札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ
ワクチン
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
11月も早半ばになりました。時の経つのは早いですね。
連休の土曜日に、外来でコロナワクチンの大規模接種を行いました。
小さな病院ですが、ワクチン接種のために約400人近くのかたからご予約いただきましたので、外来師長も腕まくりして、当日のオペレーションを考えていました。
当日の朝、私でも少しは役に立てるかと思い、ワクチンを注射器に詰める作業を手伝いました。
「詰め方は〇〇さんが指導しますので、よく聞いてください」
パートのベテランナースが来て、注意点を説明しながら見本を示してくれました。かっこいいなあ。私を含めて8人の看護師がそれを見て作業を始めました。1本の小さなバイアル(ガラス瓶)から0.3mlずつ静かに吸い上げる作業。こういうの、大好きです。みなさん微妙なお年頃なので、0.3のメモリに目を凝らしながら、6本ずつ詰めていきます。いやあ、楽しい楽しい。詰め終わるとダブルチェックしてもらって、完了。その間にも受け付けは始まり、診察・注射・観察が粛々と行われていました。
外来というところ、看護師が患者さんに接する時間はほんのわずかです。でも患者さんはカレンダーに日時を書いたりして、準備しながらその日を迎えて来ます。
「しばらくでしたね。体調いかがでしたか」とか「お父さんはどうしてますか」など気遣いながら、次回また来る時まで、お大事にねと見送ります。
ポツン、ポツンと外来を訪れる点を結んで一本の線になる。その線がつらいことなく結ばれますように。来るのが難しければ、医師が家まで行きますよ。そんなことを伝えるのも外来の役目です。
その昔外来で師長をやっていた時、ある看護師が「外来に看護はない」と言って辞めていきました。そんなことはない。その瞬間、瞬間にも看護はあるんだと反論したかったけれど、うまく言えなくてあきらめた覚えがあります。
患者さんの診察や検査がスムーズにいくようにサポートすることや、急に具合が悪くなったときには素早く受け入れて対応すること、患者さんの気持ちや感情に配慮すること、病状が正しく理解できるよう手助けすること、そしてできるだけ家で過ごせるようにサポートすること。
ほら、今ならいっぱい言えるんだけどな。
たぶん彼女のしてきたことを「これは立派な看護だよ」と認めることができてなかったのでしょう。
そんな悔しさも思い出した土曜日でした。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
やっぱり現場っていいな!
ジャングルジム
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
雪虫にぶつからないよう、気をつけて歩く毎日です。
今週はいよいよ初雪が降るとやら。
机を整理していたら少し前の「医学界新聞」が出てきました。私はこの薄い新聞(全部で8ページ)の井部俊子さん(株式会社井部看護管理研究所・聖路加国際大学名誉教授)のコラムが大好きです。
「キャリアははしご(ラダー)ではなくジャングルジム」と書いた中にこんな文章がありました。
少し引用しますね。
「はしごには広がりがない。上るか下りるか、とどまるか出ていくかどちらかしかないのである。しかしジャングルジムにはもっと自由な回り道の余地がある。(中略)しばらく仕事を離れてから復帰するときも、さまざまな道を探すことができる。ときに下がったり、迂回したり、行き詰ったりしながら自分なりの道を進んでいけるなら、最終目的地に到達する確率は高まるに違いない。しかもジャングルジムなら、てっぺんにいる人だけでなく、大勢がすてきな眺望を手に入れられる。はしごだと、上の人のお尻しか見られないだろう」(2023年10月23日週刊医学界新聞 第3538号)
この「ジャングルジム」の表現に膝を打ちました。
そうそう、そうなんです。そもそも看護師になる道もいろいろある。たまたま配属された部署で花咲く人もいれば、転職してようやく自分のやりたいことに出会う人もいる。専門性を極めていく人もいれば、結婚や子育てで一旦キャリアを中断される人もいる。100人いたら100通りの人生がある。
止まっていたとしても、上っていた途中の、そこから始めればいい。
はしごじゃないんだよな! ああ腑に落ちた!
