一番大事なのは患者さんを安心させること
今回の地震では非常時にとるべきリーダーシップについても考えさせられました。
普段はスタッフの意見を吸い上げるフラット型のリーダーシップを心がけていますが、非常時はやはり専制君主型の方が物事が早く的確に進みます。
限られた時間内に情報をとらえて、素早く意思決定することが求められるし、
決定したことは具体的で明確に伝えなければならない。
今回活躍したのは現場の師長さんたちでした。
電気が使えないし、水も制限がある。
できるケアは限られている。
いつも通りの温かいタオルは提供できないし、お風呂にも入れられない。
食べる・出す(排泄する)・寝るをしっかり確保してこの危機を乗り切ることが最優先です。
「一番大事なのは患者さんを安心させること。」
こう、言い切った師長さんがおりました。
私はそれを聞いて逆に覚悟が決まった感じがしました。
情けないですが私は予想外のことに瞬発力で対応するのは得意ではありません。
だからこの師長さんの言葉で「よし!」と背中を強く支えられた気がしました。
電動ベッドのギャッジが上がらないのは、代わりに布団を丸めて背中に差し入れる。
暗闇で怖がっていたら、患者さんのそばにいるようにする。
体は拭けなくても口腔ケアはいつも通り。
状況は刻々と変化するので、その流れをつかみつつ、言うべきことはシンプルに。
「一人暮らしのスタッフで、ご飯を確保できていないんです。」
「子供を置いてくるのが不安で連れてきました。今一緒に働いてくれてます」
非常時に働くスタッフへの気遣いも忘れずに、伝えてくれる。
ありがたいことです。
この期間看護師たちの患者さんを守る集中力が高かったせいか、大きな事故もなかったのです。
今日もこのブログに来ていただき、ありがとうございます。
師長さんたちの緊張もかなり強かっただろうになあと思います。