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2024年3月

ACPと意思決定支援

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
年度末と年度初めの準備で慌ただしい毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?


先日、透析ナースたちが集まって勉強会をすると聞きました。

テーマは「ACPと意思決定支援」。教育師長の梶原さんが講師です。

病気の診断を受けると、患者さんはそこから意思決定の連続です。手術・放射線・抗がん剤・その他・・時期・病院・仕事・・・決めなきゃいけないことがつぎつぎ迫ってきます。

透析を受ける患者さんも、腎機能が落ちてきて透析を受けるかどうかの選択を迫られる時があり、その選択をしたからこそ、今通院していらっしゃる。そして治療を続けていくうちに、体調が悪くなるときもある。その時にどこでどんな治療を受けるのか、新たな意思決定を迫られる時があるのです。その時に自分の意思を医療者に伝えられるかどうか、そのことを誰かと事前に話しあっておいた方がいいですよ、というのがACP(アドバンス・ケア・プラン)というものです。
この数年「人生会議」と宣伝されていますね。

「私は死期が近づいたら、余計な延命治療はしてほしくありません」と考えている人でも、たった今、元気な時に交通事故に遭遇した場合は「全力で助けてほしい」と思っているかも知れません。

ことばで表現されたものがその人の考えのすべてではなく、言外に隠れた思いがあるものです。死について普段はあまり考えることもないし、ましてや改まって家族と話しあうこともない、というのが一般的じゃないかな?と思います。

「何もしてほしくない」「家で死にたい」と思う日もあれば、「家族に負担をかけたくないから、病院に入院する」という日もある。人の気持ちは揺れ動いて当然。その時々の想いを聴いて、最大限何ができるかな、と考えるのが意思決定支援なんですね。

言うは易し、行うは難し、ではありますが、できるだけその思いを叶えたいと思っている私たちです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
梶原師長さんが話す、市民向けACPのyou tubeもごらんください。
「自分らしく過ごすためのACP(アドバンス・ケア・プランニング)」

3月を泳ぐ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
3月という月は人との別れがあったり、4月の入職者の準備があったりで、忙しい月ですが、今年は第三者評価を受ける年なので、いつも以上に気ぜわしく過ごしています。

第三者評価を受けたのは5年前のことで、新病院に移転してからは初めてです。以前は古い病院だったので、いろいろ言い訳した部分もありました。けれども、設備的なことよりも機能や役割が正しく整っているか、を見られることになっています。そして患者さんが受付にいらしてから外来にかかり、検査や診察を終えて帰られるまで、そして入院された場合にはどのような説明がされて、それを患者さんがどう受け止めておられるか、などの過程を評価されることになっています。

一人でやるとなかなか進まないものごとも、声を掛け合ってやると、思っていたより進むことがあります。先日も院内メールで他部署の所属長に「教えてください」と送ったら、たちまち返事が返ってきて、あっという間にひとつ片付いたことがありました。

隣にいる教育師長が「これとこれは私が引き受けますね」と言って、ファイルを数冊自分のデスクに持って行ってくれました。これで私の肩の荷がだいぶ減りました。ありがたいことです。

 

不足しているものごとを、私たちはよく話しあいます。看護部だけで話しあっても解決がつかないことも多いのですが、いろんな人がいろんな立場で話しあうことで、徐々に合意形成が図られていく。おそらくこのプロセスが大事なんだろうと思います。水の中を泳ぐように、この課題、あの課題とキャッチしては手放していきたいものです。

忙しいのはお互い様、あと数か月大変だろうけど、がんばろうね。

 

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。

一日にたとえ5mmでも、前に、前に。

ありがとう! 月刊ベストナース

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
三寒四温とは言いますが、晴天で雪解けの日だったと思えば翌日真っ白な雪景色。まだまだ油断ならない札幌です。

さて本日は、長年お世話になっていた医療情報誌「ベストナース」の休刊のお知らせについてです。
北海道医療新聞社が発行していた、この雑誌を見始めたのはいつからでしょう・・看護師詰め所に必ず一冊置いてあって、休憩中にぱらぱらとめくっていたものです。

管理者になってからは、「〇〇病院のナントカさんが載ってる」とか「△病院に先越された~」とか、知り合いや自院の取り組みと合わせて読むようになりました。
看護部長になってからは取材を受けたり、あるいは「こんなイベントやるので取材に来ませんか?」とネタの提供もしておりました。
2024年の3月号が休刊前の最後になると聞き、驚きました。出版業界の苦境は知っているつもりでしたが、こんな身近なところにも・・と思いとても残念です。新聞も夕刊がなくなり、紙面が薄くなりました。電子媒体で読めるのはわかってますが、紙をめくり開いて読むのはやっぱりいいものです。
記者の方はよき聴き手であり、看護職を応援してくれていました。つらつらとしゃべったことを、過不足なくわかりやすい言葉で表現してくださり、初校を読むだけで「こんなすてきな記事になるなんて!」とうれしくなりました。ある時、なかなか看護師が集まらず落ち込んでいた私に、記者の方が励ましのお手紙を送って下さったこともありました。

当院のことを言えば、ベストナースに載っていた記事がもとで、認知症対応カンフォータブル・ケアを取り入れ、そのおかげで身体抑制はゼロになりました。現場で努力した師長たちは、今や講師として呼ばれるようになり、また多くの方が当院に学びに来てくれるようになりました。ベストナースがきっかけを作ってくれたのは、間違いありません。
これまで応援してくださり、さまざまな情報提供をありがとうございました。どうかお元気で。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
別れと出会いの季節ですね。

PERFECT DAYSと小確幸

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

季節の変わり目ですが、みなさまお体の調子はいかがでしょうか。
札幌はまだ寒い日もありますが、確実に春に近づいているなと思います。

最近、調べものをしていて私のブログに行きついたとお声をかけていただいたり、ずいぶん前にお世話になった方からお電話をいただいたり、ということが続いています。駄文も時には役に立つのだなとうれしく思いますし、「工藤さん、まだ働いてたのね!」という生存確認にも(笑)一役かっているようです。

さてさて年度末で仕事が山積みですが、そういう時こそ意図的に頭を空っぽにする必要がありまして、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。

ネットでは賛否両論ありますね。きれいなトイレばかり掃除しているとか、汚物が映らないのは不自然だとか・・私は役所広司さんが好きなので、そういうツッコミは気にせず観てきました。

周りはシニア世代の人ばかり(あ、自分もか)です。テレビをつけると、戦争や独裁者や腐敗した政治家の顔ばかり、だからきっとこういう話を欲しているのかも知れません。つつましい暮らしの中で本を読み、いい音楽に親しみ、銭湯で足をのばす。
人生における小さいが確固とした幸せの一つを小確幸と言ったのは村上春樹さん(「ランゲルハンス島の午後」)だそうです。「小確幸」しょうかっこう、と読みます。私はドラマの「昨日何食べた?」が大好きなのですけど、これも小確幸のヨロコビを丹念に描いています。

変わりない生活のようだけれど、一日一日はそれぞれ違っていて、ルーティン通りにはいかない。そんな日々の中でにこっと笑える瞬間をどれだけキャッチできるかな。小確幸が身の回りにあると気づくことが、PERFECT DAYS(複数形)なのでしょうね。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
物欲にまみれたバブル時代も、国の勢いだったんだろうね。