頭をやわらかく
先日法人グループの中で業務改善発表会が行われました。
毎年札幌と仙台を交互に行き来して開催したのを、今年はオンラインで開催することになりました。
11施設からの発表はどれも現場の困りごとを題材にしていて、興味深いものがありました。当院からは患者さんの排便について薬に頼らず自然の力を使うテーマで発表されました。
業務改善発表会とは、いま起きている現象を違う視点から捉えなおし、データを活用して分析し、改良した結果どうだったのかを表すものです。
日ごろ臨床で働いていると、ルーティンワーク的な業務に慣らされてしまい「そもそもこれってなんのためにするんだっけ?」ということを考えずに、いわば思考停止のまま何年も過ぎてしまうことがあります。
先週のブログでご紹介したような「POOマスター」も、カチカチに固まった私たちの思考をほぐしてくれるものでした。
本来の患者さんの体が持つ力を引き出そうよ、そうすると患者さんも看護師もハッピーだよ、という至極当たり前の結果をもたらすのです。
その日の発表会で1位に選ばれたのは、看護師の前残業(始業前に早く来て先に残業すること)を減らすことに取り組んだものでした。
今日の受け持ち患者さんの情報を早く収集して、スタンバイしておきたい。
それは真面目な看護師たちに受け継がれてきた習慣で、働くスタイルだったりします。
先輩が早く出勤しているのに自分があとから来るなんて、という気持ちも働くかも知れません。
けれどもそのために前残業が習慣化するのはよくないのではないか、と主任たちは考えました。
これも「スタート時間をちょっとずらす」だけでずいぶん効果が出たという結論でしたが、「ちょっとずらす」ことを論理的に説明して、上と下に納得してもらうエネルギーが、相当必要だったろうな~と想像します。
「こうあらねば」とか「いままでずっとこうやってきた」とかいう声も聴きつつ、頭をやわらかくして業務を改良していく。
無駄な時間が減った分、患者さんのベッドサイドに行く時間が増えて、患者さんをどれだけハッピーにしたのか。
そう考えるとテーマは無限にありますね。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
だからいろんな本を読み、人と対話するのが役に立つんだな。