https://sapporominami.com/nurse/

文字の大きさ変更

サイトマップ
0118830602

看護部からのお知らせ

弔いのカタチ

コロナ禍の前後で、かなり変わったなと思うのは、葬儀のあり方です。
以前は一般葬と家族葬に大きく別れていましたが、コロナの間に家族葬が増えて、「直葬」とかお通夜のない「一日葬」という形も出てきました。

私はわりと子供のころから、死やそれにまつわる葬儀というものに関心がありました。

先日ある方のお父様が亡くなられました。仮にAさんとしましょうか。
Aさんのお父様はご自宅で闘病生活を送っておられました。
Aさんはお父様に万一のことがあれば、できうる限り自宅で看取りたいと考えていましたが、病状が急に変化したため救急車で病院に運ばれて、治療のかいなく数日後に亡くなられました。
お父様は引退してずいぶん経つので、自宅で家族葬をしようということになりました。
「家族葬」というと、家族だけで行うので、外の人は行かないのが流儀ですが、ここは図々しくお花を届けに行く私でした。

ご家族で湯灌を行い、愛着のある仕事着を身につけ、家族みんなで思い出を語り合いながらお体を整えたそうです。
お父様のそばに家族が集まり、時に泣き、笑い、お経を上げて、2日目に荼毘に付されました。
いわゆる一般的な葬儀の儀式によらず、家族がゆっくりとお父様の死を受け止めて、旅立ちの準備を整えていく様が、私には少々うらやましくも感じたのでした。

「葬儀というのは、生きている人のためにあるのだよ」と昔目上の人に教わりました。
「大切な人を亡くして悲しみにくれる人を慰める」のが目的でした。

弔いの形は人それぞれです。私はお父様のそばにあるお座布団で添い寝するワンちゃんを見て、そのゆっくりと流れる時間の中でお父様を悼む気持ちを一緒に感じました。そしてせかされずに自宅で弔う葬儀のあり方が、とてもいいなあと感じたのでした。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
たまに考えておいたらいいよね。