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2023年9月

ホームグラウンド

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は朝晩の気温が下がってきて、ようやく秋らしくなってきました。

病院の西側に、在宅緩和ケアのクリニックと訪問看護ステーションがあり、日ごろから連携しています。在宅の患者さんが入院されることもありますし、入院していた患者さんが家に帰られて訪問診療や看護と繋がる場合もあります。

家に帰られた患者さんはいったいどんな風に過ごしているのだろう。
百聞は一見にしかず、ということで病院ナースは訪問看護ステーションへ見学に。月に2人ほど、ぽつりぽつりと行っています。

在宅医療というのは、患者さんやご家族の「入っていいですよ」と許可が得られなければ成立しない世界です。その方、そのご家族の歴史や文化に足を踏み入れるのですから、こちらもそれなりの覚悟や礼儀作法が必要です。

今年もこの研修を始めて、看護師たちのフレッシュな気づきがレポートに書かれたので、少しご紹介したいと思います。(表現は少し変えています)

―こんなに笑って話す患者さん、こんなに明るく面白いご家族であることに、入院中は気づきませんでした。入院中に私たちが見る姿は断片的だと感じました。

―入院中は自分の勤務時間の中で症状や状況に応じたケアを実施しますが、在宅では今訪問中のこの時間内に、これ以降に起こりうることも含めてアセスメントし、決定していかなければなりません。それは症状から環境・家族の介護力まで非常に幅広い範囲です。看護師の力を感じました。

こんな風に、患者さんやご家族、そして訪問看護師についての見方が変わりました。

―これまでも患者さんやご家族の想いを大切に関わってきたつもりでした。しかし在宅を希望される患者さんの姿を、本当の意味で想像できていなかったこと、それを患者さんやご家族に合ったやり方で、聴いたり伝えたりすることはできていなかったと感じました。

―これからは患者さんやご家族の想いを確認し、尊重するケアをしたいです。退院前カンファレンスに向かう心持がかなり変わりました。

価値ある研修になったのは、訪問看護スタッフのチカラによるもの、そして行った本人の感性、何より受け入れて下さった患者さんとご家族のおかげです。 ありがとうございました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
家がいいんだよね、やっぱり。

祭り太鼓と認知症ケア

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
秋という季節が好きなのですが、今年は長く楽しめるといいですね。

さて9月の半ばに2F病棟で開いた「ギリギリ夏祭り」←ネーミングいいですね。

ようやく人が集まる催しを盛大にやることとなりました。
写真の多くはインスタグラムにも掲載されておりますので、そちらもご覧くださいね。
天井には「祭」の文字が並び、わたあめやかき氷といった縁日や、「シャーク釣り」にくじ引きなどもあって、準備も楽しそう!

一か月前から準備を始めたお神輿。これは介護福祉士のSさんの考案でした。最後はボランティアさんにも手伝ってもらって仕上げました。神輿の下の方に「お賽銭」の箱も付けたら、本当にお金を入れてくださる患者さんがいらしたり、いつまでもお神輿を拝んでくれたり。最後は車いすに座っている患者さんたちが、わっしょいわっしょいと担いでくれて、大盛り上がりでした。

そして今回、ボランティアのFさんから太鼓を寄贈いただきました。なんでもご主人のご実家に数十年前からあった歴史ある太鼓で、地元のお祭りで活躍していたのだそうです。今はもうお祭り自体がなくなってしまって、家の飾りになっていたようです。
せっかくだから使ってくださいとのお申し出、ありがたくいただくことになりました。

当日張り切っていたのは2Fのスタッフだけではなく、院長でした。
華麗なばちさばきで太鼓を叩き、病棟中いや、外来にまでその音を響かせました。

その音を聞いて涙したYさん。子供のころを思い出したのだそうです。
子供のころのお祭って特別でしたよね。

こうした行事や音楽によって昔のことを思い出すのは、回想法と言って認知症の進行を遅らせるのに役立ちます。その人だけが持っている記憶の入り口にスイッチして、当時の映像が蘇るのです。

