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認知症

看護補助者の「初!」べスプラ研修

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
まあ、毎回同じようなことを書いておりますが、先週道内のグループ病院から看護補助者の方が研修に来られました。

看護補助者のベストプラクティス研修は、今年度始まったもので、お互いに初めて同士です。
今回も2F障がい者病棟に、お願いしました。
特別なプログラムはありませんが、認知症看護認定看護師の副主任が中心となり、カンフォータブル・ケアの活動を一緒にやっていただくことで、何か受け取ってもらえるのじゃないか、ということになりました。

初日はピアノタイムとそのあとのレクレーションをご一緒に。
翌日はカンフォータブル・ケアの講義を聴いてもらい、入浴介助や食事介助などを一緒に動いてもらいました。
お昼は恒例の「ランチョン・ミーティング」。仕出しのお弁当を取り、関わった人達でテーブルを囲みました。夕方は振り返りの時間です。
研修生さんからは「自分がやりたいと思っていたことが、すべてここにはありました」というもったいない言葉をいただきました。
それを受けて当院の補助者さんが、こんな話をしてくれました。
「夜勤に来ると、まず今日の担当は私ですよ、という自己紹介から始まる。食事や排せつのチェックリストを見ながら、今日はお昼にお便が出てないから、夜に出るかも知れないな、と心積もりしながら観察している。私たちの対応ひとつで、夜間のせん妄を防ぎ、安心して眠れるようにと声をかけている」ということでした。

いろんなことを想定しながら、なおかつ自分自身の存在が、患者さんにとって温かく安心できるように、いっぱい考えて仕事をいることがわかりました。
研修生を受けるということは、自分たちのケアや在り方を振り返ることになる。そして実のつまった対話。ここに発見があるなあ。こういうのを聞くとうれしくなっちゃう。
遠くから来て下さってありがとうございました。
一人からでもできるカンフォータブル・ケア。小さく始めましょ。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
種を一粒。

成長を助けるもの

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
食欲の秋です。勉強の秋です。他にも色々、秋ですね。

先日、静岡のグループ病院からベストプラクティス研修生がいらっしゃいました。
今回も認知症カンフォータブルケアを学びに来てくれたのです。うれしいことです。

研修に来てくれた方にいかに良い体験をしてもらうか、迎える側である私たち、の試行錯誤が続いています。
カンフォータブルケアの実際、委員会への出席、ランチョン・ミーティングなどなど。
そして最後に振り返りの会を30分ほど開きます。
私はその振り返りの会、楽しみに参加させてもらっています。研修生の様々な気づきや学びとともに、担当する師長や、認定看護師の言葉にも実はこっそり感動しております。

先日は棟方師長がこんなことを言いました。
「研修生が来ると現場のスタッフは良いところを見てもらいたいと意識するので、普段よりもより良いケアをしています。人が見に来ることで、私たちも育てられているのです」

なるほどほんとにそうですね。カンフォータブルケアは気を抜くとすぐに崩れます。特に敬語が使えなくなる。友達言葉になりやすい。研修生が来ることで、基本に立ち返り、良いところを見てもらいたい、と姿勢をただします。
私たちの行動が誰かの役に立つ。そう信じることで、私たちはまた成長していくのだと思います。
これからも皆さん、どしどしいらしてください 笑。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。見られるって大事だね。

認知症ケアの風景

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は、すっかり秋の季節に切り替わりました。
銀杏が緑から薄緑に変化してきています。これから紅葉がぐんときれいになる時期です。

今日は、日常的な認知症ケアの様子をご紹介しようと思います。
院内を巡回していると、ナースステーションの中でまるで職員のように混じっているAさんの姿があります。
Aさんは認知機能が低下していますが、日常生活動作は普通にできるので、病棟内を自由に歩くことができます。
カンファレンスに一緒に参加していたり、職員の誰かと一緒に病棟内を歩いたり、廊下のお掃除をしています。
この方は以前は会社勤めをしていらっしゃいました。と同時にとても手先が器用だったので、近所の人に何か頼まれるとすぐに対応してくださっていたそうです。
そのため、町内ではとても人気があり頼りにされていたそうです。


