自己紹介
弔いのカタチ
コロナ禍の前後で、かなり変わったなと思うのは、葬儀のあり方です。
以前は一般葬と家族葬に大きく別れていましたが、コロナの間に家族葬が増えて、「直葬」とかお通夜のない「一日葬」という形も出てきました。
私はわりと子供のころから、死やそれにまつわる葬儀というものに関心がありました。
先日ある方のお父様が亡くなられました。仮にAさんとしましょうか。
Aさんのお父様はご自宅で闘病生活を送っておられました。
Aさんはお父様に万一のことがあれば、できうる限り自宅で看取りたいと考えていましたが、病状が急に変化したため救急車で病院に運ばれて、治療のかいなく数日後に亡くなられました。
お父様は引退してずいぶん経つので、自宅で家族葬をしようということになりました。
「家族葬」というと、家族だけで行うので、外の人は行かないのが流儀ですが、ここは図々しくお花を届けに行く私でした。
ご家族で湯灌を行い、愛着のある仕事着を身につけ、家族みんなで思い出を語り合いながらお体を整えたそうです。
お父様のそばに家族が集まり、時に泣き、笑い、お経を上げて、2日目に荼毘に付されました。
いわゆる一般的な葬儀の儀式によらず、家族がゆっくりとお父様の死を受け止めて、旅立ちの準備を整えていく様が、私には少々うらやましくも感じたのでした。
「葬儀というのは、生きている人のためにあるのだよ」と昔目上の人に教わりました。
「大切な人を亡くして悲しみにくれる人を慰める」のが目的でした。
弔いの形は人それぞれです。私はお父様のそばにあるお座布団で添い寝するワンちゃんを見て、そのゆっくりと流れる時間の中でお父様を悼む気持ちを一緒に感じました。そしてせかされずに自宅で弔う葬儀のあり方が、とてもいいなあと感じたのでした。
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たまに考えておいたらいいよね。
最高のパフォーマンス
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
週末リコーダーアンサンブルの演奏会を聞きに行ってきました。クラシックから最近のJ-POPまでの十数曲が演奏されました。私も少し音楽演奏をかじったことがあるので、個人練習と合奏を思い浮かべ、これは相当な練習をしたんだろうなと感じました。本番に向けて音を合わせていく仕上げの楽しさや、当日のドキドキする気持ちを思い出しました。
さてさてパリオリンピック。
ニュースでダイジェストを見るだけですが、当たり前ですけどほんの一握りの人しか出られないものです。試合の当日に、仕上がりの最高点になるよう合わせていると思います。その日に最高のパフォーマンスができるように、そして自然体でできるように、様々な思いをもって当日を迎えているんだろうなと思います。
開会式のセリーヌ・ディオンの「愛の賛歌」。
優雅で力強い歌に目がくぎ付けになりました。あれ、この方、確か難病にかかっていたのでは?
ネットで探すといろんな情報が出てきました。Amazonプライムでドキュメンタリー映画が見れるということがわかり、深夜に見ました。
それを見てからもう一度開会式の映像を見ると胸がいっぱいになります。
開会式の当日に最高の状態でパフォーマンスをすることは簡単ではないとわかります。
1曲にこめた思い、執念を感じました。
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頑張っている人を応援したくなる。
スマホがないっ!
