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看護部からのお知らせ

田村恵子先生をお迎えして

こんにちは。やさしさビタミンブログの工藤昭子です。
8月5日土曜日の午後、ホスピス緩和ケア界の草分け的存在である、田村恵子先生(大阪歯科大学 専任教授・がん看護専門看護師)が講演をしてくださいました。(NPO法人ホスピスのこころ研究所主催)

私自身、初めてお話を聴く機会でしたので、とても楽しみにしていました。
本や雑誌でお顔は拝見してましたが、実物の先生は私よりも小柄な方でした。シシリー・ソンダーズにいっぱいハグしてもらったり、サインしてもらった本が宝物だ、とおっしゃる田村先生はとても愛らしい方だなあと思いました。

さて、お話はホスピスの歴史から始まりました。
ホスピスというのは、旅人(巡礼者)をもてなす、とか傷病者のための安息所という意味を持つhospitiumを語源としています。
「ホスピス」ということばがカナダのフランス語圏ではネガティブなイメージで受け取られたため、palliate(緩和するのラテン語)、palliun(体を覆いつくすほどのマントで包み込む)からpalliative care(緩和ケア)に変化していったのだそうです。

日本においても、ホスピスと緩和ケアはどちらも患者の苦痛や苦悩を和らげることなのに、ホスピスは「死を待つ場所」と受け取られることがあり、そこから「緩和ケア」やPCU(palliative care unit)、BSC(best supportive care)のように受け入れられやすい言葉に変化していった経緯があると、前野総長から聞いたことがあります。

当院が新築移転した際に、病棟に何か名称をつけようとしたのですが、私たちの根底には「ホスピス」が根付いているから、シンプルにホスピス西病棟、ホスピス東病棟という風にしようと落ち着いたのでした。田村先生曰く、ホスピスとは「死にゆく者が静かで豊かな環境の中で家族と最期の時を迎える場所」と仰いました。苦痛や苦悩を和らげて、その人らしく最期まで生ききる場所。生き抜く場所。それがホスピスという場所です。誤解なく伝わるといいなと思います。

2時間という講演はあっという間でした。
最後にホスピスで忙しく働くナースに何かエールをお願いします、というと
「熱いマインドを持つこと。
寄り添いたい、関わりたい、それは理屈ではない。
心から湧き上がる思いを大事にしてください。
患者さんへかける時間はそれぞれ違うかも知れません。
必要とされる関わり、内容はそれぞれ違います。私たち看護師にとっても時間は有限だから、公平とか平等とかにこだわるのではなく、今この人に必要なケアをアセスメントして、たった5分でいいからきちんと向き合うことです」ということばに胸がアツくなりました。

自分自身をも大事にしながら目の前の人をケアする。そしてこれでよかったのかなあと教えていただく。そういうことですよね!

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
パワー、いただきました!