので考え付かなかったのでしょう。
これもひとつのイノベーション。

開始時間を待ちきれない患者さんがお部屋から出てきて、楽しそうに参加されていました。
お部屋にいらっしゃる患者さんのところへは、織姫と彦星が訪問し一緒に記念写真を撮らせていただきました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ケガの功名というか、転んでもタダでは起きない私たちです。

外の空気はうんまいなあ

3年前、外来棟の前にある植え込みは雑草が伸び放題でした。
コンクリートで作られた植え込みは長さ10メートルくらい、奥行きは50㎝くらいです。
園芸ボランティアをしてくれている私の師匠が、雑草を取り土を掘り起こし、土壌を改良してくれました。
そこに植えるのは野菜など実を収穫できるものがいいという話になり、その年はミニトマトやキュウリ、ジャガイモを育てて給食に使ってもらいました。
翌年のために師匠が育てたイチゴの苗を植え込みに移植してくれて、ひと冬を越しました。

翌2018年6月に最初のイチゴ狩りをしました。
その日は風が強く寒い日で、患者さんを外に出すことはできませんでした。
6~7人だったと思いますが玄関ホールに集っていただき、収穫したイチゴをその場で食べていただきました。

翌2019年はなかなかの出来栄えで、10名以上の患者さんがいちご狩りに来てくれました。
ホスピスの患者さんのお部屋にはプランターのイチゴを出前し、甘酸っぱい香りを楽しんでいただきました。

今年はイチゴ農家から仕入れた苗に変えて、昨年同様大事に育ててきました。日々の水やりは施設管理の方にお願いし、受粉は私がして、毎週師匠が手入れするという方法で見守ってきました。
天気予報をにらみながらいちご狩りを2回開催し、ホスピスと一般病棟合わせて25名の方が来てくださいました。新型コロナウイルスの影響で面会や外泊が制限されていることもあって、患者さんにはずいぶん我慢を強いておりました。
そこで少し外の空気を吸って気分転換してもらおうと、イチゴ畑の前でボランティアさんがカフェを開店。
当日は薄曇りでしたが心地よい気温で、柔らかな風が流れていました。

「温かいコーヒーと冷たいカルピスどちらがよろしいですか?」
「コーヒー飲みたかった~!」
「私も昔、家の畑でイチゴ育てたよ。食べきれなくて近所に配ったもんだ」
「しばらくぶりに外の空気を吸った。ああ、うんまいなあ」と涙をこぼす方がいたり、お孫さんと一緒にいちごを味わったり、思い思いに過ごしました。
患者さんをお連れする職員も、そんな姿を見てほっこりしていました。
こんなふうに雑談する時間が大切だな~と思います。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
来年はイチゴ狩りをしてから引っ越しだ!

イチゴcafe開店

毎日目まぐるしいお天気の札幌です。
6月第2週目頃から、今年植えたイチゴが次々赤くなりだしました。
今年は入院患者さんたちにいちご狩りと外でCaféを楽しんでいただこうと計画しました。

折しもコロナウイルスの影響で、ご家族との面会もままならない状況でしたが、いちご狩りに合わせてもし来られるなら、外の新鮮な空気を吸ってお会いしていただこうという連絡もしました。

入院患者さんにとって、ご家族の面会はなによりの喜びです。
体に触れ、ただそばにいる、ということの大切さ。
ご面会の場面は、愛が行き交って私たちもつい目頭が熱くなることがあります。

コロナウイルスの厄介なところは、人と人とのこうしたふれあいや寄り添うことの分断です。
私たち医療者も一番大事にしているところですから、面会禁止の説明は受け持ち看護師も苦悩するところです。

当日天気予報は曇りのち雨。
最近の天気予報は精度が高いですからね、雨が降り出す時間より前にボランティアさんが来て、テーブルセッティング。落としたコーヒーは肌寒い空気にぴったりです。
病棟のラジカセで音楽を鳴らして屋外イチゴCaféの開店準備が整いました。

畑のイチゴはなかなかいい出来です。
大きく・赤く・採れたてのイチゴの香りがとてもいい。
水でしゃばしゃばっと洗ってパクっと口に入れ「甘い!おいしい!」と言っていただけるとほっとしました。

折り紙で作ったイチゴ形のポケットにチョコとキャンディを詰めて、ボランティアさん手作りの押し花コースターを選んでいただいて、いろいろお土産もお持ち帰りいただきました。
来られなかったご家族のために写真も撮りましたから、あとでゆっくり見ていただきましょう。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
医療にはこういう時間が大事だな。