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
先日友人達とドライブに行ってきました。
目的地に着いて、車を降りてしばらくした時に、自分のスマホが見当たらなくなり、慌てました。車に戻って探すと、シートの脇に落ちていたので、すぐ見つかってホッとしました。
写真やスケジュール、連絡先。忘れないように記録したメモなどなど。
ほんの数分とは言え、今やスマホがないと、あらゆることができなくなる。
一瞬でしたが、いろんなことが脳内を
巡り、プチ恐怖を味わいました。
スマホって、ちょっと検索したことやLINEを読まれていたんじゃないかと思う位、その時関心のあるものが広告でどんどん入ってきます。
どうして私の好きなものがわかるんだろう、と気味が悪いと思うこともあります。
でも、一方でこんな妄想もしています。
病気や事故で自分の意思が伝えられない状態になったとき。
「工藤昭子が終末期医療について語っていた言葉を探して」とスマホに向かって尋ねる。
そうすると「0年0月0日に〇〇さんとの会話で、”私が自分の意思を伝えられない状態になったら、延命治療は一切しないでね” と語っています」と探し出してくれたら、それはその人の意思決定になるだろうと思います。
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スマホはもはや体の一部ですね。
ケアされた週末
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
連休は小旅行をしてきました。
以前一緒に働いた仲間たちと。
時間が経ってもあの頃の関係性のままで、おしゃべりが尽きませんでした。
何か役に立ちたくて出かけたのに、それぞれの物語を聞かせてもらい、感心したり気づいたり、確実に年を取ったと自覚したりで。
結果、ケアされたのは私の方。
いや、それぞれみんながお互いに癒されていたと思う。
余韻を楽しみつつ、今週もゴキゲンで仕事しようと思います。
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今週は短いっ
PERFECT DAYSと小確幸
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
季節の変わり目ですが、みなさまお体の調子はいかがでしょうか。
札幌はまだ寒い日もありますが、確実に春に近づいているなと思います。
最近、調べものをしていて私のブログに行きついたとお声をかけていただいたり、ずいぶん前にお世話になった方からお電話をいただいたり、ということが続いています。駄文も時には役に立つのだなとうれしく思いますし、「工藤さん、まだ働いてたのね!」という生存確認にも(笑)一役かっているようです。
さてさて年度末で仕事が山積みですが、そういう時こそ意図的に頭を空っぽにする必要がありまして、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。
ネットでは賛否両論ありますね。きれいなトイレばかり掃除しているとか、汚物が映らないのは不自然だとか・・私は役所広司さんが好きなので、そういうツッコミは気にせず観てきました。
周りはシニア世代の人ばかり(あ、自分もか)です。テレビをつけると、戦争や独裁者や腐敗した政治家の顔ばかり、だからきっとこういう話を欲しているのかも知れません。つつましい暮らしの中で本を読み、いい音楽に親しみ、銭湯で足をのばす。
人生における小さいが確固とした幸せの一つを小確幸と言ったのは村上春樹さん(「ランゲルハンス島の午後」)だそうです。「小確幸」しょうかっこう、と読みます。私はドラマの「昨日何食べた?」が大好きなのですけど、これも小確幸のヨロコビを丹念に描いています。
変わりない生活のようだけれど、一日一日はそれぞれ違っていて、ルーティン通りにはいかない。そんな日々の中でにこっと笑える瞬間をどれだけキャッチできるかな。小確幸が身の回りにあると気づくことが、PERFECT DAYS(複数形)なのでしょうね。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
物欲にまみれたバブル時代も、国の勢いだったんだろうね。
手紙
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は雪まつりシーズンでたくさんの観光客でにぎわっています。
久しぶりですね。
前略 匿名希望さま
先日はお手紙ありがとうございました。
そしてパイン飴、ごちそうさまでした。仲間で美味しくいただいています。
他にもプレゼントをありがとうございました。
