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看護部からのお知らせ

カンフォータブル・ケアを始めて5年経ちました

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
研修や学会が対面式でもやるようになって、やっぱりうれしいです。
今月、離島の病院から看護師さんが研修に来てくれることになりました。2年越しでチャンスを待っていてくれたのだそうです。

当院では「ホスピス研修」と「カンフォータブル・ケア研修」の二つを受け入れてますが、今回は「カンフォータブル・ケア」のお申込みです。
何度かブログにも書いたのですが、初めての方向けにちょっとおさらいをしてみます。
カンフォータブル・ケアというのは認知症の方へのケアの手法です。2017年に提唱者の南敦司さんに研修会をしていただいて、病院全体で始めました。
カンフォータブル・ケアには「いつも笑顔」「いつも敬語」「やさしく触れる」などの基本的10項目がありまして、これを実直に守る、というのがケアの姿勢です。
これを守ることによって看護職員の態度が柔らかく優しくなり、それによって患者さんの心も落ち着いて、周辺行動(いわゆる困った行動)が徐々に減ってきます。自分たちの対応ひとつでこんなにも患者さんが穏やかになるのだとわかると、手ごたえを感じてきます。そして今度は患者さんにもっと喜んでもらいたい、という行動が増えてきました。

忘れられないのが一般病棟の夏祭りです。デイルームに手作りの大太鼓が設置されました。中身はポリバケツなんですが、それに紙を貼って色を塗り大太鼓が完成です。100円ショップで用意しためん棒をバチ代わりに、太鼓を叩いて盆踊りを踊りました。

看護師たちは祭りの法被を着て、病室を練り歩きます。寝たきりの患者さんのお部屋に入ると、患者さんは目をまん丸くしています。めん棒を手に握ってもらって、手作りの太鼓を胸元に近寄せると、懸命にめん棒を持ち上げようとします。なんとかコン、と当てることができて大満足。笑顔いっぱいの写真を撮影して、ご家族にプレゼントしました。

こうした小さな幸せごとを日々積み重ねて、5年という月日が経ちました。
外来でも病棟でも、認知症の患者さんが安全で穏やかに過ごせるような「寄り添い」がごく普通に見られます。
その方を抑えるのではなく、見守りながら一緒に過ごします。
こうしていくうちに、言葉や身体への抑制もなくなりました。

新しく入ってきたスタッフは驚きます。
けれども入ったところがそういう環境だと、それに倣うので当たり前になるのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
看護師たちが自発的にするところが、このケアのスゴイところ。