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看護部からのお知らせ

慰霊祭に思うこと

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
6月22日に、当院では年に一度の慰霊祭(こもれびの会)を開催しました。

当院はホスピス=緩和ケアの病棟ができて21年目になります。
たくさんの患者さんと出会い、共に過ごし、その旅立ちを見守ってまいりました。
院長は、かつてアルフォンス・デーケン先生から、ご遺族のグリーフ(悲嘆)ケアのために遺族会を開くといいですよと直接教わったのだそうです。

がんという病気にかかると、患者さんはもちろん、ご家族も一緒に治療の選択と意思決定を迫られ、がんと闘い続けてきます。病院のいわゆる標準的治療を受けない方もいらっしゃいますが、共通しているのは良くなるために、今一番必要なことを選びつつ進んでいくということ。

緩和ケアは、本来積極的な治療と同時並行で始まってほしいのですが、ほとんどの方は選択と闘いにエネルギーを費やしてから、いらっしゃることが多いです。

私どもの病院や、ホームケアクリニック・訪問看護ステーションでは、辛い症状を緩和し、穏やかな生活を取り戻すことを主眼に置いています。
少しでも食べられる、少しでも起きていられる、できたら音楽も楽しめる、お誕生日を祝える、調子が良ければ家に帰る、ということが実現できたらいいなと思ってみんなで話しあっています。


慰霊祭は、人生を精一杯生ききった故人を思い、大切な人が今も心に生き続けていることを実感する場にもなります。私自身、昨年身内を亡くしたので、ご遺族の気持ちを感じながらその時間を過ごしました。
そして少しだけ、同窓会的な要素もあるような気がします。

慰霊祭が終わったあと、職員とご家族が目を潤ませながら、そこここで話し込んでいます。
別れ際に握手したり、ハグしている姿も目にします。
患者さんを一緒に支え、伴走したご家族と医療者が「あのとき頑張ったね」と言い合える場として、私達医療者にとっても、大事なグリーフ(悲嘆)ケアの場なのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
これからも、伴走者でいさせてください。