カテゴリー: ホスピス関連

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    札幌ホスピス緩和ケアネットワーク特別講演会

    3月19日の午後、道新ホールで札幌ホスピス緩和ケアネットワークの
    特別講演会がありました。当初は東京の山崎章郎先生と福岡の二ノ坂
    保喜先生の講演会と前野宏先生を含めた3人の鼎談の予定でしたが、
    先週の大震災の影響で、山崎先生の来道がキャンセルとなり、二ノ坂
    先生の講演が中心となりました。

    二ノ坂先生は、地域で開業医をやっていく上で必然的に在宅ホスピス
    ケアをやり始めた方で、私たちが病院の中でホスピスケアをやっている
    とつい忘れがちな観点を講演の中で話してくれました。
    特に我が国のホスピスの問題点は、診療報酬上、「がん」と「エイズ」
    のみが対象となっていること。元々ホスピス運動はそうではなかったと
    言っていたことが印象的でした。
    在宅ホスピスは何も「がん」ばかりでなく、神経難病や小児の難治性疾患
    も対象にしないといけないし、それが当たり前として実践していることが
    すばらしいと思いました。

    山崎先生の講演が中止となってしまいましたが、二ノ坂先生のお話をたっぷり
    と聞けて、3時間があっという間に過ぎました。
    今年もいい講演が聴けたと思いました。

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    こんなときどうする?

    これは、鳥取市内の野の花診療所でホスピスケアをやっている徳永進先生の最新本の
    表題です。昨日、北海道がんセンターの主催の研修会で徳永先生の講演会がありました。
    昨年、当院が行ったホスピス講演会でも来て下さった徳永先生の講演がまた聴けると
    思い、喜び勇んで講演会に行きました。
    今回の講演は医療者向けに限定。内容も少し医学的でした。今回はスライドを使いながら
    の講演で、ホスピスケアの日々「こんなときどうする?」という演題でした。
    臨床に携わりながら日々困難な症例にぶち当たると、これでいいのかと自問する毎日。
    そして頑張っても報われず、疲れだけが溜まるという悪循環。私たちも経験するところ
    です。そういう症例を分類しておけば、そうかこういう症例は大変なんだと思うだけ
    でも少し救われるのでということで、徳永進流「難渋分類」というものを定義し、
    今回の講演では10個の分類を紹介していました。どれも、私たちがホスピスで出くわす
    難渋症例で、結局答えがあるというのではなく、答えを見つけるために日々模索すること
    が大事というのが結論でした。

    2時間の講演会でしたが、あっという間に終わりました。
    また明日からがんばろうと思いました。

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    日野原先生を囲む会

    みなさんは日野原重明先生をご存知でしょう。あの聖路加国際病院の理事長であり、
    数々の役職を兼任されている方です。
    今回、日野原先生が札幌に来る機会があり、有志が集まって日野原先生の100歳を
    祝う会が催されました。当院の副理事長である前野先生からのお誘いもあり、私も
    参加させて頂きました。11月21日の昼から中島公園にある由緒ある豊平館での開催
    でした。日野原先生は明治44年(1911年)10月4日生まれで正確には満99歳なので
    すが、数えではもう100歳になったとのことで、今回100歳のお祝いの会が開催され
    ました。いつも思うのですが、少し猫背ぎみではありますが、100歳とは思えない
    ぐらいしっかりしており、きちんと挨拶はされるし、みんなで「ふるさと」を合唱
    したのですが、その指揮もやられました。本人は、100歳の今までは助走期間でこれ
    からがスタートラインでジャンプするんだと言っていました。その気持ちは本当に
    凄い。だからこんなに元気でいられるんだと思いました。
    私は日野原先生の半分にも満たない年です。あそこまでは頑張れないにしても、
    元気をもらった会でした。

