裏方のチカラ
以前一緒に働いていた総務課長さんは「総務課は職員が働きやすくなるために存在している」と言い切っていました。
医局や看護部などの専門職は患者さんに直接働きかける職種で、医事課は医療行為に対してきちんと報酬をいただくために存在する。その人たちが働きやすいように環境を整えるのは総務課の仕事。だから裏方役に徹して業者さんに偉そうな口をきいてはダメだとよく言っていました。
裏方も場数を踏むことで鍛えられ、研ぎ澄まされていきます。
お客様を(出演者を)温かくお迎えし、必要なものを過不足なく用意し、しかるべき時間に余裕をもってスタンバイする。
準備が9割。そして当日はあらゆる方向にアンテナを張って、1割のアドリブが要る。
滞りなく最後までスムーズだった、ということが大事で、形には残らないけどお客様が喜んで帰られたら、それが報酬みたいなものです。
先日ホスピス緩和ケア研修に来られた方は、ウエルカムボードについてこうおっしゃっていた。
「遠くからやってきて、右も左もわからず明日からどんな研修するんだろうと不安だった。でも玄関に入った途端この看板があって、え?私のこと?私のためにわざわざこんな看板書いてくれたの?って思って感動しました。ああ、ここにいていいんだ、迎え入れてもらったと感じました。看板一枚で私、ここに転勤したくなりました。そして写真を撮って、郷里の親や兄弟みんなにこの看板を送ったんです。そしたらみんなも喜んでくれて。」
それから先日当院で初めて開いたELNEC-Jという2日間の研修会でも、総務課がスキのない準備をしてくれたおかげで、講師たちがずいぶんと動きやすかったと思います。資料のファイルから当日の受付、おやつのセッティングまで心意気が感じられます。
「研修に来て、こんなにかわいいネームプレートは見たことがない」と絶賛され、私も少し鼻高々になりました。
いつもこのブログに来ていただきありがとうございます。
一人でできることなんて限られてる。感謝しかありません。