そういう背景を持った人ですから、時々職員と一緒に病棟を点検して回ったり、壊れているところがないかを一緒に見てくださっているのだと思います。
日中はそんなふうに動いてらっしゃるので、食欲もありますし夜はぐっすり眠ってくださいます。
Aさんのこのような行動は、徘徊というふうに言われたりします。徘徊というのは行動する意味が自覚されているか、されてないかわからずさまよっている状態を言うのですが、Aさんのこれまで生きてこられた背景を理解することによって、その方が「今」生きている世界に私たちも入り込み、同じものを見ようとすると、各お部屋を回って困り事がないか確認してくれている、人の役に立つ尊い仕事をなさっている姿が浮かび上がります。
こんなふうに、付かず離れず見守りながら、Aさんの行動を危なくないように支えてくれているスタッフから、私も認知症ケアの醍醐味を教わっています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
相手の関心事を知るということだよね。

ぎりぎり夏か?

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
本州はまだまだ酷暑が続いておりますが、このところ急速に秋になった札幌です。

そんな中、2F病棟の「ぎりぎり夏祭り」は今年も大盛況でした。
院長の篠笛(ご自分で購入!こっそり秘密練習したようです)、山口先生の太鼓(youtubeで練習!インスタにも出ています)から始まったお祭は、綿あめやマグネット釣りなどの縁日が用意されたほか、スタッフのアイデアの「人間もぐらたたき」に「神の手が出てくる」ボーリングなどもあり、患者さんも童心に帰って楽しんでくださったようです。

圧巻はお神輿です。軽くするため段ボール製ではありますが、細工はかなり凝っておりまして、わっしょいわっしょいと患者さんが担いでくれました。今年もお賽銭が入れられたようです。
ボランティアせらのみなさんの協力もあり、お祭は大成功でした。私も患者さんが綿あめを食べるのをお手伝いして、とても幸せでした。
スタッフが楽しんでいると、患者さんにも伝わりますね。

さて翌週9/17はアルツハイマー月間ということで、当院でもはじめて「認知症のつどい」を開催しました。認知症の予防や対応方法、活用できるサービスや知恵などお伝えして、少しでも不安や困りごとが解消されたらいいなあと、認知症看護の認定看護師が中心となっていろいろ企画しました。
あまりお客さんがいなかったらどうしよう、と心配しましたが、思っていたよりもたくさんの方が来られてほっと胸をなでおろしました。

その二日後にはグループ病院から、認知症カンフォータブル・ケアの実際を学びに、看護師さんがいらっしゃいました。2日間、認知症ケアの現場を見学していただき、委員会にも参加しました。その方は現場の身体抑制を減らしたいという気持ちでいらしたのです。
当院の取組が少しでもお役に立てたらうれしいです。

合間には保育園で、先日収穫したじゃがいもを使って「いももち」を作り、みんなで食べておいしかったと写真が送られてきました。三角巾にエプロンを身につけたちびっこシェフたちが、ジャガイモをつぶしている姿のなんてかわいいこと! 園長先生(←私のこと)も一緒に作りたかった!

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
あちらこちらで、楽しい秋。

今年もベストプラクティス研修が始まりました

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌はこのところ雨続き。涼しくていいですが、洗濯ものが・・の毎日です。

さて今年も法人グループ内の「ベストプラクティス研修」が始まりまして、当院の緩和ケア・認知症ケアを学びに遠くから看護師さんがやってきました。

感激屋さんの彼女は、私たちが日常的に行っている様々なことにひとつひとつ感激してくださって、ほめてくださるので、うれしいやら恥ずかしいやらです。
そしてまた外を知ることは自分の部署を知ることにもつながりました。
自部署のスタッフがとてもよく頑張っていることをあらためて認識した、早く部署に帰ってみんなにそれを伝えたい、と仰いました。