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    東京出張

    本日、日帰りで東京に出張してきました。 目的は徳洲会グループ1年次研修医
    向けの講演会でした。
    「ベッドサイドのコミュニケーション」という題目でお話しをさせてもらいました。
    全国の徳洲会グループに今年の4月に入職した初期研修医は約100名で、各病院で
    日々忙しい臨床を毎日こなしていますが、入職して約半年が経ち、自分たちがやって
    いることを振り返ること、また全国の徳洲会の研修医同志の交流のため、今回1泊2日
    で東京に集合したのでした。今回、徳洲会の研修委員会から講演の依頼があり、当直
    の合間に日帰りしてきました。
    内容は、がんの告知などの悪い知らせの伝え方(Breaking Bad News)の手順、私たち
    が普段ホスピスで実践している患者さんとのコミュニケーション技術としてのベッド
    サイドに座る、聴くについて話しました。研修医向けに話しながら、また自分もきちん
    と実践できているのかと振り返る機会になりました。
    今回の講演を聞いて、来年ホスピス研修に来てくれる研修医が増えるといいなと思って
    札幌に戻ってきました。

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    日本死の臨床研究会年次大会(盛岡)

    11月6,7日の2日間盛岡で日本死の臨床研究会の第34回年次大会が開催され、
    参加してきました。
    約30年前、あまりにも医療の中に死が閉じ込められ、みんなが苦しいまま病院で
    亡くなっていく現実に、これはなんとかしないといけないと有志が立ち上がり、
    1977年に日本死の臨床研究会というものが出来たのです。日本のホスピス・緩和ケア
    の領域では一番最初にできた集まりで、また死を取り上げているというとても
    ユニークな研究会です。わたしもこの緩和ケアに携わり始めてから毎年参加するよう
    になっています。
    最近は、緩和ケアが普及が著しいですが、あえてこの研究会は緩和ケアの普及自体が
    生を支えすぎて人間のいつかは死を迎える現実を遠ざけてしまっているということを
    危惧していると訴え続けています。

    今回の年次大会は東北地区で開催されたこともあり、テーマは「地域で看取る」。
    どのようにして人生の終末期を地域の中で支えていくべきか、活発な議論がありました。
    私は事情で、一日目しか参加しなかったのですが、昼のセミナーで聞いた小笠原内科の
    小笠原文雄先生のお話がとても印象的でした。もともと循環器内科医でありながら、
    開業したので在宅を始めてしまい、色々な患者さんとの出会いからいつの間にか
    在宅緩和ケア医になってしまったとのこと。なんと在宅の死亡率が90%を超えている!
    そこには、患者さん本人の家に帰りたいという気持ち。それを支える家族、スタッフの
    がんばりがあることをセミナーを聞いてヒシヒシと感じました。
    我々ホスピス病棟を運営しているものにとってもとても刺激的な内容で、家の力には
    勝てないけれど、ホスピスマインドだけは常に大切にして患者さん・家族に関わることが
    原点と思いました。

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    日本死の臨床研究会北海道支部 秋の研究会

    10月23日秋晴れの旭川で上記の研究会が開催されました。
    昨年から春と秋に研究会を行うこととして、春は札幌で開催し、秋は
    道内各地で開催していくこととなり、今年は旭川での開催となりました。

    特別講演として、聖路加国際病院緩和ケア科の林章敏先生を迎えてのお話し、
    後半は「看取りの地域連携」と題したシンポジウムが行われました。
    シンポジウムでは旭川の現場の人たちの声を直に聞くことができて
    とても有意義でした。それぞれができることを一生懸命やっており、
    それが十分伝わったディスカッションでした。印象的だったのは、今本内科医院
    の今本先生のお話。今から10年以上前のまだ在宅医療が十分整備されていない
    ころに癌であった義父を自宅で看取ったことの大変だったこと。家族の一員で
    あり、主治医であり、また子供を持つ母親として色々なことをしなくてはなら
    なかった時の大変さが今につながっているとのことでした。
    こうした人たちに地域が支えられているのを感じた旭川での研究会でした。

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    遺族会

    先日、ホスピスの遺族会がありました。遺族会というのは、ホスピスから退院された方の
    御家族をお招きし、御遺族とスタッフで故人を偲ぶ会です。
    毎年1回開催しており、今回で5回目を迎えました。例年、過去3年間にホスピス病棟
    で亡くなられた方、在宅で亡くなられた方の御家族に案内を送っております。
    今年は35家族、約50名の御遺族が参加されました。
    私としては、自分が関わった患者さんの御家族に会えることが、とてもうれしいのです。
    患者さんは亡くなっていますが、その御家族と共にそのときに会った出来事などを話す
    時間がとても幸せに感じます。また、みなさんから感謝の言葉を聞いて、また明日から
    がんばろうという気持ちにさせてくれる会なのです。

