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看護部からのお知らせ

クラスターとケアの質

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
クラスターが起きてから、18日間で収束することができました。
思っていたよりも早く終わることができたのは、ひとえにスタッフの頑張りによるものです。
そしてグループ病院から、感染管理の認定看護師さんや臨床工学技士さんが手伝いに来てくれて、大変助かりました。それから入院患者さんのご家族にお電話した際、たくさんの方から励ましの言葉を頂戴しました。
心から感謝しています。

クラスター中は朝の所属長会議のあと、発熱や症状のある患者さんや職員のPCR検査を、優先順位を考えながら決めていました。
昨年のクラスターの時もそうでしたが、当院の特徴は職員の発生が多いということ。

私たちの予防行動が足りない? 
感染対策そのものが根本的に間違っている?
指導に来てくれた方からは、職員がこんなに感染するのは、患者さんへの直接的なケア・接触時間が一般的な病院よりも多いからでは?と言われています。

たしかに私たちの病院は、患者さんのお話をじっくりを聴くのが大事なケアのため、病室内の接触・滞在時間が長い傾向にあります。
去年のクラスター発生時は、保健所から「ケアの質を下げてください」と厳しい言葉を言われました。
これは結構衝撃的でした。

ケアの質を下げるとは・・何を?どれくらい?
にわかに理解できないでいると「病室に行く回数を、今まで5回だったら、これからは3回に減らしてください」と具体的に言われました。

医療者は「ケアの質を上げる」のが至上命題。
あえて下げろというのは、患者と職員双方をウイルス感染から守るため。
そんな真逆のことを言わなければならないなんて、保健所の方もなんともつらい役割だなと、今は思います。
つまりはいつも通りのケアだと接触時間が多すぎるから減らしてくださいと、そういうことですね。

しかし患者さんにとっては急に医療者が部屋に来なくなって、サービスが低下する。
ベッドサイドに膝を折って話を聞いてくれたのが、ドアから声をかけるだけになってしまう。
不安に思う患者さんもいらしたと思いますが、事情を知って協力してくださる方も多かった・・ありがたいことです。
コロナウイルスというのは、我々が大事にしていることを損ねてしまう、ほんとに憎い奴です。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
普通に部屋を出入りして、会話して笑いあえる、この当たり前を慈しもう。