とっても大事なトイレの話
こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
今日は新しい病院のトイレについてのお話です。
昔病棟で働いていたころ、180センチくらいの背の高い高齢男性が入院してきました。病気のために体重が落ち、太ももの筋肉が痩せてぺたぺたになっていました。153センチの私は車いすでトイレまでその方を移動し、立ち上がりを介助しました。その方は柵につかまりながら向きを変えて、どすんと落ちるように便座に座りました。その方の脚が長いのに対して便座がとても低いのです。トイレに座るだけでけがをするんじゃないかとハラハラしていました。トイレが終わっても今度は立ち上がるのに一苦労です。
「便器がもうちょっと高ければなあ」と言いながら、すまなそうにしていました。
そんな記憶がずっと引っ掛かっていました。新しい病院を作るときにどこか一カ所でいいから、便座からの立ち上がりを補助するトイレが欲しいと思っていました。今それが2Fの病棟にあります。
病室のトイレは背もたれつきで、前かがみになって踏ん張りたいときのために肘置きのバーもついています。
それからホスピス個室のトイレはドアが大きく開口するものにしました。
普通はベッドから車いす、車いすから便座へと2度移動を繰り返すのですが、ここではベッドからダイレクトに便座に近づけることが可能です。
在宅で闘病していた母も、亡くなる前日まで父がおぶってトイレに行っていました。
「病院のトイレは“みんなのトイレ”だから、自分が入っているときに使いたくて待っている人がいるかと思うと、入院自体が嫌になるのよね」と言っていました。
個室は自分専用のトイレ。
「これだったら入院してもいいよ」と言ってくれただろうかな。
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