身体抑制ゼロ
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
先日障がい者病棟の師長さんが「部長、ご報告です」と言いながら合格証書を持ってきました。認知症ケア専門士。忙しい日々の中で勉強していたのは知っていましたが、やりましたね~!
うれしい報告でした。
当院では5年前から「認知症カンフォータブル・ケア」を導入し、それをきっかけに認知症看護に関心を持つ看護師さんが就職してくれるようになりました。
昨年は認知症看護の認定看護師課程に進んだ看護師もいて、これからますます認知症ケアに磨きがかかると予感させてくれます。
この病棟では昨年7月から身体抑制がゼロになりました。
それまでは経管栄養のチューブや、気管チューブが入っている方が、ご自分でふいにチューブを抜くことがあって、それを防ぐために手に「ミトン」をつけていました。
抜くことは命の危険が伴うため、いかに抜かないよう防ぐかが優先されるのは、病院ならではのこと。しかし一方で不快なものが身体についていて、それを取り外したいと思うのも人として自然なこと。ずっとつきっきりにはなれない現状。ここに看護師のジレンマがあるわけです。
チューブを外した患者さんに「(チューブがなくなって)お鼻、すっきりしましたね」「次のごはん(経管栄養)まではこのままでいましょうね」と率先して優しい声をかけていたのはこの師長さんでした。
こうした声掛けがスタッフにも浸透し、安易に抑制に戻ることなく「まず何ができるか」をみんなで考える習慣が身に付きました。
自分たちがPCR検査をすることが増えて「めん棒で突っつかれるだけであんなに痛いのに、それがずっと鼻に入っているんだから、患者さんは苦痛だよね」という共感も、抑制ゼロにつながっていると言います。
看護部の目標に「身体抑制を限りなくゼロにすること」を挙げていました。
スタッフが納得感を持ってゼロにできていることが、なによりうれしいです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
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