認知症ケアの風景
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
札幌は、すっかり秋の季節に切り替わりました。
銀杏が緑から薄緑に変化してきています。これから紅葉がぐんときれいになる時期です。
今日は、日常的な認知症ケアの様子をご紹介しようと思います。
院内を巡回していると、ナースステーションの中でまるで職員のように混じっているAさんの姿があります。
Aさんは認知機能が低下していますが、日常生活動作は普通にできるので、病棟内を自由に歩くことができます。
カンファレンスに一緒に参加していたり、職員の誰かと一緒に病棟内を歩いたり、廊下のお掃除をしています。
この方は以前は会社勤めをしていらっしゃいました。と同時にとても手先が器用だったので、近所の人に何か頼まれるとすぐに対応してくださっていたそうです。
そのため、町内ではとても人気があり頼りにされていたそうです。
そういう背景を持った人ですから、時々職員と一緒に病棟を点検して回ったり、壊れているところがないかを一緒に見てくださっているのだと思います。
日中はそんなふうに動いてらっしゃるので、食欲もありますし夜はぐっすり眠ってくださいます。
Aさんのこのような行動は、徘徊というふうに言われたりします。徘徊というのは行動する意味が自覚されているか、されてないかわからずさまよっている状態を言うのですが、Aさんのこれまで生きてこられた背景を理解することによって、その方が「今」生きている世界に私たちも入り込み、同じものを見ようとすると、各お部屋を回って困り事がないか確認してくれている、人の役に立つ尊い仕事をなさっている姿が浮かび上がります。
こんなふうに、付かず離れず見守りながら、Aさんの行動を危なくないように支えてくれているスタッフから、私も認知症ケアの醍醐味を教わっています。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
相手の関心事を知るということだよね。