    今回もたくさんの御家族にお会いでき、とてもいい時間を持てました。病院での忙しい
    毎日に疲れもたまるなあと感じている頃に、元気をもらった遺族会でした。

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    ホスピス緩和ケア週間

    みなさん、こんにちは。10月3日から9日まではホスピス緩和ケア週間で、
    当院は一階ロビーに展示物を行い、今日8日は特別医療講演として病院で
    講演会をさせて頂きました。
    前半は私が「支え合ういのち」と題して、後半は「分かち合ういのち」と
    題してしてホスピス病棟の師長の小野寺がお話しさせて頂きました。
    私たちが日常出会っている終末期にある患者さんに関しての具体的な話を
    交えて、患者さんのいのちを支える家族のこと、生命ではなく「いのち」
    がいろいろなところで生き続けることなどのお話しを2人でさせて頂きました。

    毎年10月の第2土曜日を「世界ホスピス緩和ケアデー(World hospice and
    palliative care day)」と決め、世界各国のホスピス緩和ケア関連施設や団体が、
    様々なイベントを開催しています。 ホスピス緩和ケアの啓発・普及、募金活動を
    行うことなどが主な目的です。
    日本ホスピス緩和ケア協会は2006年から毎年「世界ホスピス緩和ケアデー」
    を最終日とした一週間(今年は10月3日~9日)を 「ホスピス緩和ケア週間」と
    呼び、日本でのホスピス緩和ケアの普及に努めています。
    当院も2年前からこの趣旨に賛同し、参加しています。

    今後もホスピス緩和ケアが普及していくように当院が率先して努めていきます。

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    お月見

    9月22日は十五夜。ホスピス病棟でお月見のイベントがありました。空は朝から
    曇り空。せっかくの十五夜なのに雲に隠れて満月が見られないのではと思って
    いましたが、夕方になって日が沈み始めた頃から、雲が少なくなり東の空に
    くっきりと満月が現れたのでした。今日のイベントにぴったりの空になりました。

    イベントの中では、ホスピススタッフの1人が作った紙芝居を行いました。月に
    ちなんだ話はもちろん「かぐや姫」 急造のミニ劇団員が紙芝居を読み、それぞれ
    役になりきりました。私が務めた役は5人の立派な若者。かぐや姫に求婚する
    5人の若者を担当しました。5人の声色を変えるのは大変でしたが、みなさんは
    楽しんでもらえたようです。

    院長もいろいろとすることがあり、大変です。
    それではまた。

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    内藤いづみさん講演会

    先週の土曜日9月18日に内藤いづみさんの講演会が札幌市教育文化会館で
    ありました。

    内藤いづみさんのことを少し紹介させてもらうと、在宅ホスピスを以前から
    やっていらっしゃる方で、20年前に訪れたイギリスでホスピス運動に触れ、
    もはや病気を治せないと分かり、死を遠くない未来に控えた人に医療は何が
    できるのかと感じたときに、そこに「ホスピスケア」があるとわかり、それ
    を自分の生業としようと決意し、まだ日本にまったく根付いていない時期
    からホスピスケアを始めた方です。
    15年前に地元の山梨で開業され、がんの人を家で看取ることに一生懸命とり
    組んでいます。内藤さんは、
    「在宅ホスピスは、患者さんと家族が深く、改めて“いのち”に向かい合う
    場、『ありがとう』と『さようなら』がひとつになる瞬間がそこにある。」
    と言われています。

    今回の講演会は「命の縁~えにしにつなげる」と題して、1時間半の講演会
    でした。内藤さんの話術にはまり、話の内容や出てくるスライドに引き込まれ
    あっという間に時間が過ぎました。

