2024年5月
カンフォータブル・ケアで1位!
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
花の顔ぶれが変わり、徐々に夏に向かっていると感じる今日この頃です。
前事務長から「おめでとうございます!」というメールが届きました。
開けてみると、法人グループのQI(医療の質向上のための取組)大会で、当院師長の発表がカテゴリーで1位を取ったことがわかりました。
全国76病院から提出された改善報告は、まず6つのカテゴリ(臨床・医療安全・患者目線・経営・職員目線/働き方改革・地域社会)に分けられます。
それを本部の方が査読して上位3演題ずつ選ばれます。
選ばれた18名の発表を録画し、それを全国の職員が視聴して投票します。公平性を保つために自分の病院には投票できません。
受講者数は86,140人、投票数は76,650人だそうです。(投票しない人もいるということですね)
1か月ほどの視聴&投票期間のあと集計されて、結果が送られてきました。
カテゴリで1位を取ったテーマはどれも興味深いものばかりでした。
給食の工夫を扱ったもの、転倒転落についてのリスク感性を磨くもの、看護師の残業時間削減、SNSを活用して地域とのつながりを深めたものなど、いずれも力作でした。現場をよくしよう、無駄をなくそうなどの発想から、行動を変えて習慣化していく、そして結果をわかりやすく人に伝える。←ココ大事。
今回当院が提出したのは「カンフォータブル・ケア導入により身体拘束ゼロを達成」。
「またか!」と思うかもしれませんが、お許しくださいね。
カンフォータブル・ケアを始めて6年経ちます。
とある施設で身体抑制をされていた方が、当院に転院して来られました。もとは歩いてトイレに行けたのに、身体抑制をされて元気がなくなり、食欲も筋力も低下してしまいました。転院当日受け持ちの看護師が、それまでの日々を労い、笑顔でやさしく迎え入れました。
まずは夜ぐっすり眠っていただくことから始めます。いい眠りは新しい明日につながります。数日経って安心されたのか、食欲が出てきてお粥では足りないと仰いました。お風呂に入り、音楽を聴き、「快」の刺激を受けてだんだん心が安らいでいきます。安全が守られ、人として尊重されていると感じていただけたかなと思います。
「抑制しないために患者さんが身体に入っている管を抜いてしまうこと、ないんですか?」
あります、あります。「ああ、またやられた」って以前は私たちも言ってたんです。
でもこのケアを始めてからは「テープが痒かったんですね」とか「管が抜けたらすっきりしたいいお顔ですね」って言うようになって「せっかくだから明日の朝までこのままにしましょうね」と管のないフリーの時間を作ったりするようになりました。やっぱり、いい言葉を使うと行動が変わるんです。行動が変わるとケアそのものがよくなる。
こうした毎日を積み重ねていくうちに、当院の身体拘束はゼロになっていきました。
おとぎ話みたいに聞こえるでしょうか。でも事実なんです。
「暇な病院なんでしょ?」いやいや、走り回ってますよ、うちのナースたち。笑いながら頭の中は全速力です。
だいぶ話がそれましたけれども、そうした過程を発表してくれる師長さんがいて、ありがたいなあと思います。
写真は受賞の知らせを聞いた瞬間です。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからも地道に続けていきます。
お花見・野点・緩和ケア
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
急に温かくなり、札幌は一気に新緑と花の季節となりました。やった~なんかうれしいです。
先日ホスピス(=緩和ケア病棟)の患者さんとお花見に出かけてまいりました。
近くにある平岡樹芸センターに、いつもお世話になっております。
施設管理のスタッフが車を出してくれて、ドクターやナースなどスタッフと一緒に出掛けます。
ご家族とは現地で合流することになっています。これもうれしいひとときですね。
皆様の日ごろの行いが良いおかげで、晴天に恵まれ絶好のお花見日和。
今年はなんと野点までやるという!!スペシャルお花見です。
お琴演奏でボランティアをしてくださっている、Oさんのお知り合いでMさんという煎茶道の先生とのご縁をいただきました。
舞台を作るのに、せらの皆さんで衝立を手作りしてくれました。満開の八重桜の下、専用のテーブルを置き番傘を立てて、自然の中に和のしつらえです。
Mさんが教える生徒さんたちがお着物を着ていらして、お茶を入れてくださいました。なんと優雅で所作の美しいこと。
「一煎目をまず飲んでみてください。甘く深い味わいを楽しんで。そのあと京都から取り寄せたお菓子を口に含んで、これは口にいれるとふわっと溶けますから。お菓子をいただいたあとに今度は二煎目をお飲みください。さっきとは違う味わいを感じるでしょう」と教えていただくと、期待が高まります。
一口サイズの小さなお茶碗にさわやかな緑色のお茶。口に含むと確かに甘く、深い味わい。おいしい。
患者さんやご家族もおいしいねと口々に言いながら、味わっていました。
明るい日差しの下で、舞い散る桜吹雪の中、みんなでいただいたお茶。
記憶に残るお花見となったことでしょう。スタッフにとっても、おもてなしを受けた豊かな時間でした。
Mさん、教室の皆様、ご縁を結んでくれたOさん、そしてボランティアグループせらの皆様
ありがとうございました。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
お茶、ゆっくり煎れてみよう。
病院ボランティア せらさんのこと