回り道をしてきた人に、私は関心があります。
うちの院長もその一人で、サラリーマンをしてから医学部に入りなおし、医師になった人です。回り道をしたことで「普通の人の感覚」を持ち続けているように私は思います。つましい生活の中で必死に暮らす人の、困りごとを放っておけない姿勢は、職員にも影響を与えていると感じます。
もし院長がストレートで医学部に入っていたとしても、けしてエリート風を吹かせるような人ではありません。
ただうまく言えませんが、きっと遠回りすることが必然だった気がします。
なんだか偉そうに聞こえますけど、尊敬しておりますですよ(^^ゞ
今何かの理由でジャングルジムの途中に座り込んでる人も、今そこから見える眺めを味わってほしい。そしてゆっくり見渡してほしい。
あなたを思い、支えてくれている人がいることを。
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かつての自分へ。
緩和ケアナースを目指している方へ
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
街はすっかり紅葉し、雪虫も到来。自転車通勤できるのもあとどれくらいだろうなと思うと寂しくなります。
さて今日はいたって大真面目、そもそも緩和ケア看護師の役割ややりがいについてこれまで私、ここに書いてこなかったな~ということにいまさらながら気づいてですね。
将来緩和ケアを目指そうかなという方にも届くように書いてみます。
緩和ケア看護師の役割というのは、患者さんの苦痛な症状を緩和し、ご家族も含めたケアをすることです。一般病棟ではがんに対して「治るために闘う」治療を行います。しかし緩和ケア病棟では治療よりも「つらさ」にフォーカスして、できるだけその人らしく日常生活を送りながら最期まで支えることを目的としています。それには医師・看護師・ソーシャルワーカー・その他の職種と協働しながら進めていきます。身体のつらさは薬剤を使ったり、体に触れたり、お話を聴くことで和らぐことにつながります。ですので、一般病棟のように治療に向かってテキパキと働くというよりは、優しい笑顔で忙しさを感じさせないような雰囲気の人が求められます。また辛さをうまく表現できない方もいらっしゃるので、観察によって微細な変化をキャッチするようなアンテナが養われます。容態の変化をキャッチしながら、ご家族とのデリケートな意思疎通も必要なので、コミュニケーションスキルは特に大事です。不安と悲嘆(グリーフ)に揺れ動く心を理解し、できるだけご希望に添えるようにサポートすることが私たちの役目です。
緩和ケア病棟では患者さんの負担になるような検査や処置は極力行いません。一方で苦痛を取るための処置は「積極的緩和医療」といって、おこないます。専門的な学習はここでも欠かせません。
緩和ケア病棟のやりがいは、患者さんが尊厳ある生を精一杯生ききり、ご家族へも寄り添うことによって、心のこもったお気持ちを示されたときに感じられます。またその患者さんの人生そのものから学べることも、一人の人間として成長できるところです。そのような関係性が結べたときに、医療者と患者・家族というよりは、人間対人間の関係性となり、忘れがたいご縁になることもしばしばあります。
緩和ケアはこのようにやりがいのある職場であると同時に、ストレスの大きい場所でもあります。
一般病棟に比べると患者さんの旅立ちに接することが多いですし、患者さんやご家族の不安や悲しみ、時には行き場のない憤りに直面することもあるため、心理的な消耗が強く感じられる場でもあります。そのようなときは仲間同士で支えあったり、運動や気分転換など、自分を大切にし心身を癒す対処法を持っておくことがとても大切です。
当院では現在緩和ケア病棟で勤務する看護師さんを募集中です。
病院説明会は11/11(土)と12/16(土)いずれも10:00~
お申し込みはこちらからおはいりください。
https://sapporominami.com/nurse/careers/
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看護師というのは人の「ドラマ」をみせていただく、いい仕事なんです。
応援
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
行事予定がぎゅぎゅっと詰まっていた数週間がようやく終わり、久しぶりの2連休でした。
市街は紅葉と落葉が進み、顔に当たる風はどんどん冷たくなってきました。冬が近いですね。