私が印象に残ったのは、「患者さんにとってはひとつの人生なのに、病院や看護師の都合で、患者さんの望んでいることができないのは、申し訳ない。一つでも患者さんの小さな望みを叶えられたら、緩和ケアをやりたいと集まってくれたスタッフもやりがいを感じると思う」という彼女の言葉でした。

情熱と愛情にあふれた方だなあと感じました。
こちらも見習わなければいけないことを、たくさん教えてもらいました。

今週もこのブログに来てくださりありがとうございます。
井の中の蛙にならないように、ね。

カンフォータブル・ケアで1位!

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
花の顔ぶれが変わり、徐々に夏に向かっていると感じる今日この頃です。

前事務長から「おめでとうございます!」というメールが届きました。
開けてみると、法人グループのQI(医療の質向上のための取組)大会で、当院師長の発表がカテゴリーで1位を取ったことがわかりました。

全国76病院から提出された改善報告は、まず6つのカテゴリ(臨床・医療安全・患者目線・経営・職員目線/働き方改革・地域社会)に分けられます。
それを本部の方が査読して上位3演題ずつ選ばれます。
選ばれた18名の発表を録画し、それを全国の職員が視聴して投票します。公平性を保つために自分の病院には投票できません。
受講者数は86,140人、投票数は76,650人だそうです。(投票しない人もいるということですね)
1か月ほどの視聴&投票期間のあと集計されて、結果が送られてきました。

カテゴリで1位を取ったテーマはどれも興味深いものばかりでした。
給食の工夫を扱ったもの、転倒転落についてのリスク感性を磨くもの、看護師の残業時間削減、SNSを活用して地域とのつながりを深めたものなど、いずれも力作でした。現場をよくしよう、無駄をなくそうなどの発想から、行動を変えて習慣化していく、そして結果をわかりやすく人に伝える。←ココ大事。

今回当院が提出したのは「カンフォータブル・ケア導入により身体拘束ゼロを達成」。
「またか!」と思うかもしれませんが、お許しくださいね。

カンフォータブル・ケアを始めて6年経ちます。
とある施設で身体抑制をされていた方が、当院に転院して来られました。もとは歩いてトイレに行けたのに、身体抑制をされて元気がなくなり、食欲も筋力も低下してしまいました。転院当日受け持ちの看護師が、それまでの日々を労い、笑顔でやさしく迎え入れました。
まずは夜ぐっすり眠っていただくことから始めます。いい眠りは新しい明日につながります。数日経って安心されたのか、食欲が出てきてお粥では足りないと仰いました。お風呂に入り、音楽を聴き、「快」の刺激を受けてだんだん心が安らいでいきます。安全が守られ、人として尊重されていると感じていただけたかなと思います。

「抑制しないために患者さんが身体に入っている管を抜いてしまうこと、ないんですか?」
あります、あります。「ああ、またやられた」って以前は私たちも言ってたんです。
でもこのケアを始めてからは「テープが痒かったんですね」とか「管が抜けたらすっきりしたいいお顔ですね」って言うようになって「せっかくだから明日の朝までこのままにしましょうね」と管のないフリーの時間を作ったりするようになりました。やっぱり、いい言葉を使うと行動が変わるんです。行動が変わるとケアそのものがよくなる。
こうした毎日を積み重ねていくうちに、当院の身体拘束はゼロになっていきました。
おとぎ話みたいに聞こえるでしょうか。でも事実なんです。
「暇な病院なんでしょ?」いやいや、走り回ってますよ、うちのナースたち。笑いながら頭の中は全速力です。
だいぶ話がそれましたけれども、そうした過程を発表してくれる師長さんがいて、ありがたいなあと思います。
写真は受賞の知らせを聞いた瞬間です。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからも地道に続けていきます。

祭り太鼓と認知症ケア

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
秋という季節が好きなのですが、今年は長く楽しめるといいですね。

さて9月の半ばに2F病棟で開いた「ギリギリ夏祭り」←ネーミングいいですね。

ようやく人が集まる催しを盛大にやることとなりました。
写真の多くはインスタグラムにも掲載されておりますので、そちらもご覧くださいね。
天井には「祭」の文字が並び、わたあめやかき氷といった縁日や、「シャーク釣り」にくじ引きなどもあって、準備も楽しそう!

