2021年12月
もういくつねると
こんにちは。
やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
気が付くと、師走もあと数日となりました。
今年はコロナウイルスにより、時代が一変したと感じる一年でした。
当院は4月にクラスターが発生しました。
患者さんやご家族、そして職員みんなにとって非常に長く苦しい2か月でした。
クラスターの時には札幌市の医療対策室の皆様やグループ病院の方に、それからボランティアをはじめとしてたくさんの方々に助けていただき、温かいご支援や励ましをいただきました。
6月に終息後はあわただしく7月の移転準備に追われました。
何かもう遠い昔のように感じますが、すべてこの1年の間に起きたことでした。(記憶が飛んでいます)
移転後は新しい環境や新たなチーム作りの中で、スタッフみんなよく頑張ってくれています。
ボランティアグループ「せら」さんたちも、コロナの制約の中で少しずつ活動を始めていただいています。
今、できることは何か?を模索しながら続けてくださるおかげで、病院内は花や緑、季節の飾りつけ、音楽など様々な社会の風が入り、以前と変わらずに人の温もりを感じることができます。
クリスマスは病棟内でイベントを開催することができました。
既存の概念にとらわれることなく、自由な発想で患者さんを喜ばせる、そんな気風がパワーアップした感じがします。
激動だった今年、本当にたくさんの方たちにお世話になりました。
病院が新しくなったのは、お世話になった方々の様々なご支援や激励、ご尽力があったからだと思います。
皆様のおかげで今こうしていられることに、心から感謝しております。
そして信じる仲間がいるということ、こんなにありがたいことはありません。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
なんだかんだと5年、書き続けていられるのは読んでくださる方がいるおかげです。
お正月はちょっとお休みをいただきまして、新年の投稿は1/11を予定しています。
皆様も、穏やかでよい年末年始をお過ごしになりますように。
そして来年もさらにワクワクする方へ。
朋あり、遠方より来たる
遠方からの友人が病院を見学に来てくれました。
医療者であり、がんサバイバーでもあるその友人。
辛口毒舌を期待した私ですが「ここで働きたい、いやこの病室に住みたい」と言ってもらえて正直ほっとしました。
がんであることがわかってから、そのときどきの状況を教えてくれるので、私もためらわずに話をすることができます。
病気の状態やその時々の心境は、教えてもらわないとわからないものですが、教えたくない、話したくないということもあるでしょう。
そんな時は黙って寄り添っていられたらいいなと思います。
まあ、寄り添うことをゆるしてもらえたなら、ですけれど。
なんにせよ久しぶりのリアルおしゃべり。
ランチでもと入ったお店はことごとく混んでいて、あやうくランチ難民になるところでした。
北海道内のコロナ感染者はこのところ10人以下。
また自粛生活が再開されるかもしれない空隙に、私たちは向かい合ってゆっくりとランチを味わいました。
こうして、心から大切に思う相手と、語り合いたい人と、共にする時間のなんと愛おしいことでしょうか。
「がんになって、考え方が変わったと思うことはある?」と聞いてみました。
友人は「ん~」としばらく考えてから
「あんまり先のことは考えなくなった、かな」と言いました。
いろんな意味が含まれた言葉だなと感じました。
職業人としては、遠い先の約束はしにくくなったのかと想像しています。
思えばこの旅も、LINEでちょっと会話した後、数日後に「行くからね」と連絡がきました。
会いたいと思ったらその日が大安吉日。
いつかそのうち、なんて言わないで、そう思ったら行くとき。
今度は私が行くからね、と再会を約束したのでした。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
何気ない一日が光輝いて。
ゆずしごと
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今日は仕事から少し離れたお話ですが。
先日兄の家の庭で採れたゆずが段ボールで送られてきました。
自宅用に取り分けた後、職場に運んでゆず好きな人に持っていってもらうことにしました。
すると意外なことに声をかけたほとんどの人がゆず好きな人で、このゆずで何をするか(作るか)という話をみなさんしてくれるのです。
絵を描く、というのは前野先生。
事務長は焼酎にぎゅっと絞る。
ジャムを作ると言う人数名。
ゆずはちみつを作ってゆず湯を飲む。
お風呂に入れる。
鍋物をゆずポン酢で食べる。
お漬物に刻んだゆずを入れる。
ただもらっただけで、テンション上がる!という人も。
ゆずピールにしようとしたが、乾く間もなくすぐに食べてしまいました、という人も。
こんなにもゆず好きな人がいるんだなあ。
そして同じゆずというものに対して、見事にみんな違う視点で見ているんだなあ、と感心しました。
私は半分ジャムにして、半分はゆずぽんで湯豆腐をいただきました。
ジャムは少し手間はかかるんですが、アクを取りながらコトコト煮ている時間が好きなんです。そして家中にゆずのさわやかな香りが広がって、鼻腔いっぱいに吸い込み、きもちまですっきりします。
ジャムは瓶のまま冷凍して、冬の間トーストに載せたりヨーグルトに混ぜたりして楽しみます。
持ち込んだゆずはあっという間に売り切れ、現在追加発注中です 笑。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
お兄ちゃん、来年も頼む。
ペイ・フォワード
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
最近ようやく外からの研修生をぽつぽつと受け入れるようになりました。
ホスピスや障がい者病棟での研修を受け入れて、研修の終わりに振り返りの時間を持つことを楽しみにしています。
先日終了した方たちと、梶原教育師長と一緒にお話を聴かせてもらいました。
私もかつてはそうだったんですが、急性期の病院から来ると、この病院の対話にかける時間と質に、みなさん驚かれます。
ある研修生の方がこんなお話をしてくれました。
「私が院内の中でちょっと道に迷って、それは迷ったと自覚するかしないかぐらいのほんの何秒間かのときなんですけれども、どこの部署かわかりませんが『どうされましたか?』って声を掛けてくださる人がいるんです。それも1度や2度ではありません。「あ、研修生の人だ。迷ったのかな」ってアンテナを張ってないと、ああは早く声を掛けられないと思います。それがどの職種の人も常に心掛けているんだな、職員みんながホスピスのこころなんだなと思いました。」
これは私自身も体験しました。着任したばかりの頃、職員食堂に初めて一人で入った時に、何からどうすればいいのかまごまごしていると、医事課の男性職員が食事の途中なのにさっと立ち上がって、トレーを取るところから流れを説明してくれたのです。
自分の食事が冷めるのも構わずに、丁寧に説明してくれて私は恐縮してしまいました。
私が食べ終わるころになると、今度は別な職員が食器をどうやって片付ければいいのかを教えてくれました。
誰かに言われたから、とか私が看護部長だから特別に、というのではなく、新しく来た人には誰とは決めてなくても自主的に教える風土がある、と後で気づきました。
人から親切にされると「あ、じゃあ今度は誰か新しい人が来たら私も親切にしてあげよう」と思うものです。「ペイ・フォワード」という映画がありましたけど、たしかそういう話じゃなかったでしたっけ?
こういうことは簡単なことなんですけれども、案外みんなができることではありません。
組織文化と言ってもいいかも知れません。
今や私も当たり前になってしまいましたが、研修生の発見によって改めて気づかせてもらいました。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
小さないい火を消さないように。