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看護部からのお知らせ

寝れば治る

新年あけましておめでとうございます。
今年は穏やかな天候のお正月です。札幌は雪が少なくて、これから降るのだろうなとドキドキしています。

さて私ごとですが、クリスマスイブから流行りの感染症にかかってしまい、珍しく寝込んでしまいました。
3日間トイレ以外に布団から出られず、起き上がるまで数日かかりました。
うとうとしながらスマホを見ていて、野口晴哉さんの「風邪の効用」という本を知り、気になってすぐぽちっと買いました。
この本1962年に刊行された講和集で、裏表紙にはこう書いてあります。
―風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものである。(中略)風邪を引いたあとはあたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた名著―
この、「蛇が脱皮するように新鮮な体になる」というフレーズが引っ掛かりました。さらに気になったフレーズはいくつもあるのですが、

―早く治したい気持ちはわかるが、人間の体の動きは壊すときは一気にできるが、活かすとか正すということは順々に、徐々に変わってゆくのであって、その経過のうちに動く自然の移り変わり、体の状況をハッキリ知るべきでありましょう。
早く治そうという考え方が、体の調子を乱す。強行すればそのための行為が身体を乱す。
治し方を工夫するよりも全体の流れを整理するための観察方法として経過を見る。身体を乱さず整えておけば、自ずから経過する。―

そうですね、私が子供だった頃は風邪くらいで病院にはいかず、家で温かくして寝ているのが基本でした。
母が葛湯を作ってくれたり、桃の缶詰を開けてくれたり。私なんかはこの桃缶のためにぐずぐず長引かせたいくらいでした。

翻って現代は効率よく診断をつけて治療するのが当たり前になりました。
今は風邪症状の原因が何であるかを明らかにしないと休むに休めなかったりで、ややこしい世の中になりました。
けれども60年前の養生訓は、しみじみと自分の身体を観察し、明日にむかっていくパワーを与えてくれました。
たまに寝込むのも必要なことですね。
本日のタイトルは父の口癖。少々のことは「寝れば治る」といつも言ってたっけ。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
皆様もお大事になさってください。