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2024年10月

成長を助けるもの

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
食欲の秋です。勉強の秋です。他にも色々、秋ですね。

先日、静岡のグループ病院からベストプラクティス研修生がいらっしゃいました。
今回も認知症カンフォータブルケアを学びに来てくれたのです。うれしいことです。

研修に来てくれた方にいかに良い体験をしてもらうか、迎える側である私たち、の試行錯誤が続いています。
カンフォータブルケアの実際、委員会への出席、ランチョン・ミーティングなどなど。
そして最後に振り返りの会を30分ほど開きます。
私はその振り返りの会、楽しみに参加させてもらっています。研修生の様々な気づきや学びとともに、担当する師長や、認定看護師の言葉にも実はこっそり感動しております。

先日は棟方師長がこんなことを言いました。
「研修生が来ると現場のスタッフは良いところを見てもらいたいと意識するので、普段よりもより良いケアをしています。人が見に来ることで、私たちも育てられているのです」

なるほどほんとにそうですね。カンフォータブルケアは気を抜くとすぐに崩れます。特に敬語が使えなくなる。友達言葉になりやすい。研修生が来ることで、基本に立ち返り、良いところを見てもらいたい、と姿勢をただします。
私たちの行動が誰かの役に立つ。そう信じることで、私たちはまた成長していくのだと思います。
これからも皆さん、どしどしいらしてください 笑。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。見られるって大事だね。

死の臨床研究会 ~ALSのAさんのこと~

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
日ごとに秋が深まっています。札幌もついに初雪が降りました。

先週末、日本死の臨床研究会inSapporoが終わりました。
今回は当院の梶原師長が大会長を務めたこともあって、20名以上の職員とボランティアグループせらのみなさんが、運営のお手伝いをしました。
当院からポスター発表が6演題もあったのです。過去最高かな?
他にもシンポジウムで発表したり、ワークショップに出た職員がおりました。

ポスター発表のうち3演題は看護部から。
その中のひとつ、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者Aさんについての発表は、私にとっても忘れられないものでした。

不治の難病のため、生きる力を失いかけていたAさん。
パソコンという意思伝達の手段を得て、しだいに生きる希望を見出していくさまを共に歩んできました。言葉を言えない患者の代表として、辛さや悲しさ、いろんな思いを語ってくれた、わたしたちの大先生でした。

ラジオ番組にユニークな投稿をして一緒に笑ったり、チャーミングな目元で気持ちを表現してくれました。遅いクリスマスプレゼントに1泊の自宅外泊を、ご家族とスタッフみんなで成功させたこと。最期のときに、大好きだった日本酒で唇を湿らせたこと。

医師からもこの方のことについて別の切り口で発表がありました。
それくらい、私たちの中に忘れられぬ存在となって、心に生き続けています。だから、この「死の臨床」の大会で、Aさんが生きてきた軌跡を、ぜひ発表してほしいと思っていました。Aさんも、きっと会場の中で一緒に聴いてくださっていたと思います。

今週もこのブログに来て下さりありがとうございます。
一区切り、そしてまた前をむいて歩いていこう。

身体を通った言葉

こんにちは。完全に「虎に翼」ロスの工藤昭子です。
毎日の楽しみがなくなってしまいました。ほんと寂しいです。

さていよいよ本格的な秋になった札幌です。果物狩りはまだできそうだし、紅葉もこれから。
秋が長いといいですね。

出張続きで病院をおろそかにしていると、院内のことが見えなくなるものですが、小さな病院のいいところは看護部長と職員の距離が近いこと。
育休から戻ってきた職員と言葉を交わしたり、グループの応援業務から戻ってきた職員をうんと労ったり、入職したばかりの職員に声を掛けたりすると、自分にもパワーが充電されるのを感じます。

台風の中、離島研修に行って来た職員は、ほんの数分の立ち話でしたが、島の人たちのたくましさや親切なことなど、たくさんの気づきを得たと目をきらきらさせて話してくれました。
経験して学習したことを言語化することを、私は「身体を通った言葉」と名付けていますが、その人の持つ価値観やそれまでの経験を刺激して、深く重みを持つものとなり、時にはその人の人生を変えるきっかけになったりします。

普段は多忙だからと互いに遠慮しがちですが、相手が「話したい」というエネルギーを持っているときは、なるべく丁寧に聴こうと思っています。相手の関心ごとに関心を寄せ、相手の生きている世界から見えるものは何か、を頭に浮かべながら質問していくことが、自分自身の想像力も高めてくれるように思います。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
雨・雨・晴れ・晴れ・たまに夏。