https://sapporominami.com/nurse/

文字の大きさ変更

サイトマップ
0118830602

看護部からのお知らせ

ご家族が認知症かも・・というときご相談ください

先日グループ病院の看護・介護部門の看護研究発表会が行われました。
新しい知識を学ぶとか、何か共通する物事を話し合うというときに、全国グループのスケールメリットを感じます。
当院からは外来の研究「認知症患者・家族との関わりについて考える」というテーマで発表がありました。

ふくじゅそう外来とは

当院には「ふくじゅそう外来」という風変わりな名前の外来があります。
認知症患者さんとそのご家族のための外来なのですが、認知症の方が「私は認知症じゃないかと思う。だから認知症を診てくれる病院にかかろう」と思うのはまれなことで、ほとんどの場合一緒に暮らしているご家族が異変に気づいて、どこに相談しようかと考えられます。

受診(病院で診察を受けること)することを決心したとして、「認知症の外来に行きますよ」というのはあまりにも直接的すぎて、「私は認知症なんかじゃない!なんてことを言うんだ!」と言われかねません。
それほどに認知症に関してはデリケートな側面があるため「もの忘れ外来」というようなネーミングをつけている病院がほとんどです。

当院でも抵抗感が少なく来られるよう「ふくじゅそう外来」という名前にしています。
ふくじゅそう外来ではコウノメソッドを取り入れ、「介護者保護主義」をコンセプトとし、共に暮らす介護者の負担軽減を重要な視点にしています。
認知症が進行すると単なるもの忘れにとどまらず、徘徊、火の不始末、もの盗られ妄想、暴力、異食(食べ物ではないものを食べる)、介護拒否などが起こることがあります。(個人差があります)
症状がひどくなるほど、介護者は対応に悩み苦しみ、周囲からの理解やサポートを必要としています。

介護者の関わりの変化で負担も軽減していく

認知症は残念ながら、現在のところ特効薬はありません。

「また忘れてる」「どうしてこんなこともできないの?」など、衰えて変化していく家族を理解できず、ついつらく当たってしまったりして、そのことに自己嫌悪を感じ介護者=家族の苦悩はどんどん深まっていきます。

しかし介護者が「大変だ」と感じていた症状は、薬の調整や関わり方のコツを知って対応すれば、落ち着いて過ごすことができるようになっていきます。それは結果的に介護者自身の心境の変化にもつながっていきます。

介護者自身が「負担だ」「どうしてこうなったの」「イライラする」など悲嘆や負の感情を抱いているより、「そういう病気だからしょうがない」と受け止め、「これはできなくなった、でもこんなことはできる」と、いい面に目を向けることによって、患者さんも安定していくのです。
外来の研究発表は「介護者の負担軽減の役に立ちたい」というコトバで締めくくられました。少しでも認知症の患者さんとご家族の力になれたら幸いです。

 

今日もこのブログに来ていただきありがとうございます。

ふくじゅそう外来に関する情報は

ふれあい平成26年3月20日号
ふれあい平成27年1月1日号
をご覧ください。