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2021年6月

トリセツ今昔

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

先週は毎日いろいろなきまりごとを作ったり、合間に荷造りをしていました。
それから新しい機械などの取り扱い説明を受けています。

新病院には各病棟に特別な浴槽が設置されましたので、看護師や看護補助者と共に説明を聞きに行きました。
この取り扱い説明というもの、使う人が全員聞けるわけではないですし、一度聞いたからといって全部を理解してすぐ使えるというものでもありません。
説明書を「読む」のが得意な人と、「聞く」方が頭に入る、という人がいますよね。
聞いた瞬間「ふんふん、なあるほど」と理解したつもりになって、実際使うときに「あれ?どうだっけ」というのも人の常。
私は「聞く」方だと自覚してますが、実はよく聞いてなくて、過去にはいろいろ壊したこともあります・・・。

これまでは古くてがたついていた特殊浴槽をだましだまし使っていました。
メーカーの方が、ひとつひとつの動作を説明しながら動かしていきました。
新しい浴槽にお湯が勢いよく出る・早く排水できる様子だけで「わあ~」と小さな歓声があがります。
使用後のお手入れについての説明も、ストレッチャー(寝台)のパッドの外し方に「ほお~」。
「ここに水垢が溜まるんですけど、時々メンテナンスに来てもらえますか?」という具体的な質問も上がりました。

使い方を知るだけじゃなく、大事に使おうと考えるからこその質問。
私は心の中で感謝しています。

それらの様子もスマホで動画を撮り、グループLINEでシェアするという便利な方法があるので、人づてで伝承するよりも早くて一目瞭然、助かります。


今週もこのブログに来てくださりありがとうございます。
いずれその映像もアーカイブになりますね。

既成概念をぶっ壊せ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今、私は6月19日に行われた、新病院の竣工式の余韻を味わっています。
3年前、ちょうど台風と北海道ブラックアウトの間に行われた基本設計の話しあいから始まって、コロナ禍をくぐりぬけ、事故も遅れもなくこの日を迎えられたことにまずは感謝したいと思います。
建物の建設というのは、こんな風に話しあって進むものなのか、とこのたび初めて知りました。
私たちのイメージを伝え、設計会社さんがそれを受けて提案してくれる。
「病院らしくない病院を作りたい」「日本一のホスピスを」と言っている私たちが、実は「病院」というこれまでの既成概念に縛られていることを、何度も感じました。

例えば「ナースステーション」という場所は普通の病院では医療者しか出入りしない場所です。そこには患者さんの個人情報や厳重管理の物品があります。患者さんとの対話でプレッシャーを感じた看護師が、素の顔に戻る場所でもあります。窓口がオープンでも、患者さんから見ると見えない城壁がとり囲んでいて、気軽に立ち入ることはできない場所なのです。

新たな病院はその壁を取り払い、病室=患者さんのお家と考えて、お家から出てきてちょっと世間話をしたり、一緒にお茶を飲んだりできるような広場になっています。
設計会社さんからの提案に最初は面食らったものの、時間をかけて話しあっていくうちに、物理的に城壁を開放しなければ、本当の意味で「寄り添う」ことにならないのではないか?と思うようになってきました。

それから「すてきな階段」を作りましょう、と何度か言われました。
「すてきな階段ってなんだろう?」と?マークで頭がいっぱいになりました。
予算とスペースを有効活用するために、職員が通る階段の踊り場にミーティングスペースを作ってくれました。ちょっと数名が集まって話しあえる場所ってとても重宝します。
ましてや今は黙食の時代ですから、休憩スペースがたくさんあることはとても大事なのです。


こんな風に、既成概念をぶっ壊していくきっかけがあって、いろんなことが進化していくのでしょう。
話しあい、時に熱く闘い(笑)、建築の方が形にしていく。それぞれの専門分野から様々な意見を出し合いまとめていく。これまたチームの力だと感じました。その根本には「ホスピスのこころ」「日本一のホスピス」という理念がありました。

コロナ禍のため、竣工式とセレモニーは少人数で行いました。
感謝と労い、それぞれの温かい思いが交流し、何度も胸が熱くなりました。
クラスターのために心が塞がっていましたが、私たちらしい、あたたかなセレモニーになったことに感謝します。

この素晴らしい建物に、魂を入れるのは私たち。
これからもホスピスのこころを大切にする病院であるように、との思いを強くしました。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
近々web内覧会を設置の予定です。お楽しみに!

