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2018年8月

人間的な判断はチームで行う~柏木哲夫先生の講演から

ホームケアクリニック札幌は10年前に緩和ケア専門の在宅診療所として産声を上げました。
当院総長の前野先生と田中師長さん、ソーシャルワーカーの故提箸さんの3人でスタートし、10年の間に変化しながら、地域の中で必要とされていることをコツコツ丁寧に続けてきました。

先日札幌市中心部で10周年記念の講演会が行われました。
記念講演をされた柏木哲夫先生は日本のホスピスを築いてこられた方で、前野総長の師匠です。
ということは当院のマインドも柏木先生の教えから続いているもの、ということです。
本もたくさん出版されています。どの本も温かい言葉でつづられていて、人は死の間際までユーモアを持つことができると、先生の本で知りました。

そんな先生の講演を間近に聴くのは初めてです。
聴衆の半分は一般市民の方でしたので、先生は易しい言葉を選んでお話されました。

人間的な判断はチームで行う

患者さんを診るとき、当たり前のことですが医師は医学的判断、看護師は看護的判断をします。ソーシャルワーカーは社会制度から見た判断、理学療法士は身体運動機能からの判断となります。
それぞれは専門的ですが一つの方向からだとその人の全体像は見えません。

一人一人の専門職集団が、自分の領域から見聞きしたことを一つの場で話し合い、情報を共有することによってその人の全体像をとらえることができるのです。
全体像を人として見て関わるためには、偏らないでメンバーが何でもいえる場を作ること、そして他のメンバーの意見を受け止めて、リーダーがそれをまとめる必要があるのです。
これが今医療界で言われているチーム医療です。
でもこれがなかなかできてないことが多いのです。
医師も看護師もソーシャルワーカーもそのほかの職種も、対等にモノがいえないところがまだまだいっぱいあるのです。

柏木先生は「人間的な」とおっしゃいました。
人間的な判断をするには医学的専門的判断だけでは偏りが生じるので、様々な視点が必要なのです。
いいこともよくないこともありのまま受け止める寛容さを、チーム全体で持つというニュアンスが、先生のお話から感じられました。
それには、弱さを出してもいい場を保証し、見下したりせず穏やかに話し合える場にならないといけないのでしょう。
見栄やプライド、専門用語で覆って、意見を言うと批判に聞こえてしまうような場や、話す人は決まっていて一言もしゃべらない人がいるのでは、表面的な話に終わってしまうのです。
医療者は特に謙虚で素直になって、他者の話をよく聴く必要があります。

って「言うは易き、行なうは難し」ですね。
若い世代が、基礎教育のところから一人の患者さんについて対等に話し合うトレーニングを積むべきじゃないか?と思います。
人間とは?とか生きるとは?という話を柔らかい頭で話し合い、患者さんの話を聞くことにもっと時間を割いたらいいな。きっと。

そうしてお互いに聞きあうことで、人間性がはぐくまれていくのだと思います。

新人時代お世話になった矢崎先生も会場に!

 

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
人の話をよく聴いてないことが多い私は、ちゃんと聴こうと思います。

看護師、地域へ出る

病院の中で働いていると、私たち看護職員はまったくもって井の中の蛙です。
病院の中には様々なルールや日課があり、看護師たちはそれに則って仕事をしています。
入院病棟はある意味集団生活の場でもあるので、入院されている方にもその日課に協力していただいておりますが、ご自宅のような気楽な環境には遠く及びません。
国の方針も病院は減らして、地域で暮らすことを支える方へと向かっています。
そこで病院の看護師はもっと地域に出て施設や訪問看護師のことを知った方がいい、ということで
昨年(平成29年度)から、向かいの関連施設である特別養護老人ホーム・ケア付き住宅・デイサービス・ホームケアクリニック札幌さんにご協力いただきまして、月に1~2名の見学研修を受けさせていただいています。

お向かいの連携施設です。


1〜3日間の短い時間ですが、入居されている方が入院中とは違う明るい笑顔で過ごされている姿を見せていただき、看護師たちはうれしい驚きを感じて帰ってきます。
以下に感想の抜粋を載せてみました。

