日: 2011年6月3日

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    徳洲会グループの初期研修医のホスピス研修

    当院は徳洲会グループの一員です。現在、全国の徳洲会グループの中にいくつかの臨床研修
    指定病院があります。
    つまり、大学卒業したて新人研修医が医師として第一歩を踏み出し、2年間の初期研修する
    病院のことです。
    当院はそういう病院ではありませんが、2年間の研修の中で緩和ケアを学びたい研修医に
    対して1ヶ月間のホスピス研修を提供しています。全国からホスピスに興味のある2年目
    の研修医が当院に来て研修を受けています。

    今年は、4月、5月と2ヶ月続けて鹿児島の大隅鹿屋病院から研修医が1ヶ月づつ当院に
    来ました。地域の救急病院として約1年間働き続けた研修医が、当院に来て気づくことは
    色々あるようです。
    まず、死は敗北ではないこと。救急医療をやっているとやはり命を助けることにどうして
    集中していまします。この高齢化社会にあって、病気の診断はつくが、どのように手当して
    も助からない命はあること。努力しても助からない時には、新人研修医には後悔と無念さが
    残るのようです。でも、振り返ってみると、人は必ず死を迎えるという事実。これを研修医にきちんと
    伝える指導医はどれだけいるのか。救急を扱う現場では、なかなか死と向き合うことは難しいの
    が現実です。当院のホスピスで研修を行うと、研修医自身が死とはどういうものかに向き合い、
    それを感じとることで今後の医師として仕事をしていく上で非常に大きな影響を与えることができると
    思っています。

    また、当院で研修をすると医療の原点はチーム医療であることもわかってもらえます。
    ホスピスという環境では、病気の治療が難しいことが多い中、患者さん・ご家族の苦痛を
    いかに和らげることができるかをチーム内で共有し、キュア(治す)ではなくケア(癒やす)
    を中心に行っています。それを日々見ていくことで、チーム医療を行うことの大切さを
    学んでくれます。

    いつも研修医を指導している私としては、そばに研修医がいる月は仕事の肩代わりもして
    もらい、少し時間の余裕もできてうれしい月です。4月、5月と研修医がいて、刺激にも
    なり助かりました。今月からまたしばらくは研修医がいません。
    また、次の研修医が来るまでがんばります。

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