今年入職した介護福祉士さんに「びっくりしたでしょう?病棟でお祭りするなんて」と声をかけたら「私、来年もっといろんなこと提案してみようと思います」と笑顔で言いました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。

まだまだ、引き出したくさんありそうな、そんな予感。

土のチカラ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
急に涼しくなったかと思うと台風の影響で湿度が高くなったりして、まだまだ油断できない天候ですね。

先日保育園の子供たちが、2つ目の自家栽培スイカをおいしいね!と食べてくれました。インスタグラムに載った写真を見てニヤニヤしながら、食育について考えていたところ、北海道新聞(9/8朝刊)に「農作業をして野菜と触れ合うほど野菜好きになる」という記事が出ていました。

それによると、保育園児が苗を植えたり水をやったり、自らお世話をして実が育つ様子を観察することで、野菜に興味関心をもち、収穫した野菜の入っている給食の食べっぷりがよくなる、ということでした。

子供の野菜嫌いには理由があって、①知らない食べ物は本能的に安全性を確かめようとにおいを嗅ぐため、匂いがきらいだと食わず嫌いになる②酸味や苦みは避ける傾向がある③濃い色を避ける、などが原因のようです。

食わず嫌いの多い私は耳が痛い話です。私が食べないせいで、私の子供たちは給食で初めて春菊の存在を知った、といまだに言われます。

毎日園庭の入り口のスイカを見て、水をやり、収穫する。スイカを切るためのちょっとしたパフォーマンスが、子供たちに楽しい体験となったのは間違いないと思います。そして食べた結果甘くておいしいと認識されたことで、おそらくこれからもスイカを食べてくれるのではないかなと思います。

去年まで食べない子が多かったのは、きっと食わず嫌いも含まれていたのでしょうね。

それから、ネット上で「土に触れる生活が心身の健康につながる。抗ストレスの妙薬は土壌にあった」という記事が目に留まりました。土壌に生息する細菌マイコバクテリウム・ヴァッカエに、抗炎症作用や免疫調節、ストレス耐性などの性質がある、という米国コロラド大学が発表した研究結果です。牧場で暮らす子供にアトピーはいない、とは以前から言われていたことですが、泥やホコリにまみれる農村の子供たちや、ペットと暮らす子供たちは、都市部の住人よりも強い免疫システムを持ち、精神疾患のリスクも少ないのだそうです。自然の中にある微生物が、人間の身体を丈夫にしていることが証明されたのです。さらに研究チームは、不安やストレスを感じるイベントの前に、熱処理されたワクチンを接種することによって、ストレス耐性を高める効果があると発表しています。

まあ、痛いワクチンよりは、日常的に土に触り、お日様を浴び、自然に丈夫になって野菜好きな子供になってほしいなあと思います。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
看護師たちにも農作業を体験してもらって、土のパワーをもらってもらいたいもんだなあ!

祝福

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
まだまだ暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

自分事で恐縮ですが、先日師長さんたちが私の誕生日をサプライズで祝ってくれました。
まったくそんな気配をみじんも感じさせずに準備をしてくれて、さすが名女優たちです。
しかも予定していた日に、私の急な出張が入ったため、結構大慌てで調整したのだとか・・。

そのあと、保育園の園児と保育士さんたちからもプレゼントをいただきました。
忙しい仕事の合間に、本当にありがとうございました!


誰かを喜ばせる、しかもびっくりさせる形で。
これってチームをひとつにするんですよね。
楽しい企てを共有し、巻き込み巻き込まれてXデイまで準備する。

最後は「あの人喜んでくれるかな。どんな顔するかな」だけを楽しみにして。

今回祝福を受ける側になってみるとですね、まあ照れくさい、照れくさい。
でもみんながこそこそ準備してくれたんだ~って思っただけで、何か体の内側からパワーが湧いてくるような気持ちがしました。
「よおし、なんだか力が湧いてきた!」みたいな。


今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからもゴキゲンで働きます。