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看護部からのお知らせ

できないと決めつけずに

Qさんは全身の筋肉が徐々に衰えていく病気にかかり、ベッドから降りることがない日々を送っています。
先日障がい者病棟で行ったイベント「手形でこいのぼりを作ろう」でベッドごとデイルームに連れ出されました。
このイベント、介護福祉士Sさんの発案です。
デイルームに集まって車いすで参加している方は、手に絵の具を塗られています。
赤や青に塗られた手形を大きな模造紙にてんでばらばらに押していて、これだけだと何ができるのかさっぱりわかりません。
でもみなさん目に微笑みをたたえて、何だか楽しそうです。

これだけ派手に手を汚す、というのは病院の生活では普通ないことで、皆さん何が起きるのかなというお顔をしていらっしゃいます。

私の横で田村先生が「手を汚すっていうのは脳にいい刺激になるんですよ」とつぶやいて行かれました。
小さな頃にした泥んこ遊びは、一度手が汚れてしまったら思い切りよく楽しむに限ります。
手形を押した後に師長さんから手相を見てもらい「生命線が長いですね~」と言われて実に楽しそうです。

そんな中、冒頭のQさんはベッド上でつまらないんじゃないかと声をかけると、震える指を動かして親指と人差し指で「OK」のサインを出してくれました。
ただそれだけのことですが、うれしかったんですと涙目になって師長さんが報告してくれました。
その後Qさんの手にも絵の具が塗られて、こいのぼりの絵にしっかり参加されたのだそうです。

私たち看護者は「患者さんにはできない」と一方的に決めつけて制限をかけたりすることがあります。
手指を使う場面を作らないで、先んじて介助してしまっていることもあると思います。
でも実は、患者さんはさまざまな力を持っている。
そのことをよくイベントで感じています。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
喜び合える感性を育もう