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看護部からのお知らせ

モニターがない、ということ

研修された方から、終わりごろに感想を聴くのを楽しみにしています。
先日も緩和ケア研修に来られたナースに、印象に残ったことは何ですかと尋ねてみましたら「(心電図)モニターがないこと」と言われました。

患者さんの命の残り時間が少ないと判断したら、たいていの一般的な病院では、体にモニターをつけて、心電図の波形がピッピッピと音を立てています。
これが病室にあると、ご家族はモニターをじっと見てしまいます。
波形の形が変わったり、アラームが鳴ったりするとドキドキするものですね。
心拍数も数字で出ているので、どうしても画面から目が離せなくなってしまいます。
そうしてご家族はモニター画面で生命の終わりを知ることになります。
私自身、長く急性期病院にいたので、それが普通のことだと思っていました。


当院の緩和ケア病棟にはモニターはありません。
置いていません、という言い方が正しいのかな?

ご家族はそばにいて、じっと患者さんのお顔を見ています。
呼吸の状態を見て、声をかけて、最後の時を共に寄り添って過ごします。
大きく息をついた、あれ、止まったかな、いやまた息を吸った。
手を握る。身体をさする。話しかける。

痛みや苦しいところがないと、命が閉じる瞬間は自然で穏やかです。
人が産まれる時も呼吸を合わせ、見守りますよね。
何もすることがなくても、ただそこにいるということ。
こういう時間を過ごせるように症状を緩和できていたら
モニターはいらないのです。

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
実は他にもないものがあります。