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看護部からのお知らせ

方法の原理に照らし合わせる

昨年の秋に「方法の原理」ということを学びました。
方法の有効性は目的と状況に応じて決まる、という原理です。
西條剛央先生※1が主催するエッセンシャル・マネジメント・スクール(EMS)で教わったのですが、最近のコロナ対策で私はこのことをしょっちゅう考えるようになりました。

そもそもサージカルマスクというのは「1処置1マスク」であり、患者さんに何か処置をしたり痰の吸引をした際は、その都度廃棄して新しいのを身につけるのが基本でした。感染から患者と医療者の身を守るのが目的で、それ以上でも以下でもありません。マスクは一枚3円くらいで、以前は処置をするときのみ装着していました。

2月には目的は変わりませんが状況が変わり始めていました。職員は全員マスクをつける必要が生じたのにマスクが入ってこない、という状況です。その頃は「4月くらいには納入再開するんじゃないか」と考えていました。
それで一人一日一枚に制限して使うことにしました。
現場ナースは「え~?一日一枚なんて汚い~」と悲鳴を上げていました。

4月に入っても依然としてマスクは入ってきません。さらに状況を鑑み「一人10枚を1か月間自己管理」「患者さんと直接かかわらない部署の職員は布マスク」という方法に変えました。マスクの内側に不織紙ガーゼを当て、使用後はマスクを中性洗剤で押し洗いし、次亜塩素酸ナトリウムを薄めたもので消毒して干す、という工程を各自にお願いしました。しかし本来そのような使い方を想定しているものではありません。マスクは傷むし、肝心のウイルスから守る機能が損なわれないかは疑問です。

その後マスクは洗わなくても72時間たてばウイルスは消える、紙袋に保管すれば3時間で大丈夫、など諸説出てきました。
真偽のほどはまだわかりません。
インターネットで見ると4月18日現在一枚100円前後で取引されています。
とても使い捨てできる金額ではありませんね。

目的は同じでも、状況は日々刻々と変わっていきます。
それによって有効な方法を変化させていくしかありません。
コロナ対策は毎日毎日が新たな試練との直面です。ときには直感で動かなければならないこともあるでしょう。
その場合も後から方法の原理を思い起こして目的・状況・方法と順に考えていくと、頭の整理に役立ちます。

そんな中、こんなはがきをいただきました。
私の勉強仲間であり、笑い文字の先生からのものです。
「みんなのためにありがとう!無理せず気をつけて」というメッセージが書かれていました。
これは医療者みんなに向けたものとして受け取りました。
誰かが誰かを思いやる、そうした気遣い・愛情が今の時代にとても大切なことと思います。
状況がどんどん悪くなっても、人を元気づけるという目的のもと、こうしたはがきがどれだけうれしいことか。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
悪いことばかりでもありません。

※1 西條剛央先生と方法の原理について詳しくお知りになりたい方はこちらの記事をご覧ください。https://www.1101.com/funbaro/2011-06-17.html