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看護部からのお知らせ

病院で行うグリーフ(悲嘆)ケア~大切なご家族を亡くした悲しみに寄り添うことについて~

当院では大切なご家族を亡くされたご遺族にお手紙をお送りし、「ひだまりの会」「こもれびの会」という遺族会・慰霊祭を催しています。

私も今年着任したばかりなのでいずれも初めて参加したのですが、きっとご遺族の方も「何をするんだろう」と思いながら病院に来られたと思います。
詳しくは院長ブログやひだまりブログにも書かれていますのでこちらをお読みいただくとして・・

https://sapporominami.com/incho_blog/?p=1046

具体的には、病院の会議室を会場に、院長の挨拶とグリーフケアについてのお話を聞いていただき、そのあと黙とう・献花と続きます。フルートとピアノの生演奏が6曲ほど続いたあと終了となりました。その後茶話会を用意していましたので、十数名の方が職員と想い出を語り合うことができました。

11月に行われた慰霊祭「こもれびの会」に参加されたご家族の方々からアンケートが寄せられました。
私どもの開催した会合が、はたして心の安寧に役立ったのか、もっとよくするためにほかにできることはないか?とのご意見を頂戴するためのものでした。

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少し抜粋して紹介させていただくと・・
50名ほどの出席者の中で回答を寄せて頂いたのは30名弱、日時・場所・プログラムについてはおおむね「よかった」との回答をいただきました。

とくにフルートとピアノの生演奏については「心に沁みた」「音楽を通していろいろな思いが込み上げてきて涙が出た」「心が洗われるような演奏だった」という回答がたくさん寄せられました。

フルート奏者の方はご遺族でもあり、同じ立場でありながら音楽で人の心を癒そうとする様に、親密感と共にいたわる思いがひしひしと伝わってきました。音楽は言葉を尽くすよりもダイレクトに心に届くものですね。

悲しみの段階は人それぞれで、慰霊祭のご案内が送られてくることで悲しみを蘇らすことがあることを私たちは知っています。遺族会や慰霊祭は「行かなきゃならないもの」ではないので、来て下さった方たちは時間を作り、心構えをして、勇気を振り絞って来られたと考えて、私どもはお迎えしていました。

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「実は案内が来るたびに立ち直れず、時間が止まっているようでまだ深い悲しみに落ちていました。11/5勇気を出して参加してみてとてもよかったと思いました。なぜならアンケートを手にしても、落ち込みがなかった」と客観的に振り返ることが出来た方もいらっしゃいました。

「院長先生のお話にもあったように、悲しみやさびしさ、怒りの気持ちがありました。時間の経過とともに寂しさ、懐かしさ、後悔などいろいろな感情がわいてきます。でも慰霊祭に参加して、自分一人が経験しているわけじゃない、医療スタッフの方も亡くなった人のことを忘れたわけではないとわかってよかったです。参加者が心ひとつになって慰霊の気持ちを持つ時を共有できてとてもよかったです」

「病院で慰霊祭というのは普通のことなのか?初めてのことでわからなかったのですが、今回遺族という立場で思うことは死にゆく人に対してどういう心構えが必要なのか、遺されたものがどう受け止めたらいいのかをもっと知っておくべきだったと思いますし、学べたらいいなと思いました。院長先生のお話「グリーフの段階」は自分を客観視できてよかったです」

「仕事中の看護師さんが、白衣姿で献花に参加してくださり、感謝の気持ちでいっぱいです」

「慰霊祭で心に一区切りがつきました。前へ進むことができそうです」

 

など、さまざまなご意見をいただきました。
今年の札幌は異例の早い雪で、11月5日もべちゃべちゃの雨雪の日でした。
荒天にもかかわらずおいで下さった皆様、そしてアンケートをお寄せ下さりありがとうございました。
職員みんなで共有し、ご意見を参考にしていこうと思います。