キットイミガアル

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。

新築移転が目前に迫り、院内はどの部署も忙しくなっています。
この週末、札幌は真夏のような暑さでした。
ボランティアの園芸部の方たちが、新病院・正面玄関前のスペースの土を入れ替えてくれました。これから少しずつ花壇が作られていきます。
新しい建物に彩りを添えてくださって、ありがとうございます。

クラスターが起きている間、植物には正直手が回りませんでした。
日々状態を見ながら水やりをし、声をかけられなかった約2か月。
「心を亡くす」の文字通り、忙しすぎてあらゆることへの丁寧なかかわりを失っていました。
イチゴ畑は受粉ができなくて、実がほとんどつかず。
水と光と手入れ・・手をかけてもらえなくて、イチゴも不自由だったでしょう。

振り返ると、患者さんに日々行っていたケアも同じことが言えるのです。
身体に触れ、笑顔で話しかける。
時にはじっくりそばに寄り添ってお話を聴く。
たっぷりと泡立てた石鹸で体を洗い、お湯に浸かっていただく。
こんな当たり前の日常を、コロナウイルスのため制限しなくてはなりませんでした。

看護師たちはどれだけ葛藤の中にいたでしょう。
クラスターの中、対策が次々変更し、じっくり話しあうこともできず、先が見えない日々。
必要なケアを十分にできないのなら、看護師ってなんのためにいるんでしょう?
そして短時間で去っていく看護師の姿を、患者さんはどう見ていたのでしょうか。
ある日突然宇宙人のような姿で病室に来た看護師を見て、心細くさせてしまったかもしれません。

ナースステーションに「(クラスターが)解除になったらしたいこと」と題して
*お風呂でしっかりキレイにしてあげたい
*シャンプーで2度洗いしてあげたい
などと大書してありました。
こんな当たり前のことが実現できて、ただただうれしいです。

心と体が喜ぶようなケアは、単なる時間だけでは測れません。
これからもコロナウイルスと付き合っていかなければならないなら、手探りし続けないとなりませんね。
きっと意味があるからこの試練があったのだと思います。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
「おかえりモネ」の影響で空を見上げることが多くなりました。

新しい札幌南徳洲会病院で働きませんか?

札幌南徳洲会病院、看護部長の工藤昭子です。

当院では7月5日(月)から移転オープンを目指し、現在準備を進めているところです。
新しい病院は緩和ケア病棟20床が2病棟、障がい者病棟48床、透析室25床となります。
先日までクラスターの対応をしていたため、大きな声で言えなかったのですが、実は病棟で働く看護師さんを若干名募集中です。24時間保育所も併設しております。
勤務は8月から来ていただけるとうれしいです。

障がい者病棟・緩和ケア病棟いずれも8月から勤務できる方、ぜひご連絡ください。
詳しくは下のボタンからお問い合わせフォームへ。
ご応募お待ちしています。

お知らせ, 札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ> | 更新日:2021-06-10

ブログ、再開します

ご無沙汰しておりました。
やさしさビタミン・ブログの工藤昭子です。

4月17日に始まったコロナウイルスのクラスターは6月3日にようやく終息を迎えました。
この間にお亡くなりになられた方のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
クラスターがなければ、ご家族との時間が過ごせただろうに、普通にお別れができただろうにと何度も思います。
患者さんとご家族の気持ちを思うと、申し訳なく胸がいたみます。
また、外来患者さんや健診を予約されていた方にもご迷惑、ご心配をおかけしました。

病院の日々を書き留めることが私の楽しみでもあったのですが、ことこのクラスターに関してはとてつもなく強大な力で振り回され、食欲も笑いも失うくらいのエネルギーで圧迫され続けました。
今も緊張感を緩めてはいけないという、妙な力が入ったままなのを感じています。

それでも、今立ち現れる現象や感情というものは、今書かないと霧散霧消してしまう、という風にも思います。
何を学び何が辛かったのか、どうして感情がささくれたのか、こんな中でも良かったことはなんなのか、それを拾い集めて書くことはキツイ作業ですが「でも必要なことだぞ」と自分の中心が言っているのです。

ひと息ついたら新病院に頭を切り替えて。

落ち着きのないブログになっていきそうですが、
まずはご心配いただいた皆様へ、ご報告として。

お知らせ, 札幌南徳洲会病院看護部長 工藤昭子の やさしさビタミンブログ, 病院の日常風景> | 更新日:2021-06-08