一か月前から準備を始めたお神輿。これは介護福祉士のSさんの考案でした。最後はボランティアさんにも手伝ってもらって仕上げました。神輿の下の方に「お賽銭」の箱も付けたら、本当にお金を入れてくださる患者さんがいらしたり、いつまでもお神輿を拝んでくれたり。最後は車いすに座っている患者さんたちが、わっしょいわっしょいと担いでくれて、大盛り上がりでした。

そして今回、ボランティアのFさんから太鼓を寄贈いただきました。なんでもご主人のご実家に数十年前からあった歴史ある太鼓で、地元のお祭りで活躍していたのだそうです。今はもうお祭り自体がなくなってしまって、家の飾りになっていたようです。
せっかくだから使ってくださいとのお申し出、ありがたくいただくことになりました。

当日張り切っていたのは2Fのスタッフだけではなく、院長でした。
華麗なばちさばきで太鼓を叩き、病棟中いや、外来にまでその音を響かせました。

その音を聞いて涙したYさん。子供のころを思い出したのだそうです。
子供のころのお祭って特別でしたよね。

こうした行事や音楽によって昔のことを思い出すのは、回想法と言って認知症の進行を遅らせるのに役立ちます。その人だけが持っている記憶の入り口にスイッチして、当時の映像が蘇るのです。

今年入職した介護福祉士さんに「びっくりしたでしょう?病棟でお祭りするなんて」と声をかけたら「私、来年もっといろんなこと提案してみようと思います」と笑顔で言いました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。

まだまだ、引き出したくさんありそうな、そんな予感。

カンフォータブル・ケア学びに来ました!

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
6月の終わりに、認知症カンフォータブル・ケアの研修に来て下さった方がいました。

以前「精神科看護」という看護雑誌に、棟方師長と私が書いたカンフォータブル・ケアについての記事があるのですが、それがきっかけでお申込みいただいたそうです。(うれしい!)

その方、Aさんは認知症の専門病棟にお勤めの方で、私たちよりはるかに知識や経験が豊富です。
4年ほど前にカンフォータブル・ケアの提唱者・南敦司さんの講演を聴いて、ご自分の部署で取り入れようと始めたそうです。しかしなかなか全体に浸透しない、どうやったらみんなでできるだろう。それがAさんの課題です。

お話を聴いていると、できているところはいっぱいある。でもスタッフにそのフィードバックが足りなかったかもしれない。「今のでいいよ」「そのケアで患者さんが喜んでくれてよかったね」と返したり、みんなで共有するといいかも。ご自身の気づきがいっぱいありました。
カンフォータブル・ケアって患者さんだけじゃなく、一緒に働くスタッフもカンフォータブル(心地いい)になっていくんだ。カンフォータブル・ケアをしたら、結果看護が楽になるし、時間がかかるようでいて、逆に早く物事が進むんだよ、ということをスタッフが体感したら、きっと進んでやるようになるよね。
ってなことを、棟方師長&長谷川師長のカンフォータブル・ケアコンビと対話しました。

