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思い出ごはん
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
ホスピス緩和ケア病棟では月に1度、お一人の方に特別メニューをお出ししています。お誕生日の方に、お祝いメニューとしてお出ししたのが始まりですが、現在も基本的にその方が「食べたい!」と思うものをリクエストしてもらっています。
栄養課に伝えて、作るのが可能かどうかを確認し、材料などを準備してもらいます。病院では出すことの難しい握り寿司や揚げたての天ぷら、ラーメン屋さんと同じ味噌ラーメン、クリームソーダなどが注文されました。
調理師さんも月に1度、腕を振るうところなので、病棟のキッチンを使ってその場で天ぷらを揚げたり、盛り付けの仕上げをしてくれます。
えびの天ぷらがパチパチなる音や良い匂いも食欲をかき立ててくれます。
ナースたちは、のれんを下げたり、テーブルクロスを広げてレストランのような雰囲気作りをして盛り上げます。今のところ月に1度お一人様に提供するのが精一杯なので、すべての方に提供できないのがもどかしいところではあります。
ところで、この食事、これまでお楽しみ食とかリクエスト食と言うふうに呼んでいるのですが、「〇〇食」と言うのは、いかにも医療者目線の言い方で、どうも私はしっくり来ていませんでした。
先日朝礼の時に某師長が「この取り組みは患者さんの食に対するライフレビューを聞くことでもあるから、言ってみれば思い出ごはんですね」と話していて、私は「それいいな」と思ったのです。
「思い出ごはん」だと患者さん主体の言葉になる。その人にとってのご馳走は何か、誰が作ってくれたものなのか、誰と一緒に食べたのか、どんなシーンだったのか、そんな思い出をお聞きして、提供できたらいいなぁと考えたのでした。いっそ「思い出ごはん」って名前に変えない?と提案してみました。
スタッフの発案で始まったことなので、いいネーミングを再検討してもらえたらと思います。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
食べることを楽しみにするって、希望だよね。