先日朝礼の1分間スピーチで、山登りについて語った職員がいました。
「日本百名山をこれから目指すという夢を持つことにしました。そうしたら日常のいろいろなことが、山登りのためのトレーニングや準備につながっていると感じました。まずは北海道内の山を来年3つ登ります。そのあと何歳まで登れるかわかりませんが、本州の山を踏破します」ざっくりですが、こんな内容でした。
それを聞いてなんとも清々しい気持ちになったのは、私だけではないだろうと思います。
「これ、大好きなんだ」と語れる人、そして実行できる人は幸せだなと思いますし、応援したくなります。
それからまた別な日。
敷地内にある「地域緩和ケアセンターruyka」で、壮行会が行われました。
当院で週に一度piano timeに来て演奏してくださっていた、村上明子さんがこれから国際協力に出かけられるのです。仲間から激励されたあとに、村上さんはこれまでの経緯と決意を静かに語りました。
「いつかやろうと思っていたけど、そのうち、ではなくて今がそのタイミングなんだ」と一歩前に足を踏み出しました。若さと情熱が全身を包み込んで、まぶしく感じられたのは私が年を取ったからでしょうか。
誰かを応援するというのは、パワーをその人に向けて送っているようでいて、実はその人からパワーをもらっているのですよね。
村上さんのお話は前野先生のブログに詳しく書かれていますので、よろしければお読みになってください。↓
https://hospice-kokoro.com/2023/07/04/%e5%89%8d%e9%87%8e%e5%ae%8f%e3%81%aemind-and-heart%e3%80%80%e7%ac%ac2%e5%9b%9e/
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お土産話、待っています♪
新しい風
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
あんなに暑かった夏はどこへやら、ちゃんと秋はやってきて、イチョウが黄色く色づいてきました。
先月の終わり、北海道新聞の生活欄にボランティア募集のお知らせを掲載していただきました。
すると電話での問い合わせが10件弱ありました。すごいですね、新聞掲載の効果。
数名集まったら説明会を開こうと、のんきな考えでおりましたが、コーディネーターの鈴木さんと話しあい「来週やろう!」ということに。
外部に向けて募集を謳ったのは最後2019年のこと。あれからコロナがあって、引っ越しがあって、ボランティアさんの活動も最近ようやく、ようやく広がってきたところ。
コーディネーター鈴木さんとよく話しているのは、今は決まった曜日に来ていただいてるけれど、いずれは曜日や時間に関係なく院内のあちらこちらにボランティアさんがいる、そんな姿です。
究極は、ですね~。
長い夜の時間に、ほら今みたいに秋の月のきれいな夜に、ちょっとだれかと話したいなというような時、デイルームの電気を消して月明かりを見ながら雑談をする、とか。
いい香りのするハーブティーなんか飲みながら、ね。
あ、これは単に今の私の願望ですね 笑。
さてさて、ボランティア説明会には6名の方がいらしてくださいまして、なんとなんと全員が加入!うれしいですね~。ありがたいです~。
そんなわけでボランティアグループせらは、この秋パワーアップする予定です。
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病院ボランティアは社会の風なんですよね。
緩和ケアセミナーin sapporo 2023
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
急に寒くなってきましたね。毎朝夏服の上にテキトーな上着をひっかけて出勤しています。
さて10/7(土)、法人グループの中で第4回目となる「緩和ケアセミナー」を開催しました。
今回は当院がホスト病院です。札幌市中央区の「道民活動センター かでる2・7」をお借りして終日熱い一日となりました。
コロナ禍で3年間できなかったので、しばらくぶりの対面式に緊張しましたが、蓋をあけてみたら実に和やかな会合となりました。
グループには全国に75の病院があり、その中に緩和ケア病棟を持つところが8病院、緩和ケアチームのあるところ、ないところもまだまだありますが、その中から約100名の方が集まってくださいました。
各施設の現状や、コロナ禍で緩和ケアをどのように行っていたかなどを発表し、後半は職種別の分科会を行いました。やはり面会の問題にはみんな頭を悩ませており、感染状況とのバランスに今も苦しい思いをしているところがありました。
思うように実習ができない学生時代を過ごした若手のナースは、基礎研修が中断されコロナ病棟の仕事を任せられてよくわからないままやってきたが、仲間と支え・励ましあって今日までやってこれた、と話してくれました。それを受けて「やっぱり一人でやっているわけじゃない、みんなに支えられているんだよね」と別の病院の主任さんが言いました。
会場の後ろには「ご当地みやげコーナー」を設けて、各病院から有志の方が持って来て下さったスイーツを並べました。北海道から沖縄まで、珍しい~有名なおやつがたくさんでテンションが上がりました。
当院看護部からも2人の師長が発表をしました。教育師長の梶原さんは緩和ケアを学ぶ看護師への教育体制について、当院で行われているELNEC-Jをグループ内で広めていってはどうかという提案をしました。もう一人棟方師長は認知症対応カンフォータブル・ケアを実践し続けることは、認知症緩和ケアと同義語じゃないかと気づいた、という内容の発表をしました。
発表後にはそれぞれ反響がありました。緩和ケア認定看護師さんが一人のところから、ELNECーJの講師を何人かで分担して、東・西日本でやれるのではないか、とか講師を派遣してほしいとか。
またあるドクターが棟方師長のところへやってきて「今日あなたの発表を聞いたのが一番の収穫でした。感動しました」と言っていただきました。
そのほか、何年も前に当院の緩和ケアを学びに来たナースが、今は緩和ケア病棟のある病院に転勤し、中心スタッフとして働いていると報告してくれたり、いままでポツンポツンとやってきたことが線でつながり面になりつつあることを実感しました。
なんともいえない、幸福感に包まれ会を後にしました。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
収穫の秋、て感じです。
転職をお考えの看護師さんへ
緩和ケア病棟見学会のお知らせ
札幌南徳洲会病院では、緩和ケア病棟で勤務する看護師さんを募集中です。
緩和ケア病棟の見学会を開催しますので、ぜひいらしてください。
日時:R5年10月14日(土)・11月11日(土)・12月16日(土)いずれも10:00~12:00
お問い合わせ・お申し込みは こちらから(←クリック)
伝えると伝わるの間
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
コロナでストップしていた集合研修が、あちこちで再開されるようになりました。
私も、法人内の師長研修で講義を受け持つことになり、春から決まっていたことなのに、やっぱりぎりぎりにならないと準備をしないという性分。困ったものです。一方で、自分が研修を受けているときには、講師あるいは講義について「どう伝えているか」「なにか盗めるものはないか」という視点で見ています。
そんな中で感じたのは、「伝える」というのは技術以上に人間力だなと痛感しました。
知識はもちろん、それに基づいた経験、そこに「伝えたい」という熱量が加わって、「体を通ったことば」になるのだと思います。
尊敬している石垣靖子先生の講義は、ささやくような語り口で、概念と事例との間を行ったり来たりします。うっかり聞き逃さないように、耳をそばだてて、ついつい前のめりになります。語られる事例の細やかさはひとつの物語のようで、プロの朗読を聞いたような心持になります。
もう一人、勝原裕美子先生は概念と事例の間を俯瞰したり、接近したりを繰り返します。そこでは参加者と対話しながらコーチングを行うので、参加者は自分自身の中にある答えに気づきます。まるで魔法にかかったようになります。そこにいるだけで、何かを体得したように感じて帰ることができるのです。
おふたりのことばは、もちろん「よいことば」を選んでいるだけでなく、日ごろから他者に対する敬意をもって接していることが伝わります。それが言葉のニュアンスとか温かみというベールをまとって、相手に渡される感じがするのです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
いつも丁寧に。
ホームグラウンド
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は朝晩の気温が下がってきて、ようやく秋らしくなってきました。
病院の西側に、在宅緩和ケアのクリニックと訪問看護ステーションがあり、日ごろから連携しています。在宅の患者さんが入院されることもありますし、入院していた患者さんが家に帰られて訪問診療や看護と繋がる場合もあります。
家に帰られた患者さんはいったいどんな風に過ごしているのだろう。
百聞は一見にしかず、ということで病院ナースは訪問看護ステーションへ見学に。月に2人ほど、ぽつりぽつりと行っています。
在宅医療というのは、患者さんやご家族の「入っていいですよ」と許可が得られなければ成立しない世界です。その方、そのご家族の歴史や文化に足を踏み入れるのですから、こちらもそれなりの覚悟や礼儀作法が必要です。
今年もこの研修を始めて、看護師たちのフレッシュな気づきがレポートに書かれたので、少しご紹介したいと思います。(表現は少し変えています)
―こんなに笑って話す患者さん、こんなに明るく面白いご家族であることに、入院中は気づきませんでした。入院中に私たちが見る姿は断片的だと感じました。
―入院中は自分の勤務時間の中で症状や状況に応じたケアを実施しますが、在宅では今訪問中のこの時間内に、これ以降に起こりうることも含めてアセスメントし、決定していかなければなりません。それは症状から環境・家族の介護力まで非常に幅広い範囲です。看護師の力を感じました。
こんな風に、患者さんやご家族、そして訪問看護師についての見方が変わりました。
―これまでも患者さんやご家族の想いを大切に関わってきたつもりでした。しかし在宅を希望される患者さんの姿を、本当の意味で想像できていなかったこと、それを患者さんやご家族に合ったやり方で、聴いたり伝えたりすることはできていなかったと感じました。
―これからは患者さんやご家族の想いを確認し、尊重するケアをしたいです。退院前カンファレンスに向かう心持がかなり変わりました。
価値ある研修になったのは、訪問看護スタッフのチカラによるもの、そして行った本人の感性、何より受け入れて下さった患者さんとご家族のおかげです。 ありがとうございました。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
家がいいんだよね、やっぱり。
祭り太鼓と認知症ケア
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
秋という季節が好きなのですが、今年は長く楽しめるといいですね。
さて9月の半ばに2F病棟で開いた「ギリギリ夏祭り」←ネーミングいいですね。
ようやく人が集まる催しを盛大にやることとなりました。
写真の多くはインスタグラムにも掲載されておりますので、そちらもご覧くださいね。
天井には「祭」の文字が並び、わたあめやかき氷といった縁日や、「シャーク釣り」にくじ引きなどもあって、準備も楽しそう!
一か月前から準備を始めたお神輿。これは介護福祉士のSさんの考案でした。最後はボランティアさんにも手伝ってもらって仕上げました。神輿の下の方に「お賽銭」の箱も付けたら、本当にお金を入れてくださる患者さんがいらしたり、いつまでもお神輿を拝んでくれたり。最後は車いすに座っている患者さんたちが、わっしょいわっしょいと担いでくれて、大盛り上がりでした。
そして今回、ボランティアのFさんから太鼓を寄贈いただきました。なんでもご主人のご実家に数十年前からあった歴史ある太鼓で、地元のお祭りで活躍していたのだそうです。今はもうお祭り自体がなくなってしまって、家の飾りになっていたようです。
せっかくだから使ってくださいとのお申し出、ありがたくいただくことになりました。
当日張り切っていたのは2Fのスタッフだけではなく、院長でした。
華麗なばちさばきで太鼓を叩き、病棟中いや、外来にまでその音を響かせました。
その音を聞いて涙したYさん。子供のころを思い出したのだそうです。
子供のころのお祭って特別でしたよね。
こうした行事や音楽によって昔のことを思い出すのは、回想法と言って認知症の進行を遅らせるのに役立ちます。その人だけが持っている記憶の入り口にスイッチして、当時の映像が蘇るのです。
今年入職した介護福祉士さんに「びっくりしたでしょう?病棟でお祭りするなんて」と声をかけたら「私、来年もっといろんなこと提案してみようと思います」と笑顔で言いました。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
まだまだ、引き出したくさんありそうな、そんな予感。