傾聴ボランティアワークショップ
当院のボランティアさんの中には「傾聴」の方が数名いらっしゃいます。
家族や医療者には本当の気持ちを話せないけれど、ボランティアの方にだったら話せる、ということが、ままあります。
傾聴・あるいは寄りそいをするボランティアさんたちと先日今年度の振り返りをしました。
これは初めての試みです。
振り返りの目的はそれぞれの経験の中で難しかったと思うことや、よかったことなどを共有しお互いに学びあうことです。
患者さんからはそのとき感じているつらい感情が出てきます。
そんな時どう対応するのがよかったのか、という問いが生まれました。
「正しい対応なんてないし、会話技術でもない。ただそのつらい気持ちを受け止めるだけでいいのではないか?」
「何も言葉はなくても、ただ隣に寄り添っているだけで自然と言葉が出てくることがあるよね」
「家族にも言えない、人にはわかってもらえない感情を今ここで出せた、というだけでいいのではないかと思う」
「人生の中で失ったもの、後悔しているものごとに今向かい合っている。人は最期まで成長しようとしているのではないか」
という話がつぎつぎと出てきて、私は一言も聞き漏らすまい、とメモをしていました。
医療者は患者さんやご家族のお話を十分聴けてないのです。
けれどもボランティアの方がゆったりと傍らに座り、やさしい態度で接するおかげで「この人になら話してもいいかな」と思ってくださっているのだろうと思うのです。
そこでは弱音を吐いてもいいし、恨み言をつぶやいてもいい。
ただただ聴くことに徹してくださるから。
「患者さんの話をゆっくり聴きたい」
この病院に来る看護師はみんなそう言いますが、現場ではそうもいかなくて。
そこをなんとかするのが私の仕事なんですがね・・。
せめてこの、ボランティアさんたちの話をみんなに聴かせたいよな~と思うのです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
たった5分でも魂の会話に。