カンフォータブル・ケアは認知症緩和ケアだ
6月16日に今年度2回目の「カンフォータブル・ケア」の研修が終わりました。
昨年9月に病棟師長の発案で、お招きした南敦司さんの講義を聴いて、かなり衝撃を受けた私たちは、「ぜひこれは看護職員全員に聴いてもらいたい」と考えました。
それで今年度は2回、同じ研修をしてくださいと頼んで実現したのです。
院内の全職員や向いの関連施設、ボランティアさんにも呼びかけました。
私はこれで2回目の受講ですが、少し気持ちが薄れてた自分を反省したのと、前回聞いたのとはまた違う気づきが生まれました。
たとえば
「目線を合わせる」というところ。
昨年9月に講義を聴いて、私が日頃一番意識して行動していたのはここです。
病棟をラウンドするときに、デイルームに患者さんがいらっしゃると必ず声をかけることにしています。
「おはようございます。今日はいいお天気ですね」
「昨夜はよく眠れましたか?」
横や後ろから患者さんに声をかけてびっくりさせるのではなく、正面から目線を合わせて声をかける、という風に行動していました。
今回の講義では「目線を合わせて声をかけ、その言葉を相手が受け止めたかどうか、一拍置いて観察し次の行動へと促す」という流れが説明されました。
ここ、前回は聞き逃していたかも知れません。
また「関心を持つ」というところがまだまだ足りぬと思いました。
先日のエクスマ塾でも学びましたが、「小さい頃どんな子供だったのか」「若い時にどんな仕事をしていたのか」「好きな歌は何か」「故郷はどこか」など、もっともっと問いを投げかけて行こうと思いました。
一日たった5分でもそこにハートがあれば・・の精神です。
研修後南さんと少しお話をさせていただいて、当院はホスピス緩和ケアがあるので、患者さんの尊厳を大事にする風潮はもともと根付いているでしょうとおっしゃっていただきましたが、
むしろ南さんのお話は、「認知症緩和ケア」とでもいうべき分野ではないかと、帰る道々思ったものです。
さて、研修を受けただけで満足せず、維持継続していかなければ!
昨年講義を聴いたあとに師長たちが自ら行動し、当院の認知症患者さんへのケアはずいぶん変化してきました。
他院から「大声を出して暴れるので困っていた」という患者さんも、当院に入院後は数日で落ち着いて、「一体以前は何が問題だったの?」ということが見受けられるようになりました。
また怒りモードが収まらない患者さんに対して、夜勤看護師がひたすら謝り姿勢で接してくれたおかげで、患者さんの状態が落ち着いたということもありました。
こうして小さな成功体験を重ねて、ケアをアセスメントし、スタッフがお互いに質を高めていくくらいの、成熟したチームを目指したいものです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
患者さんにやさしい病院は職員にもいい病院。