世界でたった一つの、私だけの服
病院にボランティアさんがいることを、私たちは「社会の風が入る」と言っています。
医療者でもなく患者でもない、ごく普通の人が、普通の格好をして普段の暮らしを院内に持ち込むことで、患者さんは当たり前の日常を感じることができます。
そして医療者も普通に生活する人の感覚を取り戻すことができるのです。
ボランティアグループ”せら”の中でソーイング(裁縫)チームは、入院患者さんの暮らしの環境を確実に豊かにしてくれています。
イベント時の着ぐるみで笑いを取り、ベッド周りに彩りを添え、輸液ポンプの「医療的な姿」を温かく消し、ふんわりあったかなぬくもりを感じさせてくれる存在です。
世の中お金を出せばなんでも買える。でも本当にそうでしょうか。
病気のために既成の服が合わなくなった方がいます。
このデザインが気にいってたのに。この柄が好きだったのに。
脚のリンパが腫れて入らなくなったズボンやスカート。お腹が張って傷つきやすくなった皮膚。
そういう患者さんの洋服を直すことで、もう一度おしゃれを楽しむことができる。
ソーイングチームの中心Kさんは、着られなくなった患者さんの洋服を上手に再生してくれます。
肌を傷つけないようにウエストにはゴムを緩めに入れて柔らかな綿で覆ったり、縫い目が肌に触れないように工夫してくれます。
既製品では得ることのない、細やかな気遣いで、世界にたったひとつの価値ある洋服になるのです。
ポイントは①買わずに作る ②味のあるリサイクル ③世界にたった一つの価値あるもの、なのです。
患者さんや職員に喜ばれた形あるものは数知れず。
作ったものが誰かの体験となって記憶に残っていきます。
今日もこのブログに来てくださりありがとうございます。
自分のすることが誰かの役に立つって幸せですよね~。