どんなタイミングでホスピス緩和ケア外来にかかればいいのでしょうか?
ホスピス・緩和ケアというと、「死を待つだけの場所」「治る希望のない最期の場所」とまだ多くの方が考えられているようです。
確かにホスピスという場所は死を迎える場所ではあるのですが、限られた時間を愛する人とともに大事に過ごし、「最後までその人らしく生き切る場所」であると私たちは捉えています。
人の生きる時間には限りがあり、すべての人は100%死んでいきます。
これだけは「絶対」と言っていいことです。
がんという病気に体の大部分が占有されたり、がんの状態そのものが進んで生命を脅かす状態になって、手術や放射線や抗がん剤などの積極的治療や、代替療法などが効果を出せなくなったとき、主治医から「緩和ケアを紹介します」と言われると、見放されたように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
戦って戦いぬいて、これ以上の方法はもうなくて、紹介されてこられる方もいらっしゃいます。
それから痛みや辛い症状を抱えていらっしゃる方もいらっしゃいます。
あるいは、まだ診断を受けて初期の段階で、緩和ケアというところがどんなところなのか知りたいという方もいらっしゃいます。
緩和ケアにかかったら、もう積極的治療は選べないの?
やっぱりまだ病気ととことん戦いたい。
そうしたいと思ったら、いつでも相談できますし、適切な病院へ紹介することもできます。
新たな治療法を試してみたい、それもその方の意思決定ですから、私たちは支援します。
そんなことを言ったら医師に失礼にあたるのではないか、と思う方もいますが心配は無用です。
いつ、緩和ケアにかかればいいの?
結論から言うと、どのタイミングが適切かはその方によります。
そしてその方がどんなふうにこれからの時間を過ごしていきたいか、にもよります。
ただ、早く知って損した、ということはないようです。
むしろ早く知りたかった、もっと早く来ていたら有意義な時間を過ごせたのに、とおっしゃる方はいらっしゃいます。
緩和ケアに来たらもう退院はできないかというとそうでもありません。
痛みや吐き気などの辛い症状が取れることによって、体力の消耗がなくなり、動けるようになっておうちに帰る方もいらっしゃいます。
まず誰に相談するの?
当院ではメディカル・ソーシャル・ワーカーが窓口になり、病気とどのように戦って来て、今はどうご理解されているか、これから先どうしたいのかを、まずは詳しくお聞きします。
病気以外にも心配されていることをひとつひとつひも解いて、整理するお手伝いをさせていただいてます。そして医師・緩和ケア認定看護師らと情報を共有して、緩和ケア外来の診察を予約して頂くことになります。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
まだまだコトバが足りなくて伝えきれませんが・・
死を考えることは、よりよい生を考えること、とわたしは考えています。