コーシーの日

毎年春に、ボランティアさんの感謝の集いというのを開いているのですが、今年はコロナウイルスの影響で中止になりました。
感謝の集いというのは、日ごろ患者さんや病院のために立ち働いてくださるボランティアさんに、感謝の気持ちをお返ししよう、ということで病院幹部や師長さんと一年を振り返りお茶とケーキでする懇談会のことです。
昨年は会場も狭い場所しか取れず、今見ると超3密!と気を揉むような景色です 笑。

今年はそれに代わる何かができないかな~とホスピス師長とボランティアコーディネーター鈴木さんと一緒に考えました。
そしてボランティア活動の写真をアルバムのように作成し、病院の職員からのメッセージを添えて送ってはどうか、ということで決まりました。
日々撮りためている日常風景の写真がこういう時に役に立ちます。

現在のボランティア活動は、患者さんに直接交わらないことだけ細々と継続しています。
その中でも手作りマスクの製作は多くの方に喜んでいただきました。
最初はボランティアさんたち自身のために作り始めたマスクでしたが、患者さんの中には外に買いに行くことができない方もたくさんいらっしゃったので、材料費実費で手売りしてとても喜ばれました。それがボランティアさんには励みになり、さらに改良版が次々と作られていきました。
最新は東京都知事の「百合子マスク」経産省大臣の「西村マスク」というものです。

それから連休中の5月4日。
ふと思いついて「コーシーの日」と勝手に名付けた日の午後3時。
ボランティアさんたちがそれぞれのご自宅で、一緒にコーヒーを飲んで気持ちを一つにしましょうと呼び掛け、初めてのzoom会を開催しました。
2,3名集まれるかしら・・・と思っていたら、なんと職員も合わせて13名!
zoomの接続をご家族に手伝っていただき「リモート飲み会にあこがれていました」という方もいて、可能性の広がりを感じました。
音楽療法士の先生も参加し、ピアノをその場で弾いて合唱したりして楽しい時間を過ごしました。
ZoomはできないけれどLINEから、同じ時間コーヒーを準備しましたよ、という写真が届いたり、わざわざお葉書を送ってくださった方もいて、温かい気持ちの溢れる日となりました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
新たな可能性の発見。

軒花の桜

札幌で桜を見るのはだいたい5月の連休頃。
ホスピスでは病院から車で2キロほどの「平岡樹芸センター」というところへ毎年出かけ、お花見をしていました。
患者さんとご家族を病院車で送迎し、職員とボランティア総勢40人くらいの一大イベントです。
送迎プランからおやつの手配までなかなか楽しい行事でして、私も1同乗者として付き添うのを楽しみにしていました。

残念ながら今年はコロナウイルスの影響で中止となりました。
何かそれに代わるものはできないかな~と頭をひねったボランティア・コーディネーターの鈴木さんです。
4月25日、ホスピスの廊下に桜のアーケードができました。
竹ひごに桜の花をひとつひとつ手作りでくっつけて、それを間接照明の壁板に画びょうで固定してあります。
10mほどの廊下を通してみるとまるで桜の並木道です。

患者さんやご家族が「うわ~」と言って写真を撮っていらっしゃいました。

これ「軒花(のきばな)」と言うんですって。
お祭りの時期に軒花を商店街や民家の軒先に飾って、お神輿の通り道として目印にしたそうなんです。それをヒントに作ってくれました。

よろずの神々の通り道と考えるのは大げさでしょうか。
すべての人に温かい心が降り注ぐ、そんな並木道です。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
人を想い、喜びをもたらすボランティアさんの働きに心から感謝です。

わくわくの春・もぐもぐの夏と秋・ゆらゆらの冬

今年に入って何度かのドカ雪に見舞われましたが、ようやく春の匂いがしてきましたね。
来年移転を予定している当院。
「この病院では最後の・・」というのが、今年のイベントの枕詞になりそうです。

今年もボランティアさんの力をお借りして、花壇の手入れから種や苗の植え付けを4月の終わりから5月にかけて行います。
「あ・ぐり~んプロジェクト」も今年4回目。
すっかり当院の恒例行事になりました。
イチゴにミニトマト、ジャガイモに枝豆。
昨年も初夏においしいイチゴを摘み、秋にはホクホクのじゃがバターを味わいました。
今年もみんなで楽しく作って収穫しようと思っています。

冬には、アイスキャンドル・ナイトを計画しています。
ただ、ろうそくの火の揺らめきをみんなで見るだけ。
そんな夜の過ごし方があってもいいですよね。
火を見るって落ち着きますし。
あ、音楽もあるといいな。
いや、ワインもあるといいかな。ココアもいいな。とかとか。
妄想が広がっていきます。

そしてこういう活動を手伝ってくださる、ボランティアの方を今年も募集してます。
新病院では、院内のあちこちにボランティアさんがいてくれる。
そこここで温かい笑顔のやり取りが見える。
そんな風な夢を持っています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
キャンドル作ることを考えただけでワクワクする~

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