先週の土曜日9月18日に内藤いづみさんの講演会が札幌市教育文化会館で
ありました。
内藤いづみさんのことを少し紹介させてもらうと、在宅ホスピスを以前から
やっていらっしゃる方で、20年前に訪れたイギリスでホスピス運動に触れ、
もはや病気を治せないと分かり、死を遠くない未来に控えた人に医療は何が
できるのかと感じたときに、そこに「ホスピスケア」があるとわかり、それ
を自分の生業としようと決意し、まだ日本にまったく根付いていない時期
からホスピスケアを始めた方です。
15年前に地元の山梨で開業され、がんの人を家で看取ることに一生懸命とり
組んでいます。内藤さんは、
「在宅ホスピスは、患者さんと家族が深く、改めて“いのち”に向かい合う
場、『ありがとう』と『さようなら』がひとつになる瞬間がそこにある。」
と言われています。
今回の講演会は「命の縁~えにしにつなげる」と題して、1時間半の講演会
でした。内藤さんの話術にはまり、話の内容や出てくるスライドに引き込まれ
あっという間に時間が過ぎました。
私も日々ホスピス病棟で死と向き合い、いのちに関わることが多いのですが、
今回の内藤さんの講演会で心に残った言葉は、
「ターミナルケアは子育てと同じ。患者さんと家族を見守る、成長するのを
待つのです。」というところでした。
死を間近に控えた患者さんとその家族。つい私たち医療者が手をさしのべて
しまうことが多いのですが、それは患者さんや家族が人間として成長する機会
を妨げてしまうことがあるということ。子育ても干渉しぎてもいけないし、
成長を見守ることが大切である。ここに共通点があるということでした。
とても共感する内容でした。
今回、縁があり、内藤いづみさんとは知り合いになることができました。
この出会いを大切にしていきたいと思いました。