ホスピス研修生を通して学ぶこと
ホスピスでは様々なところから研修生を受け入れておりまして、今年度は13名の方がおいでになりました。
短い方で1日~長くて1か月位の間、病院の寮に寝泊まりして研修されます。
滞在する間に一度院長・事務長・ホスピスナースと共にお食事をしながら感想などを聞かせていただくのですが、みなさんいろんなカルチャーショックを受けられていきます。
「ドクターが患者さんの家族構成や生活背景についてものすごくよく知っているのに驚いた」
「朝昼に行われる他職種カンファレンスの内容が濃い」
「自分のいまいる部署では対応できないようなことでも、患者さんの願いをかなえようとしている」
「回診で椅子を持って歩き、座って患者さんの話を聴く姿」
「時間の流れがゆっくり穏やかだけど、実は看護師はものすごく細かいことにアンテナを張っていて忙しい。忙しいのにそう見せないところがすごい」
「職員がみんな対等な感じ」
などが共通したところですが、先日いらした方がこんなことをおっしゃっていました。
「吸痰(痰を管を使って吸引すること)が少ないですよね。自分の病棟では亡くなる間際まで吸痰しているイメージがあるけど、ここではほとんどそういう姿はなくて驚きました」
それについて院長が「それはね、身体がむくむと(看護師に)怒られるからですよ」と控えめな声で答えました。
食事が摂れない⇒点滴をする⇒水分量が多くなる・代謝が悪くなる⇒体がむくむ⇒肺にも水がたまり痰が増える⇒痰を吸引する⇒患者さんは辛いという構図があるので、水分量を必要最小限に投与するように気を付けているそうなのです。
身体がむくんでくると、全身を観察している看護師から院長も怒られる・・とは私も初めて知りました。
しかも痰をさらに減らす秘策もあるそうで、緩和ケアの分野ではジョーシキなのだそうです。
今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。
研修生の鋭い視点を通して、私も勉強になりました。