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看護部からのお知らせ

既成概念をぶっ壊せ

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今、私は6月19日に行われた、新病院の竣工式の余韻を味わっています。
3年前、ちょうど台風と北海道ブラックアウトの間に行われた基本設計の話しあいから始まって、コロナ禍をくぐりぬけ、事故も遅れもなくこの日を迎えられたことにまずは感謝したいと思います。
建物の建設というのは、こんな風に話しあって進むものなのか、とこのたび初めて知りました。
私たちのイメージを伝え、設計会社さんがそれを受けて提案してくれる。
「病院らしくない病院を作りたい」「日本一のホスピスを」と言っている私たちが、実は「病院」というこれまでの既成概念に縛られていることを、何度も感じました。

例えば「ナースステーション」という場所は普通の病院では医療者しか出入りしない場所です。そこには患者さんの個人情報や厳重管理の物品があります。患者さんとの対話でプレッシャーを感じた看護師が、素の顔に戻る場所でもあります。窓口がオープンでも、患者さんから見ると見えない城壁がとり囲んでいて、気軽に立ち入ることはできない場所なのです。

新たな病院はその壁を取り払い、病室=患者さんのお家と考えて、お家から出てきてちょっと世間話をしたり、一緒にお茶を飲んだりできるような広場になっています。
設計会社さんからの提案に最初は面食らったものの、時間をかけて話しあっていくうちに、物理的に城壁を開放しなければ、本当の意味で「寄り添う」ことにならないのではないか?と思うようになってきました。

それから「すてきな階段」を作りましょう、と何度か言われました。
「すてきな階段ってなんだろう?」と?マークで頭がいっぱいになりました。
予算とスペースを有効活用するために、職員が通る階段の踊り場にミーティングスペースを作ってくれました。ちょっと数名が集まって話しあえる場所ってとても重宝します。
ましてや今は黙食の時代ですから、休憩スペースがたくさんあることはとても大事なのです。


こんな風に、既成概念をぶっ壊していくきっかけがあって、いろんなことが進化していくのでしょう。
話しあい、時に熱く闘い(笑)、建築の方が形にしていく。それぞれの専門分野から様々な意見を出し合いまとめていく。これまたチームの力だと感じました。その根本には「ホスピスのこころ」「日本一のホスピス」という理念がありました。

コロナ禍のため、竣工式とセレモニーは少人数で行いました。
感謝と労い、それぞれの温かい思いが交流し、何度も胸が熱くなりました。
クラスターのために心が塞がっていましたが、私たちらしい、あたたかなセレモニーになったことに感謝します。

この素晴らしい建物に、魂を入れるのは私たち。
これからもホスピスのこころを大切にする病院であるように、との思いを強くしました。

今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
近々web内覧会を設置の予定です。お楽しみに!