    私も日々ホスピス病棟で死と向き合い、いのちに関わることが多いのですが、
    今回の内藤さんの講演会で心に残った言葉は、
    「ターミナルケアは子育てと同じ。患者さんと家族を見守る、成長するのを
    待つのです。」というところでした。
    死を間近に控えた患者さんとその家族。つい私たち医療者が手をさしのべて
    しまうことが多いのですが、それは患者さんや家族が人間として成長する機会
    を妨げてしまうことがあるということ。子育ても干渉しぎてもいけないし、
    成長を見守ることが大切である。ここに共通点があるということでした。
    とても共感する内容でした。

    今回、縁があり、内藤いづみさんとは知り合いになることができました。
    この出会いを大切にしていきたいと思いました。

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    大隅鹿屋病院

    みなさん、こんにちは。今週に入り札幌もようやく暑さも峠を越えた感じ
    になりましたね。30度を超えない日があると、急に寒く感じますね。

    さて、今回、徳洲会グループの病院の一つである大隅鹿屋病院に講演会に
    呼ばれて行ってきました。どこにあるかというと、鹿児島県の大隅半島の
    中間にある鹿屋(かのや)市にあります。地図でみるとわかりますが、
    鹿児島県の二つの半島の一方にあたります。この周辺にはこの病院以外に
    基幹となる病院がないようで、周辺の住民にとても頼られている病院だ
    そうです。大隅半島は鉄道が走っていなく、移動はもっばら車かフェリー
    を使って薩摩半島に渡るという手段しかなく、陸の孤島と呼ばれている
    ようです。

    大隅鹿屋病院では「ホスピスのこころ」と題してお話しをさせて頂きました。
    札幌南青洲病院の紹介の後、「がんの告知」のこと、「いのち」のこと、
    そして「ホスピス」のことを話しました。
    いつも自分が実践していることをお話ししましたが、「ホスピスのこころ」
    を持つことが、医療の原点であることを伝えました。
    みなさんのこころに届けばいいなと思い、病院を後にしました。

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    医療講演

    みなさん、こんにちは。昨日、里塚・美しが丘地区センターにて医療講演を行いました。前日に地域の新聞に折り込み広告が入り、それを見た方がたくさん聞きに来られて、盛況な医療講演なりました。どうもありがとうございました。

    テーマは「最近のがん医療と緩和ケア」。
    最近のがん医療の現状についてお話しさせて頂きました。こういう話をする機会が多いのですが、現在は2人に1人の方が「がん」にかかり、3人に1人のの方が「がん」が原因で亡くなる時代です。あと10年もすると2人に1人の方が「がん」で亡くなると言われています。それほど「がん」というものが身近になっています。
    平成18年に成立したがん対策基本法以来、全国のがん医療の均てん化と緩和ケアの普及が急速に進んでいます。均てん化というのは全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるようすることで、北海道でも東京でも沖縄でも同じような治療が受けられるようにしましょうという法律です。法律ができたことで、色々な施策が行われ急速に整備されてきたことは、私たちが日常臨床をやっていると十分感じています。
    またこの法律は、緩和ケアにも言及した初めての法律で、その普及に大きく貢献しています。

    医療講演の後半は私たちの病院が提供している緩和ケアについてのお話しと病院のホスピスの紹介でした。
    みなさん熱心に聞いて頂き、とても感謝です。

    これからも色々なテーマで病院から情報を発信します。よろしくお願いします。

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    日本ホスピス緩和ケア協会年次大会

    この3連休の土曜・日曜と日本ホスピス緩和ケア協会年次大会に参加するため浜松に行ってきました。
    日本に最初にホスピスが出来たのが、1981年浜松の聖隷三方原病院で、この近くにあります。

    日本ホスピス緩和ケア協会というのは、前身の全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会から発展し、日本ホスピス緩和ケア協会と名称変更し、2008年からはNPO法人(特定非営利活動法人)となり、全国のホスピス・緩和ケアの普及と質の向上を図っている団体です。

    日本のホスピスムーブメントはホスピス病棟から始まっているので、この団体の中心メンバーの方々が、日本の緩和ケア創生期に活躍していたのです。

    今回の出張は、病院ので当直が少し忙しく十分に休養が出来ないまま、出張の朝を迎えました。朝から少し体が重いなあ、頭痛がするなあと思っていたのですが、移動の飛行機や新幹線の中でも十分に疲れが取れずに、午後からの年次大会に出席しました。
    案の定、睡魔との戦いとなり、半分聴いて半分は別の世界にいました。隣の前野先生は元気一杯でした。とほほほ・・・。