*外来では社会資源をうまく活用できていない方も多く、その人その家族に合った社会資源を多職種と連携してつなげていけたらと感じた。
*入居者が必要な情報を共有できるようにサマリーの内容を充実していきたい。
*知らず知らずのうちに考え方が固まっていたことに気付くことができた。看護師を続けていく上で、視野を広げるいいきっかけになった。
*施設では医療材料が限られているので、ご家族に負担がかからないように工夫をしていた。。
*在宅では、患者さんのお宅にお邪魔させていただいている、という雰囲気が非常に伝わった。ホストは患者さんで、私たちはゲストの立場になる。
*施設から病院に入院した場合には、普段の生活リズムを崩さないような生活への配慮が必要だと感じた。
*(入院していても)楽しい気分で過ごせるような対応がいいなあと思いました。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます????
この気づきを消さないように・・一人ひとりが大事な力です。

平成30年度中途採用(10月)看護師募集のお知らせ

札幌南徳洲会病院では、平成30年度中途(10月)採用の看護師を募集しております。

詳しくはこちらこちらをご覧ください。

お知らせ> | 更新日:2018-08-14

続・楽しい時間を創り出すって楽しい


先週3F病棟で初の「お茶会」が開かれましたが、「お茶会」なんていう静かなネーミングとは違って、盆踊り大会でした。

詰め所前の小さなデイルームは天井から「祭」の文字がぶら下がり、中央には手づくりの太鼓が用意されました。CDからは北海盆唄が流れています。
音楽の背景には打ち上げ花火の音が入ってて効果的です。
法被を着た職員と車イスの患者さん、ボランティアさんやご家族を巻き込んで、狭いながらも楽しい盆踊りでした。
たまたま指示を出しに来たドクターも、そこを通るために踊ってくれて、みんな大笑い。

懐かしい音楽が心に触れたのか、涙ぐむ患者さんもいらっしゃいました。
30分程入れ替わり踊った後は、太鼓を病室に運んで患者さんに叩いてもらったり、写真を撮ったりしました。
バチの代わりのめん棒を握って、リズム良く叩く方。
太鼓をお腹にのせてご家族が叩いて体で振動を感じる方。
それぞれに楽しんでいただけたかなぁと思います。

そのうち、どこからか甘い匂いが立ち込めて来ました。

2F病棟では縁日企画で綿あめとかき氷のサービスが始まっていました。
気温は高くない日でしたが湿度が高かったので、かき氷に人気が集まると思いきや、綿あめの方がよく売れました。
ここにも先ほどのドクターが参加していました。

翌日、盆踊りの考案者に聞いてみました。
「最初のお茶会が盆踊りだとは思わなかった。発想がいいよね~。どうして盆踊りだったの?」
「丁度お盆だったから盆踊りをやりたいなあと思ったんです。スタッフにも協力してもらい、ご家族にも伝えて、ベッドから出られない方の所へは太鼓を持って行くからねって言っていたんです。」
「太鼓はどうやって作ったの?」
「段ボールと100均の壁紙で・・」

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
心を自由にして可能性を広げよう。

楽しい時間を創り出すって楽しい

毎週水曜日に行われるホスピスのお茶会。
ホスピス以外の患者さんやご家族にも楽しんでいただいてますが、何せスペースが狭いので、ゆったりとくつろぐという感じではなく、いつも申し訳ないなと思っております。

それで去年から障害者病棟でもハーモニカの演奏会を単発で開いて、より多くの方に参加して頂けるように企画してきました。
ホスピスのお茶会と同じ時間帯に行うので、ボランティア・コーディネーターの鈴木さんは大忙しです。院内を走り回ってどちらも事故なく上手くいくように見回っていました。

そんな時「病棟独自のお茶会をやってみたいんだけどいいですか?」と病棟師長より提案がありました。

病気が安定して、その人なりの健康度合いが維持できるようになると、病院の日常は退屈なものです。楽しんで出来ることや、興味のあることが出来たら、笑顔になるし、認知症の方にも気持ちのいい刺激になります。

すでに2階病棟ではカラオケ大会をしていましたが、今月3階病棟でもお茶会を開くことになりました。看護師と介護福祉士、ボランティアさんが一緒に考えていて、何をするかはまだ私も知りません、というか秘密裏に準備していて当日のお楽しみだそうです。
飲み物はちゃんと落としたホットコーヒーとカルピスの2種類。

この辺り、私はなーんにも口を出しません。
人を喜ばせようとすることには自由な発想が湧いてきます。
そして終わった後もきっとさらなるエネルギーが湧いてくるでしょう。
患者さんと職員の笑顔。それが楽しみです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
もっと看護師の自由度を上げよう!