カンフォータブル・ケアって、お金もほとんどかからないし、いつでも始められるし、どうして普及しないんですかね。知らない人多いですよね、って話になりました。

これって認知症高齢者のためだけじゃなく、看護すべき対象者全部に必要なケアだと思うし、職場の同僚に対しても有効だと思うんです、とAさん。
確かに~全員同意です。
カンフォータブル・ケアの中心軸は他者へのリスペクト(敬意)だと私は思うのです。
混乱がおさまって落ち着いた患者さんは、その人らしさを見せてくれます。
よい人間関係と深い相互理解が生まれるケア、やってみた私たちが立証します!と表現しなくちゃね、そんな風に私たちも課題をいただきました。
たくさんの刺激をいただき、自分たちがどんなに恵まれた環境にいるかを感じました。
ありがとう、Aさん。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
コンビは講師としてガンガン出て行ける人たちです。

海を超える!認知症対応カンフォータブルケア

こんにちは、やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
5月18日から師長さん達と3人で、石垣島に行って参りました。といっても、お仕事です。

昨年石垣島から1人のナースが研修に来てくださいました。当院では「認知症カンフォータブルケア」と「ホスピスケア」の研修を多くの方に受講していただいています。
5日間のカンフォータブルケア研修を終えて、自分の病院でもこのケアを広めていきたい、とその方が抱負を語られました。いつでも研修講師に呼んでくださいねと軽く言ったつもりが本当に呼んでいただけることになりました。
1人の看護師の意見が、看護部や病院全体を動かしたのです。それではと腕まくりをして準備を始めます。このケアを導入するきっかけになったM師長さんと、病棟で実践をし続けるH師長さんに講師をお願いしました。

2人は午前午後夕方と3回講義をし、合計55名の職員の方に聞いていただきました。忙しい中ご参加いただき感謝いたします。私たちの病院も導入して早6年。気を抜くとほころびが出てきます。私たち援助者が患者さんにどんな対応するかによって患者さんの心身の安寧につながる、それこそが継続する源になります。

この研修は、ベストプラクティス研修と言って、法人内の病院を行き来できるもので、全国75カ所の病院の特徴を学ぶことができるのです。
実際に行ってみて、旅の喜びとともに、土地の人々との交流が何よりの醍醐味であると実感しました。これからも、北からと南からこのケアを広めていきたいと思います。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。お気に入りは八重山そば。

身体抑制ゼロ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先日障がい者病棟の師長さんが「部長、ご報告です」と言いながら合格証書を持ってきました。認知症ケア専門士。忙しい日々の中で勉強していたのは知っていましたが、やりましたね~!
うれしい報告でした。

当院では5年前から「認知症カンフォータブル・ケア」を導入し、それをきっかけに認知症看護に関心を持つ看護師さんが就職してくれるようになりました。
昨年は認知症看護の認定看護師課程に進んだ看護師もいて、これからますます認知症ケアに磨きがかかると予感させてくれます。

この病棟では昨年7月から身体抑制がゼロになりました。
それまでは経管栄養のチューブや、気管チューブが入っている方が、ご自分でふいにチューブを抜くことがあって、それを防ぐために手に「ミトン」をつけていました。
抜くことは命の危険が伴うため、いかに抜かないよう防ぐかが優先されるのは、病院ならではのこと。しかし一方で不快なものが身体についていて、それを取り外したいと思うのも人として自然なこと。ずっとつきっきりにはなれない現状。ここに看護師のジレンマがあるわけです。
チューブを外した患者さんに「(チューブがなくなって)お鼻、すっきりしましたね」「次のごはん(経管栄養)まではこのままでいましょうね」と率先して優しい声をかけていたのはこの師長さんでした。
こうした声掛けがスタッフにも浸透し、安易に抑制に戻ることなく「まず何ができるか」をみんなで考える習慣が身に付きました。

自分たちがPCR検査をすることが増えて「めん棒で突っつかれるだけであんなに痛いのに、それがずっと鼻に入っているんだから、患者さんは苦痛だよね」という共感も、抑制ゼロにつながっていると言います。
看護部の目標に「身体抑制を限りなくゼロにすること」を挙げていました。
スタッフが納得感を持ってゼロにできていることが、なによりうれしいです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
いいと思うことを地道に続けること。言い続けること。

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