    いつも病院(ホスピス)で働いていると、色々な問題にぶつかったり、また悩んだりしますが、この大会に来て他の病院の方々と情報交換すると、同じ悩みや問題を持っていることに気づきます。そして、同じ仲間がいるんだと元気をもらって帰るのです。

    梅雨明けの浜松は札幌に住む私たちにとってとても暑かったです。木々から聞こえる蝉の音が夏だなあと感じ、浜松を後にしました。
    さて、今週もまた頑張りますか。

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    緩和ケア研修会

    みなさん、こんにちは。
    7月に入ってからは少し雨が降ったりと気温が下がって過ごしやすくなったと
    思いきや、湿度が高めでじめじめした感じですね。

    さて、私は7月10日、11日と2日間、北海道大学病院緩和ケア研修会に講師
    の1人としてお手伝いに行ってきました。
    「緩和ケア研修会」というものをご存じのない方もいらっしゃるかもしれませんの
    で、少し説明をしますと、平成18年6月にがん対策基本法が国会で成立し、そ
    の中でがん医療の均てん化(全国どこでも同じようながん医療を受けられるとい
    うこと)とがん患者の療養環境の維持向上が謳われました。
    その具体的な方策として、全国のがん医療の携わる医療従事者(特に医師)は
    緩和ケアの基本的な研修を受けるようになったのです。
    大学病院やがんセンターなどのがん診療拠点病院はその緩和ケア研修会を企
    画・運営することが義務づけられ、毎年研修会を開催することとなりました。
    今回、北海道大学病院主催で行われた研修会に講師の1人として呼ばれたのでした。
    研修会は受講生が42名の大所帯で、北海道大学病院の先生方以外にも地域の
    開業医の方なども参加され、それぞれの方が研修会で何か得るものをもって帰ら
    れていました。
    参加者ではなかったのですが、他の講師の講義を聴いている中で、がん患者が受
    ける衝撃は「がんの診断時」より、「再発や治療の中止を伝えられる時」が大きいとい
    うことに再び気づきがありました。
    最近、そういう面談の場に居合わせることがあり、がん患者の受ける衝撃の大きさを
    目のあたりにして、そういう思いが強くなりました。
    私たち医療者は、やはり常に患者さんに辛い思いをさせてしまうことが多いけれど、
    できるだけ患者さんの気持ちを考えながら、接することが大事と思った研修会でした。
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    石垣先生の講演会

    こんにちは。
    6月にもかかわらず北海道は暑い日が続いていて、そのまま7月になっています。
    これも地球温暖化の影響でしょうか?でも、5月が寒くて作物の発育が遅れていたのが、この暑さで挽回
    出来たようでなによりです。

    さて、7月2日金曜日に当院で石垣靖子先生の講演会がありました。
    石垣靖子先生はご存じの方も多いかもしれませんが、日本の緩和ケア領域でも第一人者の1人で、長く
    東札幌病院に勤められ、2年前から北海道医療大学大学院の教授である方です。
    今回は、当院の看護師向けの講演会でしたが、病院の職員全員が聞いてもとてもためになるお話しでした。
    その中でも、印象的な話がありました。
    「医師はどうしても患者さんに何かをしたがる。」それは、医学教育のなかで、常にそういう思考回路をたたき
    込まれているとのことでした。
    一方、「看護師は患者さんの部分部分から成り立ったものでなく、全体を見る。」とのこと。
    患者さんそのものを受け入れるとのこと。
    この視点の違いが、お互いの意見の相違につながっていくということでした。
    振り返れば、日常の臨床においては、いつも起こっているでした。
    ホスピス・緩和ケアの領域では、何かをしたくてもできないことが多くなり、そういう時はやはり看護師の視点
    である「患者さんを全体で見る」ということがとても大切になります。
    そのことを再確認した講演会でした。
    講演会では、石垣先生の患者さんとの個人的な体験も聴くことができ、職員一同感動した内容でした。
    とてもすばらしい時間を過ごしたと感じました。
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