私の駄文を毎週楽しみにしてくださっているなんて、とても光栄です。
私がブログを始めたのは、ふたつ理由がありまして。
ひとつにはこの病院の中のことを外の人に知ってもらいたいと思ったこと、それともう一つはお金をかけずに看護師を集めたいという下心があったからです。
2016年の11月からなので、はや7年を過ぎました。途中、コロナのクラスターに初めて遭遇したときは、どう進むべきか暗中模索の毎日で、とても書く気持ちになれず、しばらくお休みをしました。
そのときも匿名希望さまから励ましをいただきましたね。あのころは心がすさんでいたのでずいぶん力をいただきました。ありがとうございました。
毎週こうして書けるのは、日々患者さんと笑ったり泣いたり、いろんなドラマがあるからです。この病院には一生懸命で心優しいスタッフが、たくさんいます。彼らが日々頑張ってくれているから、そのことをなんとかして伝えたい。これは、看護部長としては大変幸せなことだと思っています。
でも、本当にお伝えしたいことは、実は書けないものです。患者さんとご家族の生きることと、それを支えるスタッフの真の姿は、胸に迫り、人として教えられることばかりです。私の書くことなんぞ周辺のことばかり。
ですから「北海道から遠く離れたところにいても、ビタミンブログに救われ、励まされています」というおことば、ありがたくもったいないくらいです。私の方こそ、匿名希望さんからのお手紙を手帳にはさんで、時々読み返してはニマニマしようと思います。
今日もこのブログに来て下さりありがとうございます。
匿名希望さんもどうぞお体お大事に。暖かい春がもうすぐですね。
草々
一流の講義 その二
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
前回に続き、井部俊子さんの講義について。
テーマが「最善を尽くせ、しかも一流であれ」。
日本の医療のトップランナーたる大学、病院で管理者をしてこられた井部先生。
どんな講義をされるんだろうと興味深々です。
私が思うよい講義とは、伝わる講義です。
優れた講義というのは理論と経験とが行ったり来たりしながら「語られる」、そしてそれが受け手の経験や感情に触れて、腑に落ちる感覚になるのが、伝わる講義だと思います。
井部先生の講義もエピソードが詰まっていて、しかも易しい言葉で語られるんですよね。
「一流のマネジメント」のひとつ、外注先との付き合い方について、ご紹介しますと。
三流のマネジャーは外注先を「業者」と呼び、二流のマネジャーは「うまく付き合おう」と考える。
さて一流はどうかというと「チームのメンバーと考えて付き合おうとする」。
私達病院というのは、様々な人に支えられています。医療専門職や事務、コメディカル職員たちは病院職員ですが、それ以外にお掃除や給食、患者さんの送迎や保育園など委託会社のおかげで病院が成立しています。
師長の中には、お掃除の方の名前をきちんと憶えてる人もいます。コロナのクラスターが起きたときは看護師が掃除しなければならず、普段いかにお世話になっていたか、身に沁みました。
その師長は当たり前のように「チームの一員ですから」と言ってくれるので、いまさらながら、頭が下がります。私は全員の名前は覚えてないなあ~と反省しました。
井部先生は「看護学校の教員も、病院と対等な立場でいてほしい。学校は優れた学生を育てるためにあり、病院はそこから育った看護師を雇うのだ、だから「学生さん」とか「新人さん」などのように十把一絡げに呼ぶことは相手を軽視していることになる」ともおっしゃいました。ああ~気をつけなくちゃ。
このような感じで講義が続いていき、最後は受講生とのディスカッションです。
講義のうまい人はディスカッションも巧みです。何を聴かれても当意即妙、ポンポンと質問を返されたりして受講生の考えを引き出すのでした。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
知るも楽しい。学ぶも楽しい。
祝福
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
まだまだ暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
自分事で恐縮ですが、先日師長さんたちが私の誕生日をサプライズで祝ってくれました。
まったくそんな気配をみじんも感じさせずに準備をしてくれて、さすが名女優たちです。
しかも予定していた日に、私の急な出張が入ったため、結構大慌てで調整したのだとか・・。
そのあと、保育園の園児と保育士さんたちからもプレゼントをいただきました。
忙しい仕事の合間に、本当にありがとうございました!
誰かを喜ばせる、しかもびっくりさせる形で。
これってチームをひとつにするんですよね。
楽しい企てを共有し、巻き込み巻き込まれてXデイまで準備する。
最後は「あの人喜んでくれるかな。どんな顔するかな」だけを楽しみにして。
今回祝福を受ける側になってみるとですね、まあ照れくさい、照れくさい。
でもみんながこそこそ準備してくれたんだ~って思っただけで、何か体の内側からパワーが湧いてくるような気持ちがしました。
「よおし、なんだか力が湧いてきた!」みたいな。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからもゴキゲンで働きます。
喫茶店のナポリタン
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今年の札幌は桜を眺める時間が長かったな~と思いました。
ゴールデン・ウィークが終わりほっとしています。
実は連休、というのがちょっと苦手です。
働きだしてからというもの、大晦日やお盆は率先して働きたいと思っていて、「遊ぶ」のが上手ではありません。
子育て中も取り立てて休もうとは思わなかったので、いまさらながら子供たちには申し訳なかったかも・・・と思っています。
管理者になった今も、連休は居心地が悪く感じます。
いかんですね、これでは。
病院というところは24時間365日稼働してますので、誰かが休み、誰かが働くのが当たり前。
職員が患者さんを守ってくれるから、自分は休めるんだなと思います。
何事もなく過ぎた連休に、心から感謝です。
先日お墓参りに行った帰りに、昭和レトロな喫茶店に入りました。
ガラスと木蓋の砂糖壺、深紅のビロードの椅子、クリームソーダ・・・。なつかしい。
今年創業50周年になるというそのお店、優しそうなご夫婦二人で営まれています。
頼んだナポリタンがとてもやさしいお味でした。
わたし、カフェをやってみたいなあと妄想することがよくあるんです。
飽きっぽいので続かないだろうなあとも思います。
どんな仕事もそうですが、ひとつの仕事を50年も続けられるってスゴイことで、尊敬します。
きっと山あり谷あり、いろいろあったと思いますが、お客さんの「おいしかった」ということばに突き動かされて続けてこられたんじゃないかな、と想像しています。
看護師の仕事も、毎日同じようでいて同じ日はまったくないです。
患者さんの病の体験もひとつとして同じものはなくて。
少し症状が治まってきたかな、と思える日もあれば急に具合が悪くなる日もあり。
少しでも心地よく過ごせるように、傍らにいられたらと思います。
私たちも「ありがとう」ということばで突き動かされるのです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
新しい一週間の始まりだ!
コーヒーと看護
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
特別コーヒー通というわけではありませんが、カフェ巡りが大好きです。
先日、札幌から2時間くらいのところにある、知り合いのコーヒー店に行ってきました。
車を降りた途端鼻腔を刺激する香ばしい香り!お店に入ると20種類くらいの豆の入った木箱が並んでいます。その生豆を丁寧により分けて、その場でお好みに焙煎してくれるコーヒー屋さんです。木の温もりいっぱいの店内は、一瞬で居心地がいいとわかります。お店の方に温かく迎えられて、窓側の席に座りました。
どんなコーヒーが好きか聞かれて、酸味の少ない、濃いめのコーヒーが好きと答えました。
豆によって酸味や苦みは限定されるのかと思っていたのですが、どうやらそうではないらしい。豆の種類ももちろん関係するけれど、浅く炒るか、深く炒るかによっても味わいが変わるのだそうです。さらにコーヒーの淹れ方もいろいろあるから、自分がベストだと思うコーヒーを探しあてるには相当な数を飲まないと・・っていうことですね。
まだまだ出会ってないコーヒーがいっぱいあるわけですね。奥が深いです、コーヒー道。
私の頭の中には豆の種類と浅炒り・中炒り・深炒りのエクセルの表が思い浮かんでしまいました(笑)。これこれの豆でこのような味に提供できますよ、という風におススメするのかとおもいきや、「いえいえ違います。お客さんがどんなコーヒーをお好きなのか、まずはその方の好みをお聞きします。それに合ったコーヒーを淹れるんです。」
「あ、そっか。逆ですね」
「看護と一緒ですね」とママさんは笑います。
あちゃあ~、まいりました。コーヒーを飲みに来て新たな視点を教えていただきました。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
ガトーショコラがまた美味しくて。