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌もようやく自転車通勤できる気候になってきました。自転車って好きな時に好きな場所に止まれるからいいですよね。八重桜のぽってりした写真を撮る、夕陽を眺める。自由自在です。
さて、5/8にボランティア・グループせらさんの、感謝のつどいを開催しました。
最初に院長がせらの歴史を語りました。歴史、大事ですね。山坂ありましたもん。
それから昨年着任した事務部長が、ボランティアさんのおかげでとても癒される病院ですと伝えました。私は幹部がこうした行事を大切に思って出席し、感謝を伝えてくれるところがいいな、と思っています。(自画自賛 ふふっ)
つづいてホスピス病棟師長はスタッフの声を集めてきたので・・とメモを読み上げました。
・お楽しみ食の時に使用しているテーブルクロスはせらさんが作ってくれたもので、食事がより映えておいしそうに見えます。
・卵のひな人形は患者さんにとっても好評でした。
・季節の飾りつけを見ると春が来たのを感じられるという、患者さんの言葉。
・音楽療法で、せらさんが明るい雰囲気を作ってくれているおかげで患者さんの笑顔が増えた。
・(せらさんが作ってくれた)ベッドサイドのポケットは好評で、患者さんから売ってほしいと言われているほど。
2F病棟の師長さんからは
・患者さんの散歩に寄り添ってもらい、主婦友のようにおしゃべりで盛り上がった。
・患者さんの「背中掻いて」の要望になんと40分間も応えてくださり、患者さんが泣いて喜んでいました。
・患者さんの人生を聴く「聞き書き」をしてくださってる。本ができるのが楽しみ。
と写真入りの感謝のメッセージが届けられました。
ボランティアさんからもコメントをいただきました。
・以前から気になっていた病院で、ボランティア募集していると新聞で知り、応募した。活動に参加して世界が広がり、身内も患者としてお世話になった。とても感謝している。(それはよかった!)
・音楽療法のよりそいで、患者さんの表情が変わっていくのを見て、少しは役に立っているのかと感じた。(もちろんです!)
・患者さんが普通の生活を思い出すきっかけになっているのかな、と思う。(そう、それが社会の風)
・ボランティアは仕事でも趣味でもない活動。 認知症の方にマフを作ったら、とても喜んでもらえてうれしかった。効果を聴いて今は知人にも広めている。そしてドラえもんの「どこでもドア」と、病院のロゴマークをコラボさせたものを作成中です。(なんと!それは楽しみです!)
そしてコーディネータの鈴木さんが、なつかしい活動の写真を披露し、今年の活動計画を発表して終了しました。皆様へのお土産には上富良野の江花珈琲焙煎所から取り寄せた、おいしいコーヒーをプレゼント。
私はね、思うのです。ボランティアさんがいなかったら、どんなに無味乾燥なことだろう、と。患者さんにとってもそうだけれど、ボランティアさんが無償でこんなにいきいきと活動していることが、職員にもいい影響を与えているということを。ボランティアのみなさんに支えられて、病院のまあるい雰囲気が醸し出されています。ありがとう、では言葉が足りないくらいです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
社会の風をこれからも、細くなが~くお願いします。
今日の用と今日行くところ
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
連休はいかがお過ごしでしたか?札幌は割といいお天気に恵まれ、桜日和が続きました。
私は衣類の断捨離をして、友人とカフェでおしゃべりし、最後は今年初のお墓参りに行ってきました。
おかげさまで、のんびり過ごすことができました。
4日間というのはあっという間ですね。連休が始まる前はいろんなことができそうに思うのに、始まると案外時間はなくて、あっという間に夜になってしまう。「明日こそやろう」と思っても、そんなに詰めこめない。何も考えずぼんやりするのも大事な時間。そうこうするうちに明日から仕事、となるのが常ですね。
私の友人は定年後もバリバリ働いている人、家族の介護で忙しい人などさまざまですが、異口同音に言うのが「明日やるべき仕事があるってありがたい」ということ。
私は自分の退職後のイメージが今一つ湧かないのですが、家にじっとしているタイプではないため、きっと少し休んだら何か仕事をみつけて働きにいくでしょう。
好きなことが仕事にできたら最高ですが、さてそれはなんだろうな、と考えます。今からでもその好きなことに片足を突っ込んでおけたらいいなと思います。サードプレイスというところですね。
退職後の理想だなと思う方は、何人もいらっしゃるんですが、一人あげるとすると当院でボランティア・コーディネーターをしている鈴木孝子さんです。鈴木さんは当院の看護師長さんとして長年勤務されて、その間にリフレクソロジーやリンパマッサージの資格を取り、定年後はそれらの技術を活かして患者さんやご家族、職員にマッサージを施しています。それ以外の時間をボランティア・コーディネータとして活動している他、個人で聞き書きをして冊子を作ったりもしています。気さくで気配り上手、みんなから慕われて、ユーモアたっぷり。なんという充実した世界。本当に素敵な人です。看護師や管理者としての経験、好きなことがいっぱい詰まっていて、なおかつ人の役に立つことをしています。現役でいたときもこんな気持ちで働いていたら、もっと違っただろうなと思うそうです。それくらい、今が幸せということですね。尊敬しています。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
鈴木さん曰く「今日用(教養)と今日行